| ひねもすサウンドトラック | （１０） |
| １９９９年２月掲載 |
Soundtracks, A Go Go!
（このページの掲載作品： スターファイター ／ スペースハンター ／ スペースボール ／ ダーク・スター ／ ディープ・インパクト ／ トータル・リコール ／ トワイライト・ゾーン ／ ２０１０年 ／ ニューヨーク１９９７ ／ エスケープ・フロム・ＬＡ ）
（ディスクデータは、メディア種別／発売年／レコード会社／レコードナンバー／原盤会社／定価／中古購入価格の順に記載）
スターファイター THE LAST STARFIGHTER (1984)
音楽：クレイグ・サファン監督：ニック・キャッスル
出演：ランス・ゲスト、ダン・オハーリー、キャサリン・メアリー・スチュワート、ロバート・プレストン
CD／ 1995／ INTRADA／ MAF7066／ INTRADA／\2,500 ［輸入盤］
［音楽とサントラ］ テレビゲームの達人のガキが宇宙戦争のパイロットにスカウトされるという、脳みそのシワをアイロンで伸ばしたような映画ですがほとんど子供向けゆえ目をつぶりましょう。 映画に似合った単純で勇ましいマーチのテーマ曲は、そのノリの良さで実はお気に入りの曲です。 でも油断すると幕末のメロディが顔を出し脳みそをシェイクします。 さすがクレイグ・サファン、タダ者ではありません。 あの幕末ミュージック、著作権使用料はどうなってますでしょうか。
このＣＤにリンク（廃盤）
スペースハンター SPACEHUNTER (1985)
音楽：エルマー・バーンスタイン監督：ラモント・ジョンソン／製作総指揮：アイヴァン・ライトマン
出演：ピーター・ストラウス、モリー・リングウォルド、マイケル・アイアンサイド
CD／ 1998／ 海賊盤 ／WOLFFS9802 ／---- ／\5,775 ［輸入海賊盤］
映画は観たことありません。 いつか観るでしょうが、今どきこんなタイトルでろくな映画のワケはありません。
［音楽とサントラ］ バックに隙間のある「いなたい」バーンスタイン節は健在。 テーマこそ（バーンスタインにしては精一杯）派手めのマーチですが、全体に佐藤勝や早坂文雄を思わせ、日本の時代劇についていても違和感はないかも。 ドラムがドコドコいう曲があるのですが、「将軍家光の乱心・激突！」を思わせます。
スペースボール SPACEBALLS (1987)
音楽：ジョン・モリス監督：メル・ブルックス
出演：メル・ブルックス、リック・モラニス、ビル・プルマン、ジョン・キャンディ
CD／ 1987／ ATLANTIC／ 81770-2／ ATLANTIC／\---- ／\1,500 ［輸入盤中古］
スターウォーズのストレートなパロディ。 タイトルで宇宙を文字がとんでいくとか、「ミスター・コーヒー」の自動販売機の脇に自動販売機型の「ミスター・」レーダー装置があるとか、可愛い王女さまが唄うと野太い声だとか（「フライング・ハイ」でもありましたな）、スタントシーンの直後に主人公たちを捕えたら本当にスタントマンだったとか（ヒゲ面のドレス姿が笑わせる）、何せダース・ベイダーもどきの「ダーク・ヘルメット」を演じるのがリック・モラニスですからもうお里が知れます。 マニアなくすぐりから、小学校の授業中に勉強もスポーツも駄目なガキが得意げに言うような空回りのギャグまで、とにかく思い付いたことは全て突っ込んだとしか思えません。 その分、映画のリズムはだいぶ損をしてはいますが、数多いブルックスのバカ映画の中でも群を抜いてくだらないケッ作。
「ポリス・アカデミー」で有名（？）になった「人間効果音」マイケル・ウィンスローがちらりとゲスト出演。 貨物宇宙船ローン・スター号船長を演じるビル・プルマンは「インディペンデンス・デイ」で大統領に大出世しましたが、「エアフォース・ワン」のハリソン・フォードといい、貨物宇宙船の船長は映画界のエリート・コースか？
