2022/08/12 Fri.
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　当サイトでちょいちょい登場するＣＤシリーズなので、説明をここにまとめることにしました。

　映画の音楽商品における日本の７０年代は、主題歌・挿入歌だけではなくインストルメンタル映画音楽のカバー演奏が商売になった時代でした（ こちらの拙文もご参照ください ）。　そこで、オリジナル・サントラが出せないレコード会社は、話題になった映画のテーマ曲をかたっぱしからカバー。　それに 「オリジナル・サウンド本命盤！」（拙サイトリンク） なんて錯覚商法まがいのキャッチフレーズを付け、シングル盤を乱発していました。

　こう書いてしまうと雑な商売になってしまいますが、その時期から時代をくだって今になってみればあーら不思議、音源がいま手に入らない曲だとか、そもそもオリジナル・サントラ盤が出たことない曲までもラインナップに含まれたりしていて、実は貴重な存在になってしまっているのです　（俺だけ？）。



（入手するとジャケットが増えていきます）
　ここで紹介している「映画音楽大全集」シリーズは、キングレコードが６０〜８０年代に発売したカバー演奏を、1991年にＣＤ全集として発売したものです。　キングは昔からサントラ関係はよく出していたので、確認出来る限りなんと２５集まで出ています。　いっぱい出したのね。
　また同社は日本限定発売のサントラを出していたセブンシーズというレーベルも持っていたので（現在は消滅）、この全集にそこからオリジナル・サントラ楽曲が収録されればさらに嬉しいのですが、残念ながらこれは「カバー演奏」のシリーズなのでした。　いずれにせよ権利関係でたぶんダメでしょうけど、オリジナル・サントラは復刻されずにカバーが復刻されるとか、なんという矛盾。

　ともあれ、今となっては中古レコード屋でＥＰ盤を探すしかない曲までも、もし収録されてたらラッキー！ですし、サントラでない録音でも近いイメージであればまあ手に入らないより全然いいわけですよ。



（入手するとジャケットが増えていきます）
　演奏しているのは、録音のたびに名前がつけられるレコード会社のスタジオ・オーケストラであり、実体はありません（テンポラリー・オーケストラとでも名付けましょうか）。　それでも演奏はバンド名によってそれなりに個性があります。　　当時のことですからいわゆる「ムード音楽」にしてくれてはいますが、いずれ劣らぬ名曲を、テンポを上げてズンチャズンチャとわかりやすく攻める「スクリーン・ポップス」や「フィル・ラスリー・オーケストラ」、原曲のアレンジを尊重した「ラリー・ネルソン・オーケストラ」、原曲を尊重した上で一歩進もうとしている意欲が感じられる「アカサカ・スクリーン・ムード・オーケストラ」と、担当アレンジャーかプロデューサーの志向か、いちおうキャラがあるのは面白いです。

　ちなみに発売元（「企画・販売」となっています）は、DIGITAL RECORDING とか AVOX INC. とか TEK・TEC とか謎の会社名が並びますが、製造元は一貫して「キングレコード」。　まあいろいろと大人の事情があったのでしょう。



（入手するとジャケットが増えていきます）

　ということで、最初に存在を知ってから３０年以上、コツコツと集めているのでした。　もちろん1000円オーバーで買うのはバカらしいので、とにかく800円以下で。　そしてその成果はこちら ↓ 。

　　キングレコード「映画音楽大全集ＣＤ」の一覧