育児日記・2007年12月

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2007年12月6日(木)「鬼が来る」

 愛娘・まのちゃんが、「ぴいいいいいいいいっ」という、超音波のような叫び声を発するのには困ります。 それも、私がいる時だけ。

 その声を発すると、「うるさいよ」、「欧米かっ!ってぜんぜん関係ないじゃん俺」と頭を軽くこづいてツッコミを入れるのですが、どうやらそれが楽しい模様。 なんでそんなことが楽しいんだ。

 しかし、あまりに強烈な叫び声のため、ご近所に何事かと思わせるのもやだし、何よりうるさい。 何度注意しても聞かないので、先日、むちゃくちゃな事を言ってみました。


娘 「ぴいいいいいいいいっ」
私 「あんまりぴいいって言ってると、ピーピー鬼が来るよ」
娘 「Σ(/ロ゜)/ 鬼が来るのおっ!? やだ、鬼やだ!」
私 「だから、ピーピー言うのはやめようね?」
娘 「はーい、ごめんなさい・・・・・」


 それからは少し、ピーピーは治まりまして。 少なくとも、ツッコミ待ちのそれはなくなりました。 それでも子供ですから、はしゃいだ時、怒られた時、つい大きな声が出てしまうのも仕方のないことです。

 そういう時も、彼女にとっては、「ピーピー鬼が来る」というのはかなりの恐怖のようでして、すぐに気づいてあやまるようになりました。


娘 「ぴいいいいいいいっ。・・・・あっ。ピーピー鬼が来る!ごめんなさ〜い」
娘 「ひゃああああああっ。・・・・あっ。ピーピー鬼が来る!ごめんなさ〜い」
娘 「きょおおおおおおっ。・・・・ピーピー鬼、ごめんなさ〜い」


 ここで話が終われば、他者(鬼)の力を少々借りつつ、しつけの第一段階成功という良い話なのですが、彼女は、パパが「大丈夫だよ」と言わないと納得しないときたもんだ。


娘 「いいいいいいいいっ。・・・・ピーピー鬼ごめんなさ〜い」
私 「大丈夫だよ。来ないよ」

娘 「ひゃああああああっ。・・・・あっ。ピーピー鬼が来る!ごめんなさ〜い」
私 「・・・・・」 (何か違うことやってた)
娘 「パパ!ピーピー鬼ごめんなさいっ!」
私 「ん?ああ大丈夫大丈夫。来ないってば」


 ついには、居間でビデオを見て興奮して「きゃあああああああっ」。 どどどどと走って来ました。


娘 「ピーピー鬼ごめんなさいっ!」
私 「え?」
娘 「(どん!どんどん!)パパ!ピーピー鬼ごめんなさいっ!」
私 「開けるな開けるな! パパ、おしっこ中だ! わかったわかった大丈夫だってば!」


 はたして、しつけはうまく行ってるのでしょうか。 TOPへ

2007年12月10日(木)「サンタは来ない」

 愛娘・まのちゃんは、寝付きが極めて悪いです。 布団に入って明かりを消しても、きゃっきゃっきゃっとはしゃぐはしゃぐ。 特に最近は厚手の布団を出したので、それで「オウチを作る」と、潜り込むわ布団の中を這い回るわ、ちっとも寝やしませんこのガキャ。

 そこで、前回につづき、またもヨソサマの力を借りることに。 今回は、12月に入り、カウントダウンが始まったサンタさんのお力を借りましょう。


私 「まのちゃん?」
娘 「はーい」
私 「いつまでも眠らないと、サンタさん来ないよ?」
娘 「え〜?」
私 「サンタさんはね、みんなが寝静まった頃に来るんだ」
娘 「・・・・」
私 「だから、普段から、この子はちゃんと寝る子か、見て回ってるんだよ?いつも寝ていない子は、クリスマスの当日に、ここは行っても無駄だな、って来なくなっちゃうよ?」
娘 「やだー。サンタさん、来るよ〜」
私 「だから、いつも、ちゃんと寝ようね?さっきも窓からサンタさん覗いてたよ?」



 サンタさん、ほとんど出歯亀です。 すまんサンタさん。


娘 「まのちゃん寝る!寝ますよ!」
私 「そうそうそう。おメメつぶって、寝ようね」
娘 「はーい、お休みなさーい」


 布団に潜り、目をぎゅっとつぶる娘。 可愛いじゃないですか。


私 「まのちゃん?」
娘 「・・・・・」
私 「まのちゃん?」
娘 「・・・・・」
私 「あのね、「寝たフリ」じゃ駄目なんだよ?」








   Σ(`□´)



 驚くな驚くな。 早く寝なさいってば。 TOPへ

2007年12月17日(月)「娘が詩人になる時」

 朝ともなると気温も10度を割るようになり、すっかり冬ですね。
 クルマに乗ってるときにそんな話をしていたら、愛娘・まのちゃんが猛然と反論してきました。


娘 「違うよ。冬は雪でしょ。今は冬じゃないよ」
私 「だってもう寒いだろ。12月だし、冬だよ」
娘 「冬じゃないよ。雪が降ってないもん」
私 「じゃあ、今の季節は?春・夏・秋のどれ?」
娘 「ん〜〜と、ん〜〜と、今は『晴れ』!」


 ま、単に語彙が少ないだけなんですが、それだけに、詩的な表現をすることもあります。車窓から外を眺めてて、こんなことも。


娘 「風が落ちた」
私 「え?」
娘 「パパ、風が落ちたよ」
私 「なんだ・・・?ああ、枯れ葉か」


 なかなかに詩人です。 また別の場所で、真剣な顔をしながら、こんなことも言ってました。


娘 「涙がこぼれた」
私 「泣いてないじゃん」
娘 「涙がこぼれたよー」


 便器に座ってなに言っとる。 それは君のオシッコだ。 TOPへ

2007年12月19日(水)「説明できないカレンダー」

 最近はカレンダーに興味を示し、いろいろ聞いてくるので大変です。


娘 「この『きんろうかんしゃのひ』ってなーに?」
私 「それはね、みんな働いてがんばってるね、ありがとう、っていう日なんだよ」
娘 「『ちちのひ』は?」
私 「お父さんいつも働いてくれてありがとう、ってお礼を言う日だ」
娘 「『ははのひ』は?」
私 「これはママにありがとうする日だね」
娘 「『しちごさん』は?まのちゃんもまたやるの?」
私 「君は、次は再来年だよ。そもそも、古来から、子は七歳までは神様とする考えか」
娘 「『けいろうのひ』は?」


 聞いちゃいねえ。


私 「じいじとばあばに、長生きしてくださいって言うんだ」
娘 「『うみのひ』はなーに?」
私 「あれ?なんだっけ?」
娘 「『うみのひ』?」
私 「あーうー、それは、うみにありがとうするんだ」
娘 「『おおみそか』ってなーに?」
私 「一年の最後の1日だよ」
娘 「なんで『おおみそか』なの?」
私 「え?その、あの、そもそも、月末の1日のことを『みそか』と言って」
娘 「?。??」
私 「あー、そのー、ミソに感謝するんだ味噌に」
娘 「わかったー」


 わかってないよ。 つうか、俺、子供の扱いヘタだなあ。 TOPへ

2007年12月23日(日)「特攻サンタクロース作戦:前編〜サンタを偽装せよ」

 メルちゃんのおうちをサンタにリクエストした愛娘・まのちゃんですが、占有面積の点でも、遊べる期間においても、リカちゃんハウスの方がいいと思うのですが。

 そんなことを考えていたら、2週間ほど前のある日のトイザらス、まのちゃんが、「リカちゃんロイヤルスイートホーム」のディスプレイから離れません。


父 「メルちゃんのおうちより、こっちがいいか?」
娘 「こっちがいい〜」
父 「よしよし、パパ、サンタさんに連絡しておくからな」


 というわけでその場で速攻で(まのちゃんに見えないように)購入したリカちゃんハウス、いよいよ出番です。 そう、日本全国を蹂躙する猛威、クリスマスの襲来です。





《クリスマス恒例のチキンにかぶりつくまのちゃん》




 クリスマスといえば、幼子のいる家庭にとっては、何はともあれサンタのプレゼントでしょう。 なにせ今年は、愛娘・まのちゃんが初めてサンタを意識した年。 このサンタによるプレゼントをいかに演出するかが、父親の役目ってもんじゃあないですか! ぶっちゃけ、彼女に「サンタは実在する」と矢追純一のようなセリフ吐かせ続けていつまでダマせるか、が最大のテーマ。 プレゼントに喜んでもらうのは二番目(逆だ、逆)。 目標は小学5年生ぐらいまでダマしたいですね。


 まず、「サンタからの手紙」を軽やかに捏造します。





《私文書偽造》




 まのちゃんが休日に遊べるよう、今年は1日早く赤い服のサンタ強襲。 そしてサンタのイラストはどっかの絵本からパクリました。 それよりもポイントは、この「いいこにしてね」という三界の親という親がすべて思う、モノで釣っちゃうけど本音はそこなのお、という一行。 決して親の言うことに忠実なロボットのような子供を期待しているわけではないし、そもそも「いい子」の定義ってなんだ?と哲学的なことまで考えてしまうわけですが、とりあえず、「いい子とはどういうことか」と本人が考えるきっかけになればいいかと。


 次に、この偽造した文書をプレゼントに添えます。 急襲作戦の成功は、まず諜報工作活動から。


 購入時に慌ててしまってラッピングを忘れた、巨大な「リカちゃんロイヤルスイートホーム」。 トイザらスのロゴが大書してある袋に成り行きまかせでくるまれたその姿は、まだ 幼いまのちゃんがサンタさんに持つ純粋な信頼と期待を打ち砕くには十分なぐらいにぞんざいです。

 それではいけない。 ここはサンタさんの権威を損なわないようにしなければなりません。





《場当たり的な解決策》




 ロゴを隠すように手紙をセロテープで貼るサンタ。 直面した問題にとりあえず目をふさぎ、しかも手近な文房具で間に合わせるサンタ。 権威形無しです。


さあ、これを枕元の、いまはぬいぐるみ小屋になっている元応接テーブルに設置。





《設置されたプレゼントと熟睡するまのちゃん》




 これで後は朝を待つだけ、と思いきやさにあらず。 おもむろにビデオカメラも準備します。 そう!明日の朝の、プレゼントに気づいて驚くまのちゃんの様子を、動画に収めるのです。 もちろん、面白い反応だったら 「さんまのからくりTV」に送って10万円ゲットだぜ。 つうか確実にまのちゃんより早起きしないといけないので、しんどいんですが。 コマンド作戦の成功はまず早起きから。


妻 「ビデオ撮るんだ?明日見せてね〜」


 この「まのちゃんにサンタさんを信じさせようオペレーション」に一貫して懐疑的な観戦武官の奥さんは、起きる気まったくありません。 「だってあたし、そんなことしてもらったことないもーん」だそうですが、よく考えたら俺もないなあ。


 では。 これにて準備が整い、いよいよ敵地に空挺降下です。(つづくTOPへ

2007年12月24日(月)「特攻サンタクロース作戦:後編〜サンタを捕獲せよ」

 (前回からつづく) さていよいよ24日、プレゼントの朝。 オペレーション開始です。 時計をあわせろリトル・ジョン。 3、2、1、マーク。


 首尾よくまのちゃんより早く目覚め、かと言ってそばにポーッと座っているのも芸がないので、自室と寝部屋をこまめに往復していたら、ついに起きました起きました。 まのちゃん起きました。 さあ、まのちゃんは、サンタさんの存在を信じてくれるでしょうか。 そもそも、プレゼントを喜んでくれるでしょうか。


娘 「むにゃ」
父 「お早う」
娘 「んにゃ」
父 「まーのちゃん、お早う」
娘 「おはよー」
父 「まのちゃん、枕元になんかあるよ?」
娘 「んー・・・・・」








Σ(゜□゜)



娘 「リカちゃんのおうち・・・・」
父 「良かったね。リカちゃんのおうち」
娘 「サンタさん、来たんだ・・・・」









よっしゃ信じた。




 本作戦のプライマリー・ターゲット(初期目標)は撃破。 敵は撤退を開始しました中隊長殿。 しかしまのちゃん、いまいち寝起きで呆然とした感じで、「きゃああああああ嬉しい」と絶叫して喜ぶという、セカンダリー・ターゲットは撃破できずに終わりました。 ところが、敵もさるものひっかくもの、この後のセリフが凄いんだ。


娘 「(サンタの)あしあとは?



捕まえる気か。



 逮捕なんかしなくても、サンタさんからメッセージがあるじゃないか。 それを一番読んで欲しいんだよパパは。


父 「まのちゃんまのちゃん、サンタさんから手紙が付いてるよ」


ノ^□^)ノよっこらせ


父 「ほら、手紙にさー」


ノ^□^)ノあけてーパパ


父 「いや、手紙・・・・」


ノ^□^)ノ組み立てよー




 手紙なんかサックリ無視です。 サード・ターゲットは、もはや敵も視認できずに終わったのでありました。


しかし、第三目標といえど、これは重要拠点であり、以後の戦線(育児)の成否を決める戦略目標ですので、何度か追撃を試みます。 その後、買い物に移動中の車中でも襲撃してみました。


父 「まのちゃん、サンタさんのプレゼントよかったね」
娘 「うれしかったー」
父 「ところでさ、サンタさんからの手紙が付いてたよね。ちゃんと読んだかな?いつもいい子にし」
娘 「クリスマスなのに雪ふらなかったねー」


 攻撃失敗。 ついには、夜、FUNA軍最強と恐れられ、師団長すらアゴでこき使う、(いろんな意味で)最強の特務部隊、第一特殊ママ分隊が突入を敢行しました。


妻 「まのちゃん、ほら、お手紙読んだかな。 ここにね、いい子にしてって」
娘 「おてがみはもういいんだよー」


 秒殺。 ・・・・・ま、大人の考える浅知恵なんてこんなもんすかねー。 来年は!来年こそ!





《リカちゃんハウスと記念写真のまのちゃん》


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