ひねもすサウンドトラック (1)
2026年7月掲載
Soundtracks, A Go Go!

(このページの掲載作品: ドラグネット・正義一直線 正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官 刑事くん[第1シリーズ]ミュージック・ファイル/ 刑事くん[第2シリーズ]ミュージック・ファイル/ 刑事くん[第3シリーズ]ミュージック・ファイル 2012 地球の静止する日 地球が静止する日 バーナード・ハーマン:グレート・フィルム・ミュージック プレイ・ダーティー ザ・プレイヤー チャイルド・プレイ 大乱戦 大魔神/大魔神怒る/大魔神逆襲 大将軍 大侵略[EPシングル盤]

(ディスクデータは、メディア種別/発売年/レコード会社/レコードナンバー/原盤会社/定価/中古購入価格の順に記載)

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ドラグネット・正義一直線 DRAGNET (1987)

音楽:アイラ・ニューボーン/「ドラグネット」メインテーマ作曲:ウォルター・シューマン/主題歌"Danger Ahead/Dragnet March":アート・オブ・ノイズ
監督・共同脚本:トム・マンキウィッツ/原作(原典ドラマ製作):ジャック・ウェッブ
出演:ダン・エイクロイド(兼脚本)、トム・ハンクス、クリストファー・プラマー、ハリー・モーガン、アレクサンドラ・ポール、ジャック・オハローラン、エリザベス・アシュレイ、ダブニー・コールマン
CD/1987/ワーナー・パイオニア/32XD-842/MCA/\3,200

  アメリカ・テレビドラマ草創期のヒット刑事ドラマ「ドラグネット」(日本放映題「再現ファイル/捜査網」)のリメイク?というかパロディ映画化。   1951年の「ドラグネット」 、およびその3年前の「裸の町」(The Naked City)はいずれも現実の警察から事件情報を受けて制作され、テレビ刑事物のパターンを確立したドラマです。 もともとラジオからスタートした「ドラグネット」はテレビでも全8シーズン放映のヒット作となり、60年代にリメイクもされています。

 私がこのパロディ映画を見た時点では本家ドラマは知らなかったのですが、後に51年版のドラマを少し見てみたら(右写真は1枚だけ持っているDVD)、けっこう面白いの。 30分という短い時間でスピーディに話は展開するし、警察をクッソなめてる容疑者、被害者遺族の復讐心、囮捜査に警察官の殉職まで、結局いまの刑事ドラマってほとんど、この頃に出来た骨子を膨らませてるに過ぎないのでは、というと言い過ぎか。 教会の聖像盗難に端を発して、誰も悪党がおらず終わるクリスマスらしいほのぼのエピソードなんてのもあったりします。
 影響を受けた日本でも、日本初の刑事ドラマ 「ダイヤル110番」 「特別機動捜査隊」 が警視庁から素材提供を受けてドラマを製作しています。 大阪ローカルの「部長刑事」も大阪府警が「応援」としてクレジットされてたそうですね。

Ladies and gentlemen,
The Story you are about to see is true.
The names have been changed to protect the innocent.

この物語は、実際に起きた事件を再現したドラマである。
(テレビ版「ドラグネット」オープニング・ナレーション。日本語は字幕)

Ladies and gentlemen,
The Story you are about to see is true.
The names have been changed to protect the innocent.
For Example, George Baker is now called
Sylvia Wiss.

みなさん、この物語は実話である。
名前だけは架空である。
たとえば、ミスター・ジョージはミス・シルビアに改めた。
(本作オープニング・ナレーションと日本語字幕)


 で、1987年の本作は、1954年の「本家・ドラグネット」につづく二度目の映画化(他にテレビ用長編が1本あり)。 無頼派刑事ブームが勃興したののは70年代ですが、80年代には「48時間」などのライト路線刑事ドラマも加わりましたので、本作もその一環でしょうね。 ロサンゼルス市警(LAPD)の堅物刑事(エイクロイド)がチャラい若手刑事(ハンクス)と組むバディ物の完全コメディでして、原典ドラマに対するリスペクトはあまりなさそう。
 堅物刑事ジョー・フライデーは原典の主人公ジョー・フライデー(ジャック・ウェッブ)の甥っ子という設定。 確かに、オープニングのフライデーお決まりのモノローグ "This is the city, Los Angeles, California." や、ドラマ終了後に逮捕された犯人への判決が入るのは原典どおりなんですが、フライデーはロボットのように喋ったり歩いたりしないんだよなあ。 茶化してる感が凄くて、原典のファンの人たちは怒らなかったのでしょうか。

 ま、しかし、それを離れれば、コメディ・アクションとしてテンポよくコンパクトにまとまってて面白いです。 犯人が潜む家屋をぶち破る、キャタピラー走行のまるで駆逐戦車のような「体当たり突入装甲車」(ramming tank、右写真)など派手なアクションもあって映像的な訴求力も十分。 戦車でいえば主砲にあたる部分には "HAVE A NICE DAY"(素敵な一日を)と書いたプレートが付いてて、絶対に実際にある車両じゃねえんだろうな(LAPDのSWATにこういう車両はありますが、流石にキャタピラー車じゃなかったと思う)。
 こういう役はお手の物の当時のエイクロイド、まだゴジャゴジャ頭だった若きトム・ハンクス、そして不気味な悪役にクリストファー・プラマーなんて大御所を担ぎ出し、キャラも立ってます。 肩のこらない娯楽作品でした。

 ちなみに、刑事コンビの上司の警部役ハリー・モーガンは、60年代リメイク版「ドラグネット」でフライデーの相棒を演じた人。 フライデー役のウェッブが故人ですから、原典作品から唯一のゲスト出演。 モーガンは 「グレン・ミラー物語」 でも、ジェームズ・スチュアート演じるミラーの相棒役でした。 個人的には 「地上最大の脱出作戦」 で、最後にコワレちゃって地下迷宮を放浪する部隊司令官が印象深い人です。

[音楽とサントラ]  原典作品のテーマ曲を取り込んだ主題歌、"Danger Ahead/Dragnet March" が当時ヒットしました。 歌っているのは、 「フル・モンティ」 や「狂っちゃいないぜ」(1999、ジョン・キューザック主演)のアン・ダドリーが属していたアート・オブ・ノイズ。 ただし、彼らのアルバムにも収録されていますが本編では未使用のイメージソングです。 実際の本編メインタイトル曲のラップはサントラ未収録。
 「ドラグネット」のテーマ曲は、おそらくロバート・ミッチャムの「狩人の夜」(1955)がいちばん有名なウォルター・シューマン。 「ドラグネット」がラジオ放送だった時代からのテーマです。 ミクロス・ローザの「殺人者」(1946、バート・ランカスター主演)からインスパイアされたのでは、と著作権で揉め、結果的に権利はローザと共同だとか。 発売されているアルバム商品では、ローザ単独表記(多分これが一番多い)、二人の併記、シューマン単独表記が混在しています。 もっとも、この曲でシューマンはエミー賞取ってるんですけどね。 当サイトはこれを機会に、全ての過去記事はシューマン単独表記に改めました。

 本編スコアは 「裸の銃を持つ男」 のアイラ・ニューボーン。 当時のこの人の、元気いっぱいで賑やかなシフォニック・スコアでお気に入りの楽曲群です。 突入装甲車の活躍シーンや、エンド・クレジットのニューボーン版ドラグネット・マーチの派手さが楽しくて楽しくて。
 本編でも、私が好きなサックスが鳴くフュージョン調の曲も多いのですが残念ながら未収録で、それらはブルース調の "Joe Gets Fired" と、曲の後半が派手なカーチェイスを彩る "Kill Me Instead" に統合されている感じですね。 スコア・サントラとして楽しい14曲38分でした。 エイクロイド、ハンクスがラップを繰り広げるエンディング主題歌 "City Of Crime" はトラック3に収録。 (2026/07/26:管理人から一言)

【個人的収録曲ヒット率】 78%(ボーカル5曲除く9曲中7曲)


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正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官 CROSSING OVER (2009)

音楽:マーク・アイシャム
監督・脚本・共同製作:ウェイン・クラマー
出演:ハリソン・フォード、レイ・リオッタ、アシュレイ・ジャッド、ジム・スタージェス、クリフ・カーティス、サマー・ビシル、アリシー・ブラガ、アリス・イヴ
CD/2009/ジェネオン・ユニバーサル・エンタテインメント/GNCE-7056/VARESE SARABANDE/\----/\650[中古]

  アメリカで移民を取り締まる法執行機関ICE(移民・関税執行局、Immigration and Customs Enforcement)をテーマにした珍しい映画。 自らも南アフリカからの移民であるクラマー監督が1996年に撮った短編映画 "CROSSING OVER" を同題(原題)で長編劇映画化したもの。
 "CROSSING OVER" は、物理的には「渡る、越える」という意味なので直接的には "CROSSING OVER THE BORDER"(国境を超えて)という意味なのでしょうが、抽象的には「次の段階への移行」という意味もあるので、グリーンカードや帰化による「新たな市民への移行」というダブルミーニングでしょうね。

