ひねもすサウンドトラック Composer's Profile
　ロン・グッドウィン ［英］
Ron Goodwin　
国籍 イギリス 生没年 1925-2003 キャリア 故人
デビュー作 MAN WITH A GUN (1958)
主なジャンル オーケストラ 曲の傾向 明朗快活
よく組む監督 ケン・アナキン、ガイ・ハミルトン

［作曲者略歴］

　１９２５年、イギリスのプリマス生まれ。学生時代に作曲を初め、音楽関係の出版社で写譜の仕事を経てアレンジャーとなる。その後ビートルズの名プロデューサーで知られるジョージ・マーチンに見出され、歌手のバックバンド業務（ロン・グッドウィンとヒズ・オーケストラで録音も残している）をこなす。１９５７年頃からドキュメンタリー中心に映像音楽の仕事をはじめ、劇映画のデビューは１９５８年の"MAN WITH A GUN"。以後６５本の映画・テレビの映像音楽の仕事を残す。映画音楽家としての最盛期は１９７０年代までで、近年は純音楽の仕事が多かったようだ。自作のコンサート・ピース化にも意欲的で、「空軍大戦略」「６３３爆撃隊」等は世界的なウィンド・オーケストラ、ＲＡＦ（ロイヤル・エア・フォース＝イギリス王立空軍）バンドの十八番ともなっている。２００３年１月８日死去。享年７７歳。

　以下は、２００３年１月１０日の産経新聞から引用した共同通信配信の記事。
Ｒ・グッドウィン氏死去　英作曲家

　　ロン・グッドウィン氏（英作曲家）８日夜、ロンドン西方レディング近郊の自宅で死去、７７歳。死因は明らかにされていないが、長年ぜんそくを患っていた。
　１９６０年代を中心に約６０本の映画で音楽を手掛けた。「素晴らしきヒコーキ野郎」「荒鷲の要塞」「フレンジー」などが代表作。楽団を率いて多くのアルバムを発表したほか、指揮者としても活躍した。（共同）

参考文献： 洋泉社刊「サントラ音盤大図鑑」、ＣＤ「女王陛下のウィンド・オーケトラ：ロイヤル・エアフォース・バンド '84」「同 '87」（日本ビクター）ブックレット、ＣＤ「DRAKE 400」（Chandos）ブックレット、ＣＤ「VALHALLA」（Label X Europe）ブックレット、ウェブサイト Internet Movie Database、ウェブサイト Sankei Web(産経新聞社）。（記して感謝を表します）

［管理人コメント］

　ロン・グッドウィン。好きな作曲家なのですが、必死になって追っかけているかというとそうでもない。なにせ日本公開された映画が少ないですし、音盤ともなるとさらに少ない。それでもなぜ「好き」になったかと言うと、やはり一連のケン・アナキンの能天気おバカ・レース映画「素晴らしきヒコーキ野郎」「モンテカルロ・ラリー」（なにせ原題が "MONTE CARLO OR BUST" ＝「モンテ・カルロ（レースのゴール）とオッパイのどっち？」というおバカさ加減だ）のコミカルタッチの音楽、「荒鷲の要塞」のシブいサスペンス曲、「６３３爆撃隊」「空軍大戦略」の傑作マーチに脳ミソを痛打されたからに他なりません。もちろんＢ級戦争アクションの「ナバロンの嵐」の明るいマーチにはステップ踏んで小躍りしてました。

　その音楽の特徴は（１０本ぐらいしか聴いていないのでその範囲ですが）、まず木管や弦がシーツのように背景をみっしり埋める格調高いリズム。そしてそれとは裏腹な、分かりやすく親しみやすいメロディ。この親しみやすさ、悪く言えば田舎臭さはどこから来るのかと考えてみましたら、派手に音の高低のない音階だからではないでしょうか。多分、楽譜にするとなだらかに上ってなだらかに降りてくる上昇音形と下降音形の組み合わせ。悪い意味で意表をつかない構成は、ショックよりも明朗さを聴いている者に感じさせるのです。

　ところで、このページを書くために、いつもバイブル的に利用している映画音楽本、「サウンドトラックＧＯＬＤＭＩＮＥ」と「映画音楽・２００ＣＤ　スコア・サントラを聴く」を調べたのですが、ロン・グッドウィン、さっくりと無視されてました。今となってはもはやマイナーな存在なのかと思い、それでは少し古い本ということで、柳生すみまろ「映画音楽　その歴史と作曲家」も見てみたらこちらもプロフィール紹介なし。戦争映画ファン兼サントラファンとしては、絶対忘れない名前なのですが、この扱われ方は少々悲しいなあ。
■主要作品リスト／主要ＣＤリスト
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*1 Extended Symphonic Suites from THE MISS MARPLE FILMS / LANCELOT AND GUINEVERE / FORCE 10 FROM NAVARONE (Label X Europe）

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