［音楽とサントラ］ ブルックスの座付音楽家ジョン・モリスが毎度のことながらイキオイで鳴らす音楽を披露。 シンセも聞こえる元気なテーマ曲は軽薄さ極大。 冒頭でフレームインしてきた宇宙船が大きすぎて音楽の切れ目と合わずに同じ曲を何度も繰り返したり、砂漠のシーンは「アラビアのロレンス」のパロディ曲がすかさず流れたり、音楽でもきっちりと遊んでおります。 しかし、ジョン・モリスという人もこんな曲ばかり書いてて体調崩さないだろうか。
ダーク・スター DARK STAR (1974)
音楽：ジョン・カーペンター監督：ジョン・カーペンター／脚本：ジョン・カーペンター、ダン・オバノン
出演：ブライアン・ナレル、ドレ・パヒッチ、カル・カニホルム、ダン・オバノン
CD／ 1992／ VARESE／ VSD-5327／ VARESE／\---- ／\945 ［輸入盤中古］
ジョン・カーペンターやダン・オバノンが作った自主映画を自らリメイクしたそれでも自主映画っぽいヨタ宇宙ＳＦ。 「エイリアン」のルーツとして名高い作品で、無目的に宇宙を放浪する宇宙船「ダーク・スター」のイカレた日常を描く。 編集だの演出だのどうこういう映画ではありませんが、意外に真面目に作っていてこれはこれで面白い。 ストーリーの整合性を期待してないだけに、次に何が起こるかわからないので返ってスリリングです。 安っぽい風船そのものの「ペット」の襲撃や、自我に目覚める惑星破壊用の爆弾などの細かいガジェットもきいてます。 一番笑えるのが無闇に狭いコックピット。 これはもう確信犯ギャグだな。 ビデオが出はじめた頃はカルトだった作品で、初めて観たのは字幕なしの輸入物ビデオでしたが、もう１５年ぐらいたちますか。
［音楽とサントラ］ 中古屋の店頭で見かけてあまりの珍しさに購入したＣＤ。 カーペンター自身が音楽を担当、恐らくレコードをそのままＣＤ化したのでしょう、１０分以上のトラックがふたつしかありません。 内容はというと、映画の名場面（そんなもんあったか？）をそのままダイアローグごと収録した本当の「サウンドトラック」。 音楽、というより音と言えばほとんど電子音の嵐で、カーペンターの真骨頂。 メインタイトルの能天気なカントリーソング、"Benson，Arizona" も収録されてます。 歌はヘタですけど。
ディープ・インパクト DEEP IMPACT (1998)
音楽：ジェームズ・ホーナー監督：ミミ・レダー
出演：ロバート・デュバル、ティー・レオーニ、イライジャ・ウッド、バネッサ・レッドグレーブ、マクシミリアン・シェル、モーガン・フリーマン
CD／ 1998／ SONY／ SRCS8677／ SONY／ \2,520
彗星激突を控えた地球。 事件をキャッチした女性キャスター、最初に発見した天文少年などが右往左往する間に、米ロ共同の「彗星爆破宇宙船」が彗星に近づいていた････。 「僕と結婚すれば"ノアの箱舟"に入れるよ」とタチの悪い中年男のような口説き方をするガキにどうやって感情移入したらいいのでしょう。 終末の人々の避難シーンも、パニック映画：行儀のいい避難民選手権・第１位に輝くまれに見る整然とした避難民の集団で、人間ドラマ部分の至らなさは致命的。 その分特撮スペクタクルシーンに期待しましたが、凄い映像ではありますが量的にちょっとサービス不足。 ロバート・デュバルは儲け役だなあと思ってたら、エンド・クレジットを見たらなんと主役でした。 人物配置としては主役に来る位置ではないんですけど。
［音楽とサントラ］ ホーナーらしさは感じられますが、この手の映画としてはかなり控えめ。 １曲１曲も長い割に曲構成が掴み切れず、印象に残らない。 「コクーン」のようなリリカルな調べがテーマとなってますが、この手の曲は映画の人間ドラマがよく出来ていてこそ生きる。 そこは弱い映画なんすから、もっと鳴らして誤魔化して欲しいもんです。