 引退間近のICE捜査官、マックス(フォード)を中心に、さまざまな不法滞在・不法就労者が就労ビザ発行や帰化にあがく姿を描く社会派群像劇。 ただね、不法入国者とか不法就労の人たちにはいまいち同情できないので、何か見ていて乗らない。ユダヤ教徒のフリをするイスラエル人歌手(カーティス)や、オーストラリアから女優志望で就労ビザを不正取得しようとする女(イブ)とかさ、いや自分の国で頑張れよ。 合法的な入国者や就労者はいるわけだし。 ちなみに女優の卵に、体目当てで不正を持ちかけるビサ審査官がレイ・リオッタね。 安定の小者悪党ぶりだなこの人。

 まあ、国籍が出生地主義ってのもあるんでしょうね。 不法入国者であるアラブ人家族は、幼い子供たちはアメリカ生まれなので、彼らが成人してアメリカ国籍になれば親も合法的に合衆国に残れる。 この辺、移民で成り立ってきた合衆国という国の宿痾という気もする(日本は血統主義なので親の国籍に依拠)。
 ただ、出生がアメリカじゃない長女(ビシル)が、911テロリストを肯定と受け取られかねない発表を高校でしたら、そらFBIも飛んでくるさ。 でも3歳からアメリカで暮らしてて、そんな感覚になるもんかね? その辺、謎だ。
 監督さんとしては、評判悪い組織らしいICEを批難するのではなく、かと言って移民たちの「あがき」を肯定も否定もするわけでなく、ただそういう実状なんだよ、ということを提示している感じです。
 それらの人々の点景を描きつつ、話の推進力は人情派捜査官マックスがメキシコ不法移民のシングルマザー、ミリヤ(ブラガ)を助けようとするエピソードと、マックスの同僚の帰化イラン人ハミード(カーティス)の妹殺害が担います。 ただいろいろな移民たちの姿は、(一部を除いて)マックスとクロスするわけではなく、だからマックスのエピソードは映画の推進力としては中途半端で、終わった時点でカタルシスはあまりない。 もちろんそれは狙っていないだろうから、それでいいのでしょうけど。

 ちなみに、ICEって面白い「囮捜査」もやってるのな。 架空の大学のウェブサイトを作って、そこへの留学名目で不正ビザを作ろうとした人たちを一網打尽にしたんだと。 公権力がやるフィッシング詐欺?(詐欺じゃないけど)。 やるなあ。

[音楽とサントラ]  音楽はマーク・アイシャム。 ニューエイジ・ミュージックのアイシャムの個性が出た音楽で、静かにサスペンスを盛り上げます。 いたずらに音を重ねない楽器の数が少ない編成で、ぎりぎりアンビエント系とのはざまにいつつも、ゆるくはない緊張感を演出。 ユダヤ、アラブ、オーストラリア等の人々が出てきますので、それぞれのお国の音楽を並べても良さそうなのですが、ブックレットによれば、民族の個性を描くより話の連続性を重視して意図的に避けたとか。

 ただし、メキシコ不法移民ミリヤにまつわる音楽は別で、これはアクースティック・ギターが少しラテンな悲しいメロディを演奏。 このギターは全編のメイン楽器でもあり、派手さは微塵もないですが(そういう本編ではないし)、地味に染み入るメロディを響かせます。 明るくはないのに、通しで聴いてもダウナーな気分にならない不思議なスコアでした。 15曲41分収録。 (2026/07/26:管理人から一言)

【個人的収録曲ヒット率】 47%(15曲中7曲)


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刑事くん[第1シリーズ]ミュージック・ファイル (1971)

音楽:菊池俊輔/主題歌『コンクリート・ジャングル』作詞:佐々木守、作曲:鈴木邦彦、歌:桜木健一
制作:TBS、東映/放映:TBS系/監督:奥中惇夫、冨田義治、加島昭、竹本弘一ほか
出演:桜木健一、仲雅美、立花直樹、守屋俊志、山口暁、森桃江、本沢佳子、津山登志子、三浦康晴、牟田悌三、風見章子、名古屋章
CD/2008/ウルトラ・ヴァイブ/CDSOL-1206/07/ウルトラ・ヴァイブ/\3,000/\2,725[中古]

刑事くん[第2シリーズ]ミュージック・ファイル (1973)

音楽:菊池俊輔/主題歌『刑事くん』作詞:佐々木守、作曲:鈴木邦彦、編曲:高田弘、歌:桜木健一
制作:TBS、東映/放映:TBS系/監督:冨田義治、加島昭、竹本弘一ほか
出演:桜木健一、三浦友和、守屋俊志、中山麻理、三笠すみれ、山崎亮一、関かおり、風見章子、名古屋章
CD/2008/ウルトラ・ヴァイブ/CDSOL-1208/ウルトラ・ヴァイブ/\2,625/\1,900[中古]

刑事くん[第3シリーズ]ミュージック・ファイル (1974)

音楽:菊池俊輔/主題歌『星を追う』作詞:長坂秀佳、作編曲:菊池俊輔、歌:桜木健一
制作:TBS、東映/放映:TBS系/監督:冨田義治、加島昭、竹本弘一ほか
出演:桜木健一、宮内洋、守屋俊志、新井春美、小川順子、佐野伸寿、風見章子、名古屋章
CD/2008/ウルトラ・ヴァイブ/CDSOL-1206/07/ウルトラ・ヴァイブ/\2,625/\1,100[中古]

  母さん! 辞令だ! 刑事になったよ!
 (第1シリーズ、桜木健一によるタイトルバックのセリフ)

 今もその名が残る大ヒットドラマ、近藤正臣が足でピアノを弾くので有名?な「柔道一直線」で、テレビの青春ヒーローのアイコンに躍り出た桜木健一。 彼を、殉職した父親刑事の犯人逮捕を誓う新人刑事・三神鉄男にキャストした熱血青春刑事ドラマにしてホームドラマが本作「刑事くん」。 各話30分で、1971年から74年まで飛び飛びながら4シーズン放映されました。 最終シーズンは、桜木さんがアラサーになってしまったので星正人に主役が交代しています。
 TBS月曜日7時半の放送ですから、「水戸黄門」など8時からの「ナショナル劇場」の露払いとなる、子供も視野に入れたファミリー枠。 管理人は本放送当時8歳、小学校中学年ですが欠かさず見てました。 考えてみれば、俺の刑事ドラマ原体験なんだなこれ。

 とは言え、桜木健一がやたらハツラツとしていた以外はまったく記憶になし。 そこで東映のYouTube、「東映シアターオンライン」が第1話、2話を固定配信しているので半世紀以上ぶりに見てみました。 いやキツいなこれ。 役者さんの芝居は別におかしくないのですが、新人のクセに命令無視や単独捜査、課長(名古屋章)にはタメ口、とメチャクチャです。 この当時の「はねっ返り」像ってこんなんだったんや。 いやー、DVDボックスと買わなくて良かった(もともと買う気もないけど)。
 それでも、主題歌の「コンクリート・ジャングル」だけはよっく憶えてました。 以前に オムニバス盤で聴いた 時は懐かしさに涙ナミダ。 でも流石に、本編音楽なんて憶えてないんですよねえ…。

[音楽とサントラ]  つうか音楽が菊池俊輔だったことすら知りませんで、サントラCDが発売された時は驚きました。 かなり逡巡しましたが、まあ菊池俊輔だし、わが「刑事物サントラコレクション」に加えるべく買っちゃいましたよ。 しかも桜木さん主演分は全部。 第2,第3シリーズを見ていたかも記憶に怪しいのに。

 でもそういうのって、 必殺仕置人のとこにも書きましたけど、 主題歌を憶えているかどうかなんですよね。 で、第2シリーズの『刑事くん』、第3の『星を追う』、ちゃんと記憶にありましたから見てたのね。 この当時の主流である演歌調というか民謡調というか、いまの若い人が聴いたらなんぞこれと言いそうな曲で絶対にリバイバルヒットはしませんが、それでもすっと入って来るメロディはさすが鈴木邦彦(作曲)。 森田健作の「さらば涙と言おう」などヒット曲には事欠かないポップスの巨匠で、アニメ・特撮では「ウメ星デンカ」や「コンドールマン」の主題歌があります。
 第3シリーズの『星を追う』は、この鈴木邦彦調で菊池俊輔が作編曲。 当たり前ですがこういう曲も書けるんですね。 万能です。

 さて菊池さんの本編音楽。 おー、なんと言いますか、楽器編成の薄い キイハンター ? いや同時期の作品だし仕方ないのですが、身もフタもない書き方ですみません。 リズムセクションが切れ目なく鳴り、金管が切り裂くように入ってくる、第1の『M-46-1』出動のテーマなんてその典型。 後期になると楽器編成も厚くなりますので、エネルギー多めで迫って来る第3の『M-7(T2) アクション』なんて普通にキイハンターです。 同じく迫力たっぷりの『G75 アクション』なんて曲は、音源マスターではなくコピーテープに残っていた音源だそうなので、「キイハンター」の曲が混じってたんじゃないの? と言うより、Mナンバー(ミュージックナンバー)が唯一 "G" だし、G75 なら 「Gメン '75」 用に作られた音楽では?。 Gメンのアルバムに入ってるかもしれん。 後で調べてみよう。
 また、ホームドラマ要素も強いドラマなので、日常や平和な情景描写が多いのも特徴。 この辺は、当時のドラマの音楽で懐かしくはなりますね。 また、音楽制作の現場では『第2テーマ』と呼ばれていた、菊池版「刑事くん」のテーマ『三神鉄男のテーマ』。 3シリーズに渡ってアレンジ曲が多数使われていますが、本質的なメロディは"暗めのマーチ"。 菊池さんらしい、特撮テイストを感じる楽曲です。

