| ひねもすサウンドトラック | （７） |
| １９９９年２月掲載 |
Soundtracks, A Go Go!
（ディスクデータは、メディア種別／発売年／レコード会社／レコードナンバー／原盤会社／定価／中古購入価格の順に記載）
最も危険な遊戯 (1978)
音楽：大野雄二監督：村川 透
出演：松田優作、田坂圭子、荒木一郎、内田朝雄、草野大悟
CD／1993／VAP／VPCD-81029／VAP／\2,500
とにかく松田優作をいかにカッコよく見せるかがテーマの映画で、反面、話の持って行き方は納得できず。 私は松田優作のファンではありますが「信者」ではないので今ひとつノれません。
［音楽とサントラ］ トランペットがソロを取るブルージーなジャズは６０年代ハリウッドのハードボイルド映画を思わせますが、要所に顔を覗かせるフルートやエレピの軽い響きが大野雄二らしさを出します。 メインテーマの変奏以外は効果音的なスコアも多く退屈な面もちょっとありますが。
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殺人遊戯／処刑遊戯 (1978，1979)
音楽：大野雄二「殺人遊戯」監督：村川 透／出演：松田優作、中島ゆたか、佐藤蛾次郎、阿藤 海、草薙幸二郎
「処刑遊戯」監督：村川 透／出演：松田優作、りりィ、青木義朗、草薙幸二郎、阿藤 海
CD／1993／VAP／VPCD-81029／VAP／\2,500
松田優作の遊戯シリーズ。 「殺人遊戯」は子分格の阿藤海とコンビでよろず業「ゴキブリ商事」をやるなどコミカルな面も強調するがちょっと中途半端。 「処刑遊戯」はどシリアス真っ暗ドラマ。
［音楽とサントラ］ 「殺人遊戯」シリアスな曲では前作から使用している「遊戯のテーマ」をビブラフォンやフルートで変奏、より渇いた感じを強調。 映画に合わせたコミカルな曲はトランペットやサックスをフィーチャーし、アルバム全体として色彩感を出しています。 松田優作が唄う挿入歌「夏の流れ」も収録。 「処刑遊戯」はマイルス・デイビスばりのミュート・トランペットがひたすら渋く唄いますが、メロディそのものは浪花節なのが大野雄二の味。 ほとんどフリージャズのアクション曲も少々あり。 「遊戯のテーマ」に歌詞をつけたりりィの挿入歌はこれが初の音盤化。 このかすれ声はたまらん。
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夜の大捜査線／続・夜の大捜査線 IN THE HEAT OF THE NIGHT(1967)／THEY CALL ME MISTER TIBBS!(1970)
音楽：クインシー・ジョーンズ「夜の大捜査線」監督：ノーマン・ジュイソン／出演：シドニー・ポワチエ、ロッド・スタイガー、ウォーレン・オーツ、リー・グラント
「続・夜の大捜査線」監督：ゴードン・ダグラス／出演：シドニー・ポワチエ、マーチン・ランドー、バーバラ・マクネア、アンソニー・ザーブ
CD／1997／VIDEOARTS／RCD-10712／RYKO／\----／\ 998[中古]
CD／1995／DELPHI(?)／Best.-Nr.9106 W／\5,000[輸入プロモ盤]
「夜の大捜査線」は南部の片田舎を通りがかった都会のエリート黒人刑事が、住民の黒人差別にあいながらも地元で起きた殺人事件捜査を手伝う話。 住民の迫害にめげずに捜査を続けるシドニー・ポワチエもりりしいのだけれど、やはりこの映画は、差別感情と、ポワチエへの友情と尊敬の間で揺れ動くロッド・スタイガー親父の熱演に尽きるでしょう。 ラストの駅のホームのシーン、泣かせます。
［音楽とサントラ］ 有名な振り絞るような声のレイ・チャールズのブルースの主題歌が有名ですが、このアルバムはジャズ／ブルースの名盤です。 けだるげなサックス、引き裂かれるフルート、重厚でジャジーなオケ、独立したアルバムとして充分聴かせます。
「続」の方はビッグバンドによるフュージョンと言うか、今聴くとちょっと古さを感じさせますが、テンポのいいテーマ曲がノレます。
ＣＤは二種類発売されており、いずれも「続・夜の大捜査線」とのカップリングです。 90年代前半にでたプロモ盤の収録曲は公開当時発売されたレコードの復刻。 1997年発売のRYKO盤は「夜」に1曲追加されるとともに、セリフが収録されてます。 「続」の方はセリフの追加以外はどちらの盤も同じ内容です。 （どちらも現在は廃盤−2003/07追記）
ロシア・ハウス THE RUSSIA HOUSE (1990)
音楽：ジェリー・ゴールドスミス監督：フレッド・スケピシ／出演：ショーン・コネリー、ミシェル・ファイファー、ロイ・シャイダー、ジェームズ・フォックス、クラウス・マリア・ブラウンダウアー
CD／1990／MCA／MCAD-10136／MCA／\2,500