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トータル・リコール TOTAL RECALL (1990)
音楽：ジェリー・ゴールドスミス監督：ポール・バーホーベン
出演：アーノルド・シュワルツネッガー、レイチェル・ティコティン、シャロン・ストーン、ロニー・コックス、マイケル・アイアンサイド
CD／ 1990／ VARESE／ VSD-5267／ VARESE／ \2,000 ［輸入盤］
ＳＦ作家Ｐ・Ｋ・ディックの「追憶売ります」の映画化。 現実と空想が混沌となるディック世界の映画化にしては随分とキッパリとしたアクション編ですが、元々ディックな映画を作ろうと意図はしてないでしょう。 ハリウッドの筋肉番付シュワ氏の活劇としては十分楽しめます。
［音楽とサントラ］ 激しいアクションスコアが乱れ飛ぶ活劇サントラ。 もちろんゴールドスミスですから、活劇と言えども重厚です。 テーマ曲は名曲のひとつでしょう。
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トワイライト・ゾーン TWILIGHT ZONE:THE MOVIE (1983)
音楽：ジェリー・ゴールドスミス製作：スティーブン・スピルバーグ、ジョン・ランディス
監督：ジョン・ランディス、スティーブン・スピルバーグ、ジョー・ダンテ、ジョージ・ミラー／出演：ダン・エイクロイド、ビック・モロー、アルバート・ブルックス、ビック・モロー、キャサリン・クインラン、Ｓキャットマン・クローザース、ジョン・リスゴー
CD／2000／WARNER／WPCR-10768／WARNER／\1,785
音楽：ジェリー・ゴールドスミスCD／1998／海賊盤／----／\5,250 ［輸入海賊盤］
テレビ「ミステリーゾーン」の映画化、なんて説明するのもヤボですね。 別に原典の番組知らなくても短編ＳＦ四連発として十分見られます。 客観的にみて一番出来がいいのは飛行機の乗客ジョン・リスゴーが翼の上の怪物を見て狂いまわる４話目なんでしょうが、個人的には３話目の老人ホームの住人達が子供に戻る一夜の夢の話が好きです。 でも、どれもテレビ番組の延長みたいで、「映画」を観たという満足感は薄いわなあ。
［音楽とサントラ］ ゴールドスミスは元のテレビシリーズの時もいっぱい曲を書いてまして（ＳＬＣから出ていたＴＶ版のサントラＣＤで聴けます）、その関係の登板でしょう。 若かりし頃のＴＶ版ではジャズ調が多かったのに、ここではシンフォニック・スコア。 エピソードごとに合わせてバラエティのある構成。 メジャーな映画なのに何故かＣＤ化はされず、1998年にＬＰと同じ内容の海賊盤が発売されました（下の方）。 音質はＦＭラジオ程度。
2003.8.11追記：その後、正規盤が発売されましたのでそのジャケットを追加しました（上の方）。 内容は、こちらもＬＰと同じですが、それも廃盤となってしまいました。 嗚呼。
このＣＤを参照（廃盤）
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２０１０年 2010 (1984)
音楽：デビッド・シャイア製作・監督・脚本・撮影：ピーター・ハイアムズ
出演：ロイ・シャイダー、ジョン・リスゴー、ヘレン・ミレン、ボブ・バラバン、キア・デュリア
CD／1984／CANYON／D32Y3547／A&M／\----／\1,050