 それやこれやで、CD3枚分、いや第1シリーズは2枚組なので4枚分を堪能しました。 第1シリーズ106曲128分、第2シリーズ64曲75分、第3シリーズ76曲78分、合計246曲281分です。 曲数に比べて収録時間が短いですが、従来の邦盤テレビサントラに多かった複数キューを1トラックにまとめることはせず、1曲1トラックの構成。 つまり数秒〜数十秒の短いブリッジ音楽もそれぞれ1トラックと、資料性の高いものとなっております。 俺はこの構成方針、大賛成よ。 iTunes に落としてから曲分割しなくて済むのは楽。

 あとは主題歌関係のファクトのみまとめておきます(右写真3枚は当時のシングルをブックレットから引用)。 第1シリーズ『コンクリート・ジャングル』は、レコード用フルサイズとそのカラオケ(ともにステレオ)、歌詞の組み合わせが違うTVサイズ3曲、本編BGM用メロオケが1コーラス版と3コーラス版収録。 当時発売された主題歌シングルのB面曲『はてしなき恋』は、ドラマ本編ではアレンジ曲等が使われていない無関係な曲のため未収録。
 第2シリーズ『刑事くん』は、レコード用3コーラス版フルサイズ(ステレオ)、そのカラオケ(モノラル)がフルサイズと1コーラス版、本編BGMとして作成されたメロオケもフルサイズと1コーラス版を収録。 本編でアレンジ曲が使われたシングルB面曲『花をあげよう』は、レコード用フルサイズ(ステレオ)とそのカラオケ(モノラル)を収録。

 第3シリーズは『星を追う』。 もちろん「ホシ(犯人)を追う」とのダジャレですね。 レコード用3コーラス版フルサイズ(ステレオ)、そのカラオケ(モノラル)とTVサイズ1コーラス版、本編BGMとして作成されたメロオケ3コーラス版を収録。 本編でアレンジ曲が使われたシングルB面曲『さまよい』は、レコード用フルサイズ(ステレオ)とTVサイズ1コーラス版、本編BGMとして作成されたメロオケ3コーラス版を収録。

 以上、桜木健一版「刑事くん」3シリーズのサントラでした。 第4シリーズの星正人版は見てない・買っていないのですが、ただ菊池音楽を聴くという意図であれば、そのうち買うしかないなと思っております。
 星正人さんの名前をきちんと認識したのは 「大都会 PART III」 で、 「PART II」 の徳吉刑事(松田優作)降板後に、そのポジションだった二枚目半刑事・虎田にキャスティングされた時でした。 当時知ってりゃ、あの「刑事くん」がこんなやさぐれて黒岩軍団の一員に!とか書いてただろうな俺は。 (2026/07/26:管理人から一言)

【個人的収録曲ヒット率】 (さすがにこれは無理)


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当サイト掲載音盤2012枚目!
2012
2012 (2009)

音楽:ハラルド・クローサー(兼製作・脚本)、トーマス・ワンダー
監督・製作総指揮・脚本:ローランド・エメリッヒ/参考書籍:グラハム・ハンコック「神々の指紋」
出演:ジョン・キューザック、キウェテル・イジョフォー、アマンダ・ピート、オリヴァー・プラット、タンディ・ニュートン、ダニー・グローヴァー、ウディ・ハレルソン、トム・マッカーシー、リアム・ジェームズ、ズラッコ・ブリッチ、ブル・マンクマ、ジョージ・シーガル、スティーヴン・マクハティ
CD/2009/ソニー・ミュージック・エンタテインメント/SICP-2463/RCA RECORDS/\2,640/\980[中古]

  古代マヤ人の長期暦が2012年で終わっていることから、頭のすっ飛んだ人々によって巷間ささやかれた「2012年人類滅亡説」。 マヤ暦はそこで1サイクル終わるだけでその後があるので単なるポンコツさんたちが騒いでただけですし、衆知の通りもう15年前に滅亡してないんですよね。
 でもこんな美味しい話に食いつかない映画人がいるわけもなく、まんまと食いついたエメリッヒ先生が2009年に1本撮っちゃった。 破壊王エメリッヒと彼のSFXチーム、渾身の一大破壊ページェント。 いやもう良くやるわ。

 設定そのものはツッコミどころだらけでも、もっともらしい地球崩壊への段取り、各地で犠牲になる人々、政治経済の要人と富裕層だけが乗れる "方舟"、それに苦悩する科学者(イジョフォー)、ひょんなことから破滅を知る民間人(キューザック)の方舟への逃避行(きっかけとなるマッド・ジャーナリストのウディ・ハレルソン、似合うなあこういう役)。 良い奴はひとりずつ欠け落ち、嫌な奴もいいとこ見せてやっぱり欠け落ち、子供と犬は安定の生き残り、とお話はそつなくまとめています。

 ひっくり返る巨大観光船、水中でのアクションなど過去のディザスター映画へのオマージュも仕込み、深みはまったくないけど夏のデートムービーとしては十分なブロックバスター。 2時間半超はちょっと長いけど、いや面白かったですよ。 

[音楽とサントラ]  音楽は、エメさんの盟友であり、製作・脚本も担当したハラルド・クローサーと、相棒のトーマス・ワンダー。  「デイ・アフター・トゥモロー」 「ミッドウェイ」 と同様、抑え目のスコア。 そら70年代パニック映画的なドンジャカジャーンって音楽は今どき無理だろうけど、やっぱり地味。 ナガラで流してる分には良いんだけれど(この文章もそうやって書いてます)、スコアではここぞという聴きどころは少ない。 仕方ないのかなあ。

 その分、観光巨船のパーティで歌われるジャズ・ボーカル曲がなかなかの聴き物。 既成曲ではなく、クローサーとワンダーが本作用に書いたようです。 歌っているのはジャズ・ミュージシャン役の、お懐かしやジョージ・シーガルとブル・マンクマ。 マンクマって人はぜんぜん知らないんだけど、リチャード・ドレイファスの 「張り込み」 とか 「Xファイル」 に出ているので、俺は見たことあるはず。 爺い二人のシブ声は悪くないです。
 エンドロールで2曲つづくボーカルは、アダム・ランバートの "Time For Miracles" と、フィルターの "Fades Like A Photograph"。 これはアルバムの最初と最後に置いてあります。 24曲58分収録。 (2026/07/18:管理人から一言)

【個人的収録曲ヒット率】 32%(ボーカル3曲除く19曲中6曲)


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地球の静止する日 THE DAY THE EARTH STOOD STILL (1951)

音楽:バーナード・ハーマン
監督:ロバート・ワイズ/原作:ハリー・ベイツ「主人への告別」(「来訪者」「地球の静止する日」)
出演:マイケル・レニー、パトリシア・ニール、ヒュー・マーロウ、サム・ジャッフェ、ビリー・グレイ、フランシス・ベイヴィア、ロック・マーティン、フランク・コンロイ
DL(MP3)/2011/TRUNK RECORDS/----/TRUNK RECORDS/\900[輸入盤ダウンロード]

  ワシントンD.C.に着陸した円盤から現れた、人間の姿と変わらない宇宙人クラトゥ(マイケル・レニー)。 誤射され、治療を受けた病院から脱走した彼は、地球人に対する警告を全世界の人に同時に話したいと科学者と交渉する。 しかし市井に紛れて逃亡する彼を、アメリカ当局は捕獲しようと追跡を始める。

 ごめん、上のストーリーはちょっと語弊がありそう。 追われる宇宙人の逃亡劇みたいなサスペンスフルな話ではなく、もっと静かな話です。 確実に「良い人」であるクラトゥ、正体を知らぬまま交流する戦争未亡人(ニール)とその息子を描きつつ、「警告」の中身の謎で話を進めます。 凶悪な宇宙人とそれを倒すヒーローという当時のSF冒険映画の風潮から脱し、異星人とのファースト・コンタクトや反戦思想をこめた本格SF映画。 逆にSFXやスペクタクル感のなさは、まるで社会派ドラマの趣き。

 そんな話を、緩急つけながら最後まで引っ張るロバート・ワイズってほんと、上手だよなあ何を撮らせても。 この当時、「SF映画」という枠の中でこういう映画が製作されたことに驚きます。 科学考証的にはもちろんツッコミどころはあるんですけどね。 宇宙人の力を見せつけるために30分だけ電気を止めて「地球を静止」させるんですが、バッテリー使う車が走れないのはまだしも、キックスタートのバイクのエンジンがかからないのはおかしいだろ(笑)。
 ともあれ、「歴史」となった作品ですが、いま見ても十分面白いのは驚異的。 地球の上でドンパチやるのは勝手にせえや、でも宇宙に核兵器持ち出すなよ、とかさ、「民族自立」を担保したうえで反核メッセージって、テーマは今も通用しちゃうのですよ。

 原作のハリー・ベイツという人は、アメリカSF小説の草創期、パルプ・フィクションの時代に「アスタウンディング」というSF雑誌の編集長だった人で、この人の名前を久しぶりに見ました。 原作の短編小説から、設定と、ロボットの「ゴート」も含めた登場キャラクターを借りただけで、ストーリーやメッセージはまったくの別物です。 映画も半世紀後にリメイクされてますが、こっちもほぼ別物かなあ。  下に紹介しています

[音楽とサントラ]  音楽はバーナード・ハーマン。 メインテーマは様々なカバー音源を持っていますし、 下に紹介する「バーナード・ハーマン:グレート・フィルム・ミュージック」 で本編スコアの再演奏も一部は持っています。 なので単独サントラはいらないかとも思ったのですが、今回、ひさしぶりに映画を見返したら欲しくなってダウンロードで買ってしまいました。

 全編で使われるテルミンや電子音がSF映画らしさを担保。 とは言え怪談映画音楽のようにオドロオドロしているわけではなく、ハーマンらしい生硬なタッチのオーケストラの中に「異形」の存在として、楽曲に溶け込みつつも自己主張。 この編曲で安っぽくならないのは流石巨匠。 イメージとしては、テレビシリーズ「トワイライト・ゾーン」にハーマンが書いた楽曲を想起させます。
 未亡人の息子(グレイ)と街を散策するシーンでは、アーリントン墓地やリンカーン記念堂に、電子音を封じて戦死者を讃える優しい賛歌。 この辺も反戦メッセージが出ていますね。

 サントラはさまざまなバージョンや再演奏盤が出ていますが、時期が時期だけに公開当時のLPはなく、CD時代になって、拡張盤も含めて各レーベルがリリースしています。 ここに掲示したのは TRUNK RECORDS による17曲35分収録アルバム。 TRUNK は過去の映画音楽やロック、ポピュラーを掘り起こして主にデジタル販売しているマニアックなイギリスのレーベル。 友人から、林光の「裸の島」(新藤兼人脚本・監督、1960)の音楽をサプライしてることを教えられて目をむきました。 そんなもんまでフォローしてんの?! (2026/07/18:管理人から一言)

【個人的収録曲ヒット率】 47%(17曲中8曲。1分未満の短い曲が7曲なので参考情報)


 [当サイトの関連音盤]

 地球の静止する日[DL盤](本盤)
 地球が静止する日
 バーナード・ハーマン:グレート・フィルム・ミュージック

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地球が静止する日 THE DAY THE EARTH STOOD STILL (2008)

音楽:タイラー・ベイツ
監督:スコット・デリクソン/原作脚本(Based On The Screenplay by):エドマンド・H・ノース
出演:キアヌ・リーヴス、ジェニファー・コネリー、ジェイデン・スミス、キャシー・ベイツ、ジョン・ハム、ジョン・クリーズ
CD/2008/ジェネオン・エンタテインメント/GNCE7040/VARESE SARABANDE/\2,625/\980[中古]

  上に紹介した映画 の約半世紀後のリメイク。 原作となったハリー・ベイツの小説ではなく、原典映画の脚本を原作としてクレジット。 原典の反核メッセージは、人類による環境破壊への警鐘とテーマを変えています。
 宇宙人クラトゥ(キアヌ)が地球にやってきて傷つき、逃亡者となるまでは現代的解釈やSFXを使ったスペクタクルで、まあこれはこれでよし。 けっこうノンストップ展開だし、面白く見られました。

 ただ中盤から、お話の中核を理屈で補強するあたりからはガタガタ。 せっかく、世界各地に地球人を監視するモニタ兼方舟があるんだから、長期潜入してる中国系宇宙人に話聞く必要もないし、そもそも割と最初から、地球を蝕む人類殲滅するつもりで来てるよね? ロボット「ゴート」は人殺してるし。
 これを改心させるのが子供との交流ですが、このウィル・スミス・ジュニアが反抗的でヤな…あんまりよろしくないガキンチョで、終盤近く急にクラトゥと交流するあたり、唐突なんだよね。 原典作の坊やは、割と早い段階からクラトゥと仲良しなのでそれなら結末の伏線として生きるんだけど。 そもそも、再婚した父を亡くして母親(コネリー)と義理関係って設定必要? ウィル・スミス・ジュニアをキャスティングしたいがための設定なんだろうなあ。

 ゴートは最後、何か知らんが虫になるし、まあ勢いで最後まで見ちゃったけどさ、いったい原典作品の何が良くてリメイクしようと思ったんだろう。 何をしたかったんだろう。 他にもいろいろツッコミどころ書いてるとキリのない、大変、疑問の残る映画でした。

[音楽とサントラ]  音楽は、やはりキアヌの「ジョン・ウィック」シリーズや、「デッドプール2」のタイラー・ベイツ。 あんまり聴いたことないけど、メロディ不足の効果音的な音楽が多い人という印象。 SF映画「ダーケストアワー 消滅」も似た感じでしたね。 本作もそのデンで、画面の向こう側でよく鳴って盛り上げてはくれるけど、単独で鑑賞するにはちょっと苦しい。 好みの別れるサントラだと思います。 28曲53分収録。 (2026/07/18:管理人から一言)

【個人的収録曲ヒット率】 25%(28曲中7曲)


 [当サイトの関連音盤]

 地球の静止する日[DL盤]
 地球が静止する日(本盤)

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バーナード・ハーマン:グレート・フィルム・ミュージック BERNARD HERRMANN GREAT FILM MUSIC

音楽・指揮:バーナード・ハーマン
演奏:ナショナル・フィルハーモニック・オーケストラ
[再演奏ベスト盤]
CD/1996/LONDON(DECCA RECORDS)/443 899-2/DECCA RECORDS/\----/\1,270[輸入盤中古]

[アルバム解説]  1960年代に開発された「フェイズ4ステレオ」録音で、バーナード・ハーマンとナショナル・フィルが残した演奏のCD化。 フェイズ4ステレオはデッカが開発した録音方式で、20本のマイクで音録りして4トラックにまとめる、今でいうマルチ・チャンネル録音。 音の解像度が高く、当時としては画期的な録音方式だったとか。

 フェイズ4はポピュラー音楽に始まりクラシックまで普及して多数発売され、現在も、当時のレコードのコレクターの方がいるようです。 当時のフェイズ4のLPばかり50枚を40枚のCDにまとめたすんげえボックスまで出ています( Amazonリンク「デッカ フェイズ4ステレオ・スペクタキュラー Nice 'n' Easy」 )。
 もちろん、ハーマンの音楽もこのターゲットになったわけで、このアルバムは、ハーマンが自作をナショナル・フィルで演奏した「GREAT FILM ○○」シリーズの1枚。 このシリーズは他に「GREAT FILM CLASSICS」、「GREAT BRITISH FILM MUSIC」、「GREAT SHAKESPEARE FILM」等が出ています(右写真からAmazonリンク)。

  上で紹介した「地球の静止する日」 が演奏されている音源を、確か何か持っていたはずという記憶があって、自分のCDラックを探してみたら見つかりました。 本盤のセレクトはSF映画。 74年リリースのLP「The Fantasy Film World Of Bernard Herrmann」に、新たにレイ・ハリーハウゼンの「ガリバーの大冒険」を追加してCD化されたものです。 それも含めて仲良しだったハリーハウゼン作品が3本、トリュフォーが三顧の礼で迎えた異色作「華氏451」、そして本格SF「地球の静止する日」と、こうしてみるとエポックな作品がチョイスされています。 ハリーハウゼン+ハーマンのSFだと「SF巨大生物の島」や「アルゴ探検隊の大冒険」もありますが、それは 「市民ケーン」 とともに「GREAT FILM CLASSICS」へ収録。

 音質は……きっと良いんだと思います。 うちの貧弱なオーディオでは良くわからないけど、解像度が高いのはなんとなくわかる。 曲は、各作品とも、ハーマンらしい端正かつ理性的な楽曲。 ハリーハウゼン1本目は「地底探検」。 尖った金管とハープの幻想的な響きが良く調和し、パイプオルガンなど重量級の音楽に見せて意外に軽やか。 冒険映画らしい仕上がりです。 7曲16分収録。
 次のハリーハウゼン作品はハーマンとの初顔合わせ、「シンドバッド7回目の航海」。 3曲9分収録。 中東風のエキゾチックなメロディなのに、それを意識せずに聴かされてしまうあたりは面白い。 本編も観ましたが、単独盤買っても良いと思える充実した音楽です。 ※「シンドバッド」は「シンバッド」が正しいようですが、DVDタイトルがいずれも「シンドバッド」になっているのでそちらで表記しています。

 ハリーハウゼン3本目、CD化の際に追加された「ガリバーの大冒険」はアルバム最後に13曲26分と、単独盤並みの規模で収録。 製作チャールズ・H・シニア、特撮レイ・ハリーハウゼン、音楽バーナード・ハーマン、そして主演のカーウィン・マシューズと、「シンドバッド7回目の航海」のカルテットが再集結し、ジョナサン・スウィフトの名著「ガリバー旅行記」を実写映画化。
 ハリーハウゼン十八番の人形アニメーションは少ないのですが(ワニとリスだけ)、合成技術は驚異的。 小人国リリパット、巨人国ブロブディンナグで、極小・極大の相手とのシーンの違和感ないつなぎは流石ハリーハウゼン。 何もない空間にリアルな演技を続けたマシューズもプロフェッショナルです。 いまのCG全盛の映画製作の源流はこういうとこにあるんでしょうな。
 もっとも、原作由来の揶揄やアイロニーはあるにしろ、お話自体は寓話だし、ストーリーの推進力としてはいまいちか。 ハリーハウゼンで唯一、日本での劇場未公開映画ですが、それもわからんではないです。
 音楽は、どこのクラシックだよと思わせる端正なオーケストラ。 ファンタジー映画なのに、まるで史劇のような格調高さ。 オープニングからエンディングまで主要曲を並べており、通しで聴いた時の組曲感が凄い。 満足できる26分でした。 作中のボーカル曲2曲は未収録。 そもそも作曲がジョージ・ダニングですし。

 「地球の静止する日」は7曲12分収録。 サントラ盤より押し出しが強く、音楽として楽しく聴ける。 そらオケでの再演奏だし、そういうもんでしょうけど。
 「華氏451」は、5曲11分収録。 消防車もとい火炎車の疾走シーンや、クライマックスの火災シーンなど主な曲は網羅しています。  後年の再演奏盤の日本盤解説 で、ハーマン自身はナショナル・フィルとの録音には不満があったと書いてあったのですが、それがこの録音でしょうか。 そんなに悪くないと思うのですが。 かなら柔らかい雰囲気ではありますが。

 そんなわけで久しぶりに聴いたら存外良かった35曲72分でした。 シリーズの他のも買おうかな。 まずは「SF巨大生物の島」、「アルゴ探検隊の大冒険」を目当てに「GREAT FILM CLASSICS」か。 (2026/07/18:管理人から一言)

[収録作品](【ひ】は当サイト単独盤・関連盤へのリンク)
  • 地底探険 JOURNEY TO THE CENTER OF THE EARTH (1959)
  • シンドバッド7回目の航海 THE SEVENTH VOYAGE OF SINBAD (1958)
  • 地球の静止する日 THE DAY THE EARTH STOOD STILL (1950) 【ひ】
  • 華氏451 FAHRENHEIT 451 (1966) 【ひ】
  • ガリバーの大冒険 THE 3 WORLDS OF GULLIVER (1960) aka: GULLIVER'S TRAVELS

【個人的収録曲ヒット率】 (ベスト盤なので対象外)


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プレイ・ダーティー PLAY DIRTY (2025)

音楽:アラン・シルベストリ
監督・共同脚本:シェーン・ブラック/原作:リチャード・スターク "悪党パーカー・シリーズ"
出演:マーク・ウォールバーグ、ラキース・スタンフィールド、ローサ・サラザール、キーガン=マイケル・キー、チュクーディ・イウジ、ナット・ウルフ、 トーマス・ジェーン、トニー・シャルーブ、チャイ・ハンセン
CD/2025/ランブリング・レコード(輸入盤国内発売仕様)/RBCP-5862(LLLCD 1686)/LA-LA LAND RECORDS/\5,830/\4,722[輸入盤・割引]


エンドタイトル主題歌 "I Need A Dollar"
歌:アロー・ブラック
(収録アルバム:"GOOD THINGS")
DL(MP3)/2010/STONES THROW RECORDS/----/STONES THROW RECORDS/\250[輸入盤1曲ダウンロード]

  競馬場の収益金を襲ったパーカー一味だが、メンバーの女ゼン(サラザール)の裏切りに会い仲間を殺され、金を奪われる。 ゼンを追ったパーカーは、南米の独裁国の工作員だった彼女が関わる、政権打倒のために海底から発掘された美術品の奪取に巻き込まれる。 「アウトフィット=組織」が奪う美術品をさらに横取りする計画をパーカーは立案するが。
 リチャード・スターク(ドナルド・E・ウエストレイク)の悪党パーカー・シリーズの最新映画化。 アマゾンがMGMを買収して設立された「アマゾンMGM」(まんまかーい)がシリーズの映画化権をまとめて取得したことにより制作されました。 原作クレジットは「悪党パーカー・シリーズ」で、特定の原作があるわけではなくキャラクターを使ったオリジナル脚本です。 当然、作品公開は配信で、私もアマゾン・プライムで鑑賞しました。

 コメディは言い過ぎですが比較的軽めの建付けで、これまでのパーカー映画化作品のような重苦しさはなく、ライトな気分で見られます。 原作では既にパーカーとの共演を果たしている、スタークの別シリーズ「俳優強盗アラン・グロフィールド」のグロフィールド(スタンフィールド)を相棒として出してますので、二人の会話の「ノリ」を考えたらこうならざるを得ないか。 ファンにとっては楽しいゲスト出演ですし。 ちなみに少しイカれた泥棒仲間、ドライバーのスタン(ハンセン)は、やっぱり 「ホット・ロック」 のスタンを意識しているんでしょうね。 ビールにちびちびと塩を入れるところまでやってくれ。 ターゲットとなる「グリーンブルック金庫」は、やっぱり「ホット・ロック」のメンバーのひとり、グリーンバーグ由来というのは流石に考えすぎか。

 そんな軽めの構成とはいえ、強盗の「上がり」をかすめ取られるパーカー物定番の展開や、「組織」との対立は ロバート・デュバルの「組織」 以来の因縁とパーカーらしさは担保(ちなみに組織のボスは懐かしや「名探偵モンク」のトニー・シャルーブ。髭のオジサンで最初は気づかなかった)。 何よりも自己の信条だけに従うパーカーの佇まいをちゃんと考えられた脚本で、キャラだけ使って雑に仕上げた感はなく、そろそろ初老のウォールバーグのキャスティングも悪くない。 監督や脚本はちゃんとパーカーを理解して製作しているのがうかがえ、ウエストレイクのファンの私としては高評価です。 強盗計画が様々な要因でブレていき、それをアタフタしながら何とかするのはドートマンダーっぽいしね。

[音楽とサントラ]  音楽はアラン・シルベストリ。 「アベンジャーズ」シリーズ以外では最新作になるのかな(2026年にアベンジャーズが作られてますので)。 アベンジャーズって見ないままもう十数年経っちゃったけど、今となってはどの作品から見ればいいのかわからんのでなかなか手が出せない。 まずは「アイアンマン」を見返すことから始まるのか。 うわ面倒くせえ。

 さて、繰り返しますがシルベストリ最新作。 昨今のアクション映画音楽って デビッド・バックリーの「PARKER/パーカー」 みたいに機械的なオスティナートがダンダガダガダガダガダガと鳴るのが定番ですが、巨匠シルベストリがそんな安直な仕事をするわけもなく、ジャズとシンフォニーを自在に使いながら、昔ながらの「映画音楽」を聴かせてくれます。 特に、アメコミ調のイラストというクソだせえオープニングに流れるジャジーな曲でダサさを緩和。 これ聴いた瞬間にサントラ買おうと思いましたもの。

 アンダースコアは、基本はストリングスとブラスが混然一体となったシンフォニック・スコア。 特に金管の広がりが面白く、海底で発見した財宝沈没船の描写の曲 "Rob An Entire Country" とか、メロディワークも含めてまるでジョン・バリーの007音楽の趣き。 イマドキなリズム先行型の曲もないことはないけども、リズムだけで終わらせない変化を見せるのが流石巨匠の手腕。 そうそう。 映画音楽ってこうありたい。 ダガダガダガダガも悪くはないけどさあ。 21曲63分収録。 挿入歌は未収録。 エンディング・ソングは2010年ごろのソウルのヒット曲、アロー・ブラックの "I Need A Dollar"。 単独でデジタル購入しました。  (2026/07/11:管理人から一言)

【個人的収録曲ヒット率】 52%(21曲中11曲)


 [当サイトのドナルド・E・ウエストレイク関連作品の音盤]

 悪党パーカー・シリーズ
  殺しの分け前 ポイント・ブランク[「組織」カップリング盤] (原作「悪党パーカー/人狩り」)
  ペイバック (原作「悪党パーカー/人狩り」)
  組織[「殺しの分け前 ポイント・ブランク」カップリング盤] (原作「悪党パーカー/犯罪組織」)
  ジグザグ/スーパーコップス+α(「組織」現実音楽・ボーカル曲収録)
  汚れた七人 (原作「汚れた7人」)
  汚れた七人 [ザ・レガシー・オブ・クインシー・ジョーンズ]
  PARKER/パーカー (原作「悪党パーカー/地獄の分け前」)
  プレイ・ダーティー (オリジナル脚本)(本盤)


 職業泥棒ドートマンダー・シリーズ
  ホット・ロック[LP](原作「ホット・ロック」)
  ホット・ロック[CD][ザ・レガシー・オブ・クインシー・ジョーンズ]
  悪の天才たち・銀行略奪大作戦 (原作「強盗プロフェッショナル」)
  映画音楽大全集 VOL.5(「ホット・ロック」カバー曲収録)

 単独作品
  警官ギャング (脚本、ノベライズ「警官ギャング」)

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ザ・プレイヤー THE PLAYER (1992)

音楽:トーマス・ニューマン
監督:ロバート・アルトマン/原作・脚本:マイケル・トルキン「ザ・プレイヤー」
出演:ティム・ロビンス、グレタ・スカッキ、フレッド・ウォード、ウーピー・ゴールドバーグ、ピーター・ギャラガー、ライル・ラヴェット、ブライオン・ジェームズ、ヴィンセント・ドノフリオ、ディーン・ストックウェル、シドニー・ポラック
 (作中映画の出演) スコット・グレン、リリー・トムリン、ジュリア・ロバーツ、ブルース・ウィリス、スーザン・サランドン、ピーター・フォーク
 (カメオ出演) ジョン・キューザック、アンジェリカ・ヒューストン、ジョエル・グレイ、リーザ・ギボンズ、レイ・ウォルストン、シェール、バート・レイノルズ、ハリー・ベラフォンテ、ロッド・スタイガー、ジャック・レモン、ジェフ・ゴールドブラム、マルコム・マクダウェル、アンディ・マクダウェル、カレン・ブラック、ニック・ノルティ、ロバート・ワグナー、ジル・セント・ジョン、テリー・ガー、ジェームズ・コバーン 、ミミ・ロジャース、ロバート・キャラダイン、エリオット・グールド

CD/1992/サウンドトラック・リスナーズ・コミュニケーションズ(SLC)/SLCS-7139/VARESE SARABANDE/\2,500/\997[中古]

  日々、脚本の売り込みを受け続けている映画会社の重役グリフィン・ミル(ロビンス)。 売り込みを蹴った脚本志望者の一人から脅迫状のようなハガキが舞い込み続け、会いに行った彼は誤ってその男ケヘイン(ドノフリオ)を殺してしまう。 男の恋人(スカッキ)に惹かれる中、刑事たち(ゴールドバーグ、ラヴェット)の捜査の手が迫る。

 「ポパイ」の大ズッコケでしばらく干されたロバート・アルトマンのハリウッド復帰作で、映画製作の内幕物。 復帰作なのに内幕物というのも凄いですが、製作はメジャー会社ではなく、当時は独立プロだったニューライン・シネマ(の子会社ファインライン。後にワーナーと合併)。 製作会社と揉めた経験豊富なアルトマンの恨み骨髄か、「映画がわかってない」重役たちという皮肉な視点で制作現場を描いてます。
 多数の出演者に出演依頼した際のアルトマンの説明は、「映画会社の重役が殺人を犯すけど逃げのびてしまうハッピーエンドの話」だったそうで、作中の人物たちが言う、ヒットの要件はサスペンスとセックスとヴァイオレンスと(中略)ハッピーエンド、という嫌味。 実際、ハッピーエンドにはなるのですけどねぇ…(笑)。  「俺たちは天使だ!」 に登場するテレビディレクター(秋野太作)のポリシー、「3分に1回、エロ・グロ・ヌード!」を思い出してしまった。

 本作で有名なのは、まず冒頭の8分間の長回し。 登場人物の会話は長回しで有名な 「黒い罠」 に言及。 シーンの頭には「カチンコ」まで写って作中映画と思わせて、実は本編の始まりであるとか、初っ端からメタ全開。
 次は、アルトマンの人徳をここぞとまでに見せつける、凶悪なまでの量のゲスト出演、カメオ出演陣。 作中映画のゲスト出演者はエンドロールに表示されますが、カメオの人たちはもちろんなし。 ジェフ・ゴールドブラムやシェール、アンディ・マクダウェル、バート・レイノルズ、ジョン・キューザック、ハリー・ベラフォンテ、ロッド・スタイガー、マルコム・マクダウェルらは名前が出たりセリフがあったりしますが、他は画面の端っこでジャック・レモンがピアノを弾いてたりする。 エリオット・グールドとかロバート・ワグナーとかどこにいたのかわからなかったよ。 シドニー・ポラックはゲストでもカメオでもなく本編で車椅子の弁護士役として登場。

 そして窓越しのショットがやたら多いこと。 窓を通して見る映画会社内部が "虚構"、窓越しの外は "現実" という寓意があるのでしょう。 窓の外の車をズームしたり、警察署の窓からグリフィンを眺める刑事たちを映したり、いろんな伏線もまき散らします。
 …で、重要なのは、その伏線はまったく回収されない! そのまま、映画は唐突にハッピーエンド。 作中の脚本家の言葉を借りるなら「リアリティ」などまったくない酷い映画なんですが、殺人の始末と解決は映画の本筋でないことは早い段階でわかっていて、この人を食ったような結末もアルトマンの盛大な皮肉。

 カンヌで賞を取った映画ですが、そら業界人やインサイダーにはウケる映画でしょうね。 もし若い観客がサスペンス映画のつもりで見たら噴飯物だと思います。 今となっては、当時を知っている中高年以上の映画ファンという客を選ぶ映画。 ご覧になる方はそのつもりで。 私は面白かったです。 だってねえ、アルトマンだし、真っ当なサスペンス撮るわけないよね。 

[音楽とサントラ]  えげつないドロップカーブやスライダーを投げる変化球投手アルトマン映画の音楽は、ツーシームもナックルもOKなこれまたハリウッドきっての変化球投手トーマス・ニューマン。
 (アルフレッド・)ニューマン一家の御曹司が本作に付けた音楽は、耳当たりの良いメロディがほとんど聴かれない前衛音楽。 不可思議な響きのリズムやパーカッションのバックを従えたフロントにはトボけた電子音。 モリコーネのメタ音楽とはまた違った雰囲気で、全体にリズミカルなのと、たまにサックスなど生楽器がアクセントを添えるのでなぜか聴かされてしまう。 とは言え、音楽だけを目的に購入するのはかなり難のあるアルバムです。

 笑っちゃうのが、グリフィンとケヘインが立ち寄る日本食レストランのカラオケで歌われている、怪しげな日本語の歌まで収録(作曲はニューマンに非ず)。  「マッシュ」 でも聴かれましたけどアルトマン、怪しい日本語の歌好きよな。 歌っているのはウシクボ・アキオという人でプロフは不明。 職業歌手ではなさげで、1965年埼玉県生まれということまでわかりましたが、逆にそこまでわかるのって凄いインターネッツです。
 他にジェリー・マリガンが書いてミルトン・ナシメントとジョイスが歌った "Tema Para Jobim" も収録。 また作中でジャック・レモンが引いているピアノ "Silent Night" も30秒ほどですが収められています。 そんな、かなり通好みのサントラ盤は19曲36分収録。 (2026/07/11:管理人から一言)

【個人的収録曲ヒット率】 44%(ボーカルおよび既成曲3曲を除く16曲中7曲)


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チャイルド・プレイ CHILD'S PLAY (1988)

音楽:ジョー・レンゼッティ
監督・共同脚本:トム・ホランド/原案・共同脚本:ドン・マンシーニ
出演: キャサリン・ヒックス、クリス・サランドン、アレックス・ヴィンセント、ブラッド・ドゥーリフ、ダイナ・マノフ、ジャック・コーヴィン、トミー・スワードロー、ニール・ジュントーリ
CD/2009/LA-LA-LAND/LLLCD 1108/MILAN/\----/900円ぐらい?[中古?]

  低予算映画ながら大ヒットし、続編5、6本にくわえて今またリメイクもされるロングテール・コンテンツ。 殺人人形の代名詞、お馴染み "チャッキー" というホラー映画史上に残るキャラクターを生み出したシリーズ第1作です。

 と、言いつつ、ホラー映画はあまり好まない管理人はまったくの未見なのです。 サントラ盤を取り上げるので、ついに見ようかと思って配信を探したのですが、アマプラだと「MGM+」に追加加入しなきゃいけないので諦めました。 わざわざツタヤで郵便レンタルしたり、DVD買ったり他のサブスクに入るほどではないですし。

[音楽とサントラ]  そんな、熱意のまったくない映画なのになぜかサントラは持っていて自分でビックリした。 購入メモにも記録が残っておらず、自分のCDラックを掘っていたら発見してしまいました。
 レーベルはマニア御用達 LA-LA LAND。 リリースは2009年ですから、おそらく公開20周年記念であろう1200枚限定盤。 新譜価格でも、海外ネットショップでも絶対に買いませんが、国内発売仕様があったのでブックオフにでも転がっていたのではないでしょうか。 価格はええとこで900円ぐらいか。 それ以上は出しませんし。

 音楽はジョー・レンゼッティ。 担当作は、ダン・オバノン脚本の「ゾンゲリア」や、「ポルターガイスト」、「バスケットケース」シリーズなどB級ホラーのオンパレード。 しかも「ポルターガイスト」は続編3だし、「バスケットケース」も2や3。 メジャーな作品では、かろうじて伝記映画「ザ・シンガー」(1979、エルビス・プレスリー)や「バディ・ホリー・ストーリー」(1978)があります。
 もっとも。ポップス畑の作曲や編曲では実績のある人だそうで、「バディ・ホリー・ストーリー」ではアカデミー音楽賞(歌曲・編曲)を受賞したりしています。 ドB級映画「エクスタミネーター」(1980)の主題歌とか良かったよね。

 とは言えこの手の映画ですから、アンダースコアはメロディレスの、ほぼ効果音みたいな楽曲一本勝負。 本編見ずに買って、一聴してCDラックに放り込んで記憶から抹消した過去の自分の気持ちが良くわかる。 それでも、15年もたつとこの手のメタ音楽も聴けるようになっていて、なんとなく楽しんでしまいました。 エンドタイトルは唐突なまでに美しいしね。

 公開時リリースのサントラ盤は MILAN で、キューの組み合わせやトラックタイトルは違いますが、本盤では3曲のボーナストラックを追加。 明るい "News Cast" は作中のテレビニュース番組のテーマか。 それとエンドタイトルのコーラスなしバージョンと、本編では使われなかった "The Chucky Song" というバカみたいに明るいボーカル曲が収録されています。
 軽快にホップステップしながら ♪友達ってなかなか見つからないけど/俺は最後まで君のそばにいるよ/すると彼は首をぐるりと回した♪ だとか ♪C-H-U-C-K-Y/外で遊ぼう/チャッキー、チャッキーどっか行け!/遊ぶとき君は乱暴すぎる!/あっちの隅でいないいないばあ/ほら、見つけたよ!♪ とか、怖い歌詞があっかる〜く歌われてます。 どこで使う気だったんやこれ。 そんな14曲65分収録の盤でした。  (2026/07/11:管理人から一言)

【個人的収録曲ヒット率】 27%(ボーナストラック3曲除く11曲中3曲)


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大乱戦 LA FOLIE DES GRANDEURS (1971)

音楽:ミッシェル・ポルナレフ
監督・共同脚本:ジェラール・ウーリー
出演:ルイ・ド・フュネス、イヴ・モンタン、アルベルト・デ・メンドーサ、ガブリエル・ティンティ、カリン・シューベルト
CD/2000/UNIVERSAL MUSIC JAZZ FRANCE/159 945-2/Disc'AZ STEC/\----/\1,000[輸入盤中古]

  中世のスペイン。 民に重税を課し私腹を肥やしていた大蔵大臣・サリュスト侯爵(フュネス)は王座まで狙っていたが、悪事がバレてクビになる。 不仲の甥セザール公(ティンティ)をアフリカに追いやり、下男ブラーズ(モンタン)を彼と偽って王様の側近に送り込んで復権を狙うが。
 制作当時のフランス映画界のコメディの巨匠、ジェラール・ウーリーの作品。  「大進撃」、「大追跡」 など、ウーリー監督にルイ・ド・フュネス、ブールヴィルのトリオによる作品群はドル箱と言って良いポジションだったとか(本作のモンタンの役柄も当初はブールヴィルで企画されたのだそうです)。

 という訳でフランス映画界に確固たる足跡を残したウーリー監督の大ヒット作ですが、いま見ると流石にキツいな。 作り込まれてないノンキなシナリオに、滑りギャグの羅列。 ちょいちょいクスっとはさせてくれるのですが、全体にテンポが悪くてくどく、そもそもギャグがそんなに面白いわけでもない。 暑苦しいマシンガントークのいつものフュネス、すっとぼけた雰囲気のモンタンはいいのですけれど。

 やっぱりコメディにも時代ってあるんだなあ。 こういうスラプスティック調のものはもっとテンポよく、どこかに振り切れてないと、現代の鑑賞には苦しい。 原題の「大いなる狂気」を感じさせてくれれば良かったのに。 セルビデオ化はされているもののDVD化されていないのもわかります。  

[音楽とサントラ]  オープニングのタイトルバックで砂塵を上げて爆走する馬車に、マカロニ・ウエスタン調のこれまた疾走するメインテーマと、映画の導入では大いに期待させてくれたんですがねえ。 音楽担当は、フランスの国民的大歌手ミッシェル・ポルナレフ。 サントラ曲は既に6曲を オムニバス盤の「フレンチ・ポップ・フィルモロジー」 でご紹介していますが、17曲収録の単独盤を入手したのでご紹介します。

 ウエスタン調のテーマだけではなく、モンタンが踊るフラメンコ、ルーズなジャズ、可憐な愛のテーマ、本物のセザール公が奴隷にされるアフリカの音楽(中東っぽいけど)、スペイン王登場のファンファーレなど、いやもう楽しい。
 そしてどの曲も、「ポルナレフの音楽」なのは興味深いところ。 マカロニ・ウエスタン調のメインテーマだって、ウエスタンの方に寄せていくのではなく、マカロニを取り込んで消化して自分の音楽として吐き出している。 王様のファンファーレだってコーラスをあしらったシンフォニック・スコアに聴こえて、建付けは完全にポップス。 音が左から右へ動いたりよくわからん小技も効かせます。

 映画は残念ながらいま見るといまいちなんですが、音楽は素晴らしい。 メインテーマの変奏などボーナストラック3曲を含めて17曲37分収録です。 つうか映画見てなくてもきっと楽しいですよこれ。 (2026/07/04:管理人から一言)

【個人的収録曲ヒット率】 100%


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大魔神/大魔神怒る/大魔神逆襲 MAJIN. MONSTER OF TERROR (1966) / THE RETURN OF GIANT MAJIN (1966) / MAJIN STRIKES AGAIN (1966)

音楽:伊福部昭
「大魔神」… 監督:安田公義/ 出演:高田美和、青山良彦、藤巻潤、五味龍太郎、島田竜三、遠藤辰雄、伊達三郎、月宮於登女、橋本力(兼・大魔神の中の人)
「大魔神怒る」… 監督:三隅研次/ 出演:本郷功次郎、藤村志保、丸井太郎、内田朝雄、北城寿太郎、藤山浩二、上野山功一、神田隆、平泉征、橋本力(兼・大魔神の中の人)
「大魔神逆襲」… 監督:森一生/アクション:橋本力(大魔神の中の人)/ 出演:二宮秀樹、堀井晋次、飯塚真英、長友宗之(以上子役)、山下洵一郎、仲村隆、安部徹、名和宏、北林谷栄、早川雄三
CD/1995/日本コロムビア/COCC-13080/日本コロムビア/\2,500/\997[中古]

  大映が残した怪獣映画の名キャラクター、大魔神。 3作目の興行が振るわなかったためシリーズは打ち切りとなりましたが、1966年の1年間に三作公開しただけなのに歴史に残ったのは凄いものです。 本盤は、その三作品の音楽のベスト盤です。

 大魔神というキャラクターの魅力は今さら書いても仕方ないので割愛。 今回久しぶりに見返してみて、三作品とも時代劇としてしっかり出来ていることに感心しました。 物語の構造はどれも同じで、(1)専制的な独裁者が民草や侵略された武家を苛む、(2)しかも荒神様(大魔神)の武神像を破壊(しようと)する、(3)女・子供が祈る、(4)目覚めた荒神様が大魔神と化して独裁者をぶちくらわす、という、前半は大映得意の時代劇というか、ぶっちゃけ「水戸黄門」や 「必殺シリーズ」 の世界観ですよね。  念仏の鉄 の代わりに大魔神がいるだけ。
 ただ、この時代劇のシークエンスは、演出、セリフ回しともに子供向けの雰囲気は微塵もない完全な大人向けドラマ。 民草が悲惨に虐げられ殺され、いやもう、こんなもん子供に見せちゃいかん内容です。
 映像面でも、作り込まれた時代劇セットを使ったスタジオ撮影と、大自然下のロケ撮影の違和感ない「つなぎ」も素晴らしい。 これは特撮も同様で、小さな瓦やリアルに折れた柱など病的なまでに細かいミニチュアワークにくわえ、スクリーンプロセス合成が丸わかりなのは仕方ないと言えど、そのミニチュア特撮と人物の動きの、スケール感と芝居をシンクロさせた合成も大したもんです。

 前半部分のコンセプトは同じとは言え、三作品で目先の設定は変えています。 「大魔神」はクーデターを起こした家老が苛む庶民を助けようとする主君の忘れ形見の若殿、「大魔神怒る」は他藩に侵攻され逃げ延びた若殿の抵抗、と、ここまでは若殿がキーワード。 「大魔神逆襲」は父・兄など木こりが奴隷労働に徴発された「地獄谷」に、危難を知らせに走る4人の子供たちのトラベラー・ストーリーというのが新機軸。 三作とも、暴虐な支配者を演じた五味龍太郎、神田隆、早川雄三という名うての悪役俳優たちの存在感もばっちり。 何せこの3人は、最後の最後まで大魔神に追い回されて悲惨な死にざまを晒す役割。 鏨でブチ刺される、火炙りにされる、まあ悲惨(笑)。

 とはいえ、数十年ぶりに再見したけど、前半の「民草いじめの時間」がシンドくてもう3回目はいいかな。 1作目の、怒りのあまり救うべき民草まで手にかける魔神(映画的にはそこが良いところではあるのですが)、3作目の子供たちの悲惨さはなかなかキツい。 唯一「怒る」は、支配者への抵抗のためゲリラ戦で動き続ける若殿たち(本郷功次郎)がけっこうノンストップなアクション編で、いちばん娯楽寄りではないかと。 討たれる藩主・内田朝雄と悪役・神田隆の演技合戦も見ごたえがありましたし。 内田朝雄って善玉やってもなんか怪しげですよね(笑)。

[音楽とサントラ]  音楽はもちろん3作とも伊福部昭。 上掲のCDは、日本コロムビアが1995年にリリースした3作品のベスト盤。 他に、同じ日コロのANIMEXシリーズで1枚物ベスト盤、徳間レコードで3枚組があり、さらに後にシネマ館から出た3枚組完全盤(右写真)が出ているので今となっては大した価値もありませんが、私は大魔神も伊福部もそれほど熱心なファンではないのでこれで十分かな、と。

 とは言いつつ、50〜70年代の特撮映画や主要な時代劇をピックアップすると、どうしても伊福部昭は外せないわけで、ホントどれだけ仕事してるんだろうこの人。 とんでもねえ仕事量で、 "伊福部音楽はなんでもゴジラに聴こえてしまう" と音楽センスゼロの暴論を平気で書いてしまう当サイトでも何枚も取り上げています。 とは言え、やっぱりゴジラはゴジラ、大魔神は大魔神の音楽。
 ファゴットかバスクラか低音の木管の重量感と、エレクトーン的電子音の狂気や不気味さが本作音楽の特徴(特に1作目)。 「大魔神」のモチーフもしっかり設定しているので統一感はあります。 エンディングや女性の描写など情感溢れる曲はいつもの伊福部節。

 ちょっと気づいたのは、前半は完全に時代劇と先に書いたのですが、時代劇で伊福部さんがひところ多用していた 雅楽+電子音+オーケストラ という特徴的な表現は、お神楽シーンの現実音楽以外ではいっさい使わず、オーケストラ一本勝負。 時代劇ではなく「異形の映画」という捉え方なのでしょう。
 個人的に3枚組フル・スコア盤はいりませんが、久しぶりに聴き返してやっぱり持ってて良かったと思えた楽曲群でした。 たまんないねこの迫力は。 「大魔神」12曲29分、「大魔神怒る」8曲20分、「大魔神逆襲」11曲24分、計31曲72分収録です。 (2026/07/04:管理人から一言)

【個人的収録曲ヒット率】 (対象外)


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大将軍 THE WAR LORD (1965)

音楽:ジェローム・モロス、ハンス・J・サルター
監督:フランクリン・J・シャフナー/原作:レスリー・スティーヴンス"THE LOVERS"(舞台)
出演:チャールトン・ヘストン、リチャード・ブーン、ローズマリー・フォーサイス、ガイ・ストックウェル 、モーリス・エヴァンス、ジェームズ・ファレンティノ
CD/1995/MCAビクター/MVCM-22047/DECCA/\2,200/\525[中古]

  11世紀、現フランスのノルマンディー地方。 北方のフリースラント人(現オランダ、ドイツ)の侵入を阻む役割だったノルマン人(いわゆるヴァイキング)将軍のクリセゴン(ヘストン)は、地元の庶民の女(フォーサイス)に惚れてしまい、彼女の婚約者(ファレンティノ)との間に割って入る。 一方で兄クリセゴンの座を奪おうとしている弟がいた(ストックウェル)。

 中世ヴァイキングの世界を舞台にしたコスチューム・プレイ(史劇)映画。 主演は "サンダルの王様" でお馴染みヘストンさん。 ブロードウェイの舞台劇が原作だそうで、そのタイトルも "THE LOVERS"(恋人たち)ですから、メロドラマなんでしょうなあ。 そうなるとちょいと興味がそがれるので今のところ管理人は未見です。 配信で200円ぐらいなら見るかも知れませんが、この年代の映画はけっこう配信では少ないよね。 

[音楽とサントラ]  音楽は 「大いなる西部」 のジェローム・モロス。 実際の話の展開はかなり違うそうですが、原作舞台劇のテーマを反映して、史劇らしいダイナミックさもありながらどちらかと言えば気品ある優し気な雰囲気が横溢。 モロスご本人によれば、古風な音楽が必要だと考えたし、くわえて「より人間的で憂うつな雰囲気」があるのは、原作舞台劇を知っていたから、だそうです。 地元原住民の描写には、民族音楽研究家でもあるモロスらしいエキゾチックな表現も。

 曲としては一大ページェントである戦闘シーンと「ドラコの死」は、モロスではなくアディショナル・スコアを担当したハンス・J・サルターの手になるもの。 ポスト・プロダクションの編集段階でスタジオ側と監督・製作者側が揉め、モロスの契約期間10週間のうち5週間を浪費。 時間が足りなくなり、サルターを起用したのだとか。
 この際、サントラ盤を全てモロスの名前でリリースしようとしたデッカ・レコードに対して、モロスはサルターも表示すべきだと戦い、結果的にサルターの名前も残ることになりました。 サルターはドイツ出身、ベルリンでオペラ監督等をしたのちに渡米、主にユニバーサル映画でホラーやSF、西部劇に音楽を書いた人。 「大アマゾンの半魚人」(1954)や(ヘンリー・マンシーニ、バーナード・ハーマンとノンクレジットで共作)、「縮みゆく人間」(1957)、「怒りの河」(1951)、「抜き射ち二挺拳銃」(1952)等が代表作にあります。

 管理人がサントラを熱心に買い始めた頃、もう四半世紀以上も前に買ったCD。 音楽は好きなのでいつか映画も見るだろうと思っていましたが、サイトにも上げちゃったしもう見ることはなかろうな。 11曲31分収録。 (2026/07/04:管理人から一言)

【個人的収録曲ヒット率】 100%


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大侵略[EPシングル盤] PLAY DIRTY (1968)

音楽:ミシェル・ルグラン
監督:アンドレ・ド・トス/原作:ジョージ・マートン"PLAY DIRTY"
出演:マイケル・ケイン、ナイジェル・グリーン、ナイジェル・ダヴェンポート、ハリー・アンドリュース、パトリック・ジョーダン
EP/1969/キングレコード/HIT-1592/UNITED ARTISTS/\400/\700[中古]

  え?ミシェル・ルグランが戦争映画の音楽?ということで見境なくネット・オークションで落札したヴァイナルのシングル盤です。 映画は未見。

 調べてみれば、邦題からは思いもつかない英軍コマンド部隊物。 ほんとこのころ公開された戦争映画の邦題って雑。 北アフリカ戦線で、後方攪乱や戦況打開のためにドイツ軍燃料基地を爆破する作戦で、設定としては 「トブルク戦線」 「ラット・パトロール」 と同じ。 ただ、この潜入するコマンドが、囚人や犯罪者などを集めたならず者部隊で、原題も「汚れ仕事」(昨年公開された、 マーク・ウォールバーグの「プレイ・ダーティー」 とは無関係)。
 "DIRTY DOZEN" の原題、同じ設定の 「特攻大作戦」 を思い出しますが、人間味やヒロイックな点がまだあったそちらに比べ、こちらはそんなものはまったくなさげ。 戦死者から遺品をもぎ取る、現地の女はレイプしようとする、そんなほんまもんの「ならず者」たちの話で、それを普通の軍人マイケル・ケインが率いるものの、最後は当然苦い結末になるようです。 「特攻大作戦」のテリー・サバラスしかいない部隊みたいなものでしょうか。
 スカっとしない映画なようで、見たいような見たくないような。 いずれにしても配信もレンタルもないので最低で2,3千円は出してDVDを買わなきゃいけないわけで、うーんと唸ったまま現在に至ります。 オクかブックオフで掘り出し物でもあったら買って見てみようと思いますが。

 製作は 007シリーズ のハリー・サルツマン。 この人はシリアス志向の人だったようで、007なんてドッカンアクションを作りながら、その裏的存在である ハリー・パーマー・シリーズ を作ってますし、なんなら本作のアンドレ・ド・トスを共同製作にすえて、007を茶化しまくった 「10億ドルの頭脳」 なんてのも作ってます。 もちろん主演はマイケル・ケイン。 なんか変なトリオですな。

[音楽とサントラ]  冒頭に書いた通り、ルグランの戦争映画は珍しい。 「愛と哀しみのボレロ」みたいに大河ドラマで戦争が描写されるのはありますが、純粋な戦争映画はバート・ランカスターの「大反撃」ぐらいではないかな。 …前半は 「まぼろしの市街戦」 みたいな雰囲気で「純粋な戦争映画」と言っていいのか疑問な映画ですが。

 メインテーマは、口笛をフィーチャーした明るいマーチ。 シフリンの 「戦略大作戦」 を明るくしたうえに、さらにサビでは ♪らんらんらんらんらーららら