ＢＡＣＫ

　映画「未来世界」とその音楽
　ＣＤの内容
　収録曲目
　ご購入について

　フレッド・カーリン(1936-2004)を偲んで
　フレッド・カーリン、プロフィール

ＢＡＣＫ

　ハイテク・アミューズメント・パーク「デロス」を舞台に、観客に奉仕する人間そっくりのロボットたちの反乱を描いたのが、１９７３年に製作されたＳＦ映画の佳作「ウエストワールド」　今をときめくマイケル・クライトン原作にして初監督作品は、主要な舞台は西部劇のセットだし、人間そっくりのロボットはそのまんま人間が演じるという、主役のユル･ブリンナー以外には（おそらく）ロクにカネをかけてない映画でしたが、着想の面白さとユル・ブリンナーの「顔がはずれる」という大技が決まってスマッシュヒットを果たしました。

　その３年後、３００万ドルを投じて製作された続篇が、本作「未来世界」（1976年ＡＩＰ製作、原題：Futureworld）です。　復活した「デロス」は、今度は、世界中から招待した政財界の要人を、思いのままに操れるロボットと極秘に入れ替え世界を支配しようとする恐るべき野望を実現に移します。　この冗談のような陰謀を追うジャーナリストに、ベテラン、ピーター・フォンダをキャスティング。　ほとんどカメオ出演みたいな形で前作のハイテク・ロボットをちょこっと演じるユル・ブリンナーと合わせ、役者陣はいささかパワーアップしています。　フォンダの相棒のテレビ記者には、グウィネス・パルトロウの母親であるブライス・ダナー。

　監督に、主にテレビ界で活躍していましたが、がなかなか小気味いい作品を製作していたリチャード・Ｔ・ヘフロン。　プロデューサーは前作に引き続きポール・Ｎ・ラザルス三世。　脚本に「フェイズ IV／戦慄！昆虫パニック」や、「宇宙からの脱出」など隠れた傑作をモノしたメイヨ・サイモンがあたっています。　もともとＢ級映画の続篇として製作された大Ｂ級映画で、邦題も、原題を直訳したこれ以上にないぐらい正しい邦題なのにびっくりするぐらいＢ級感が漂っています。しかし、真面目に作ったセット、一応真面目に書かれた脚本、廃棄寸前のロボットの哀愁、町人にしか見えないサムライ・ロボット、ハイテク遊園地の泥臭い裏側、主人公たちのニセモノの対決など、盛りだくさんのガジェット（道具だて）を生かした多少ズッコケた演出で、ＳＦ映画の面白さと怪しさを充分に堪能させてくれる作品となりました。


　本作の音楽は前作に引き続き、故フレッド・カーリンが担当。　前作はすべてカーリン自身のスタジオで自演・録音されたものですが、本作では３９人編成のオーケストラの演奏をベースにシンセサイザーで様々な味付けを施し、サスペンス・アクション映画のダイナミズムと「未来世界」のメカニカルな印象、そしてバーチャル・ワールドの空虚さを表現した見事なスコアを仕上げています。

　本ＣＤは、この「未来世界」の音楽を、マスターテープ紛失という障害にもめげず、カーリンが私蔵していたダビング音源を元に音質向上処理を施して製作された、世界で初めて商品化されたサウンドトラック盤です。　劇中の現実音楽や、展開の鍵となる「ウエストワールド」のモチーフ（主題）を用いた曲も収録し、さらにボーナストラックとしてカーリン自身の手になる、１２分にも及ぶ「ウエストワールド組曲」も収録。　フレッド・カーリンの職人技を　ぜひこのＣＤでご堪能ください。　ＲＭＤＵでなければ絶対にリリースできない貴重な音源のこのＣＤは２００４年１０月リリース、絶賛発売中です。（販売終了となりました）

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