恐れ多くもかしこくも「２００１年」さまの続編に挑戦したのはハイアムズ監督。 日ソ間の冷戦を背景にソ連の宇宙船にアメリカ人が乗り組んで、行方不明となったディスカバリー号の調査を描く。 前作で放り出したあらゆる謎を全部説明してハイアムズが後始末した映画。 この監督らしく「理に落ちた」映画になっていて、前作のモチーフ「誕生」もきれいに消化してます。 結構面白いですよ。
［音楽とサントラ］ オープニングこそオケの「ツァラトゥストラ」で始まるものの（ＣＤ未収録）、あとはシンセの曲が中心です。 そしてエンディングではまたも「ツァラ」でシャイアのオケ曲につながるのという、明らかに「誕生」の象徴としてオケ曲を使っているのがわかります。 ＣＤでは全体にシンセの響きが「いかにも宇宙」というスコアが続きますが、その漂うような感じは悪くありません。
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ニューヨーク１９９７ ESCAPE FROM NEW YORK (1981)
音楽：ジョン・カーペンター、アラン・ホールズワース監督：ジョン・カーペンター
出演：カート・ラッセル、リー・バン・クリーフ、アーネスト・ボーグナイン、ドナルド・プレザンス、アイザック・ヘイズ、ハリー・ディ−ン・スタントン、アドリエンヌ・バーボー
CD／ 1981／ VARESE／ VCD-47224／ VARESE／\2,000 ［輸入盤］
ご存知カルト化した作品。 1997年（過ぎちゃったなあ・・）、無法の犯罪地域と化して封鎖された囚人流刑地区マンハッタン島にエアフォース・ワンが墜落、取り残された大統領を救出しに囚人カート・ラッセルが潜入するという話。 まずマンハッタン島を大スラムにしてしまうのが思い切っていて、かつそのスラムの住人たちのアブなさがハンパでない。 この世界観だけでこの映画は「超Ｂ級映画」史に名を残す一作でしょう。 一定時間内に帰ってこないと死んでしまうというカラータイマーみたいな毒物をラッセルが注射されたり、とにかくサスペンスを高めるために何でもするという態度も潔い。 「中堅の大物」を揃えた驚異的な脇役陣も渋くて豪華。 みんな妙に嬉しそうに演じてます。
［音楽とサントラ］ カーペンターの原点とも言うべき電子音の嵐。 今やったら高校生の自主映画以下ですが、既にこれは歴史のひとつ。 永遠のカルト監督のカルトな音楽です。 このＣＤは輸入盤ですが、最近、日本盤が発売されました。
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エスケープ・フロム・ＬＡ ESCAPE FROM L.A. (1996) [スコア盤]
音楽：ジョン・カーペンター、シャーリイ・ウォーカー監督：ジョン・カーペンター
出演：カート・ラッセル、ステイシー・キーチ、スティーブ・ブシェミ、ピーター・フォンダ、クリフ・ロバートスン
CD／ 1996／ BMG／ 73138 35773-2／ MILAN／ \2,300［輸入盤］
お金かかっているのにチープなＣＧがお茶目なニューヨーク１９９７の続編。 カルト化した一作目と同じ設定で、今度潜入するのはロサンジェルス、救うのは大統領の娘です。 前回と大同小異の展開と思えば間違いありませんが、渋い大物脇役を揃えた前作と違って、今回はかっとんだ脇役でフォンダ一家のドラ息子ピーター君がサーフィンをします。 いいトシして何やってるんでしょう。 きっとカーペンターの冗談なんでしょう。
［音楽とサントラ］ ＣＤはロック・コンピ盤とスコア盤（輸入盤のみ）の二枚出ていますが、私の持っているのは後者です。 前作のメインテーマ曲をカーペンターがセルフ・パロディしたかのようなテーマ曲が笑えます。 シンセを重ねてゴージャスにアレンジしてもそれでも安っぽいというのはなかなか出来るもんじゃありません（私は大好きなんですけどね）。 他はシンセと骨太のオケの半々の構成。 オケ曲は今一つ情緒不足とはいうものの激しいので飽きさせません。