［音楽とサントラ］ ブランフォード・マルサリスの透き通るようなサックスが印象的な名作。 ジャズの編成ですが、ストリングスも絡んでセンチメンタルな曲を非常に効果的に盛り上げます。 パティ・オースティンのテーマ曲のボーカル・バージョンも渋い。 ベースにジョン・パティトゥッチが参加。
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アウトランド／カプリコン・ワン OUTLAND(1981)/CAPRICORN ONE(1978)
音楽：ジェリー・ゴールドスミス「アウトランド」監督：ピーター・ハイアムズ／出演：ショーン・コネリー、ピーター・ボイル、フランシス、スターンハーゲン
「カプリコン・ワン」監督：ピーター・ハイアムズ／出演：エリオット・グールド、ジェームズ・ブローリン、ハル・ホルブルック、ブレンダ・バッカロ、サム・ウォーターストン、Ｏ・Ｊ・シンプソン、テリー・サバラス、カレン・ブラック
CD／ 1993／ GNP／ GNPD8035／ GNP／\2,500［輸入盤］
「カプリコン・ワン」は初めてまともに映画を見始めた頃に観たので、個人的に非常に思い入れのある映画です。 故障が発覚した火星ロケットを隠すため、パイロット達を拉致して地球のスタジオで架空の「火星着陸」をでっち上げたＮＡＳＡ。 しかし帰還途上のロケットが爆発、パイロットたちが抹殺されようとする････。 タイトで緊迫感たっぷりの話運びに、事件を追うジャーナリスト役のエリオット・グールドのひょうひょうとした雰囲気。 まぐれかと思うぐらいよく出来た娯楽映画です。 ゲストのコジャック刑事は流石にアメは舐めてませんが、すごく嬉しそうに変な親父を演じていて実に傑作。
［音楽とサントラ］ 私にとって初めてジェリー・ゴールドスミスを意識した映画でもあります。 メインテーマと愛のテーマのふたつのライトモチーフを効果的に編曲。 お得意の打楽器が全編に響き渡るメインテーマは緻密かつ豪快。 モチーフを繰り返しながらアレンジを厚くしていく映画音楽の定番通りの「愛のテーマ」も、その厚くする仕方が並みでなく、実に感動的な盛り上がりを見せます。
単独のサントラＣＤはありませんが、このＣＤは「アウトランド」とカップリングでオリジナル・スコアで演奏されたものです。（後に「カプリコン・ワン」はプロモ盤で、「アウトランド」は正規盤でそれぞれ単独盤が発売されています）（2009年追記：上掲ＣＤの「カプリコン・ワン」のみ復刻したＣＤも発売されました）
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インディペンデンス・デイ THE INDEPENDENCE DAY (1996)
音楽：デビッド・アーノルド監督：ローランド・エメリッヒ
出演：ウィル・スミス、ビル・プルマン、ジェフ・ゴールドブラム、メアリー・マクドネル、ランディ・クエイド、ブレント・スパイナー
CD／ 1996／ BMG VICTOR／ BVCF-1550／ BMG／\2,500
ご存知宇宙人が攻めてきたから戦う大ヒット作品。 映画全体としては粗雑きわまりませんが、こういうお子サマ映画でそれを言うのも野暮というもの。 アメリカでの大ヒットには少々恐さも感じますが。 「アメリカ・アズ・ナンバー１」とか、宇宙人はみな敵だとか、世界中が危機に陥っているのにアメリカの事しか考えてないとか、細かいことを気にしなければ十分楽しめます。 ＳＦＸは圧巻の一語。 キャストのＢ級ぶりもアヤシさ極大。
［音楽とサントラ］ ちょっと大げさと思えるほどのデビッド・アーノルドのスコアはなかなか派手で豪快。 メロディワークも結構ナニワ節だし、えんえん５分に渡るエンディングテーマは特に聞き物です。
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ウォーターワールド WATERWORLD (1995）
音楽：ジェームズ・ニュートン・ハワード監督：ケビン・レイノルズ
出演：ケビン・コスナー、デニス・ホッパー、ジーン・トリプルホーン
CD／1995／MCA VICTOR／MVCM-535／MCA／\2,500／\997
ケビン・コスナーが「ポストマン」以前に作ったアフター・ホロコーストものＢ級超大作。 何だか知らないけど水ばっかりになった地球で、伝説の土地「ドライランド」を求めて冒険を続けるコスナーの物語。 鍵となる謎の少女の背中に謎のドライランドの謎の地図と謎の象形文字が書かれているのですが、それは漢字です。 誰か教えてあげてください。 どうも「未来少年コナン」というアニメのパクリが多いらしいが、私はそのアニメを観たことがないので真偽のほどは知りません。 全体にガチャガチャした映画ですが、それなりに楽しめるでしょう。 ただ、オープニングでいきなり自分の小便を飲むのはどうかと思います。
［音楽とサントラ］ マーク・アイシャム降板の後を受けてハワードが急遽登板。 地味なスコアの多いハワードのメロディの強いアクション曲はちょっと無理している印象。 特に活劇シーンのマーチの軽薄な響きがＢ級ムードを盛り上げます。
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エイリアン ALIEN (1979)
音楽：ジェリー・ゴールドスミス監督：リドリー・スコット／出演：トム・スケリット、シガニー・ウィーバー、ジョン・ハート、ヤフェット・コットー、ハリー・ディーン・スタントン、ヴェロニカ・カートライト、イアン・ホルム
CD／ 1988／ SILVA／ FILMCD003／ POLYGRAM／\2,447 ［輸入盤］
Ｍ７８星雲のダイハード星からやって来たなかなか死なない完全生物「エイリアン」が貨物船の中で乗組員を襲う話。 私は公開初日の一番で観たのですが、見る前に映画館の脇の自動販売機に「ＵＣＣ・コーヒーソーダ」というバカタレな缶ジュースがあり、つい買ってしまいました。 映画も実に恐かったですが、一緒にコーヒーの香りのげっぷを懐かしく思い出します。
［音楽とサントラ］ ブラスがシングルトーンで侵入してくる、地味ながら緊張感が張り詰めた音楽で真面目に聴くと結構疲れます。 サントラＣＤは日本盤を見かけませんが（廃盤？）、輸入盤ではまだまだ入手可能（2003.7追記−多分現在は廃盤）。 日本盤は「エイリアン・トリロジー」という、エイリアン１〜３のハイライト曲をスコア演奏したものが発売されています。
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エイリアン２ ALIENS (1986)
音楽：ジェームズ・ホーナー監督：ジェームズ・キャメロン／出演：シガニー・ウィーバー、マイケル・ビーン、キャリー・ヘン、ランス・ヘンリクセン、ポール・ライザー
CD／ 1989／ VARESE／ VCD-47263／ VARESE／\---- ／\500 ［輸入盤中古］
へびつかい座のダイハード星からやって来たなかなか死なない完全生物「エイリアン」がある惑星で捕獲に来た軍人さんを襲う話。 一作目から一転、キャメロン監督の大活劇。 軍人さん達はお約束通りみんなバカで、最後はパワードスーツまで登場しての大アクション編。 これはこれで面白い。
［音楽とサントラ］ こうまで鳴らすか、という派手なアクション曲と、異常に重いサスペンス曲が交互に出てきますが、かなり通好みでしょう。 聴いていて面白いのはマニアだけです。
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エイリアン３ ALIEN 3 (1992)
音楽：エリオット・ゴールデンサル監督：デビッド・フィンチャー
出演：シガニー・ウィーバー、ランス・ヘンリクセン、チャールズ・Ｓ・ダットン、チャールズ・ダンス
CD／ 1992／ MCA／ MCAD-10629／ MCA／\---- ／\945 ［輸入盤中古］
おおくま座のダイハード星からやって来たなかなか死なない完全生物「エイリアン」が囚人惑星で囚人を襲う話。 「囚人惑星」の修道僧のような登場人物たちが実に変でフィンチャー節が満開してます。
［音楽とサントラ］ ゴールデンサルはジョン・コリリアーノに師事していたというから、筋金入りの前衛派。 ボーイ・コーラスをフィーチャーした宗教的で地味なスコアが続きます。 完全に前衛はしてませんからまだ救われますが、でも地味です。
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エイリアン４ ALIEN RESURRECTION (1998)
音楽：ジョン・フリゼール監督：ジャン・ピエール・ジュネ
出演：シガニー・ウィーバー、ウィノナ・ライダー、ロン・パールマン、ドミニク・ピノン
CD／ 1998／ BMG／ BVCF-1573／ RCA／\2,548 ／\300
武蔵小杉銀座のダイハード星からやって来たなかなか死なない完全生物「エイリアン」が科学研究船の中で乗組員を襲う話。 よせばいいのに作っちゃった４作目で、またもアンドロイドが出てきて新味のない「そして誰もいなくなっちゃうぞ」アクション。 「デリカテッセン」と同じ監督とは思えない普通の映画です。 それにしても反則技とも言えるクローンとなってまで復活するかねえリプリー。 このオバハンの方がよっぽど「なかなか死なない」ぞと。
［音楽とサントラ］ 新鋭ジョン・フリゼールはなかなか厚いスコアを聞かせます。 アクション曲ではストリングスの不協和音が印象に残る狂暴さ。 ただし、これも一般受けはしないでしょうね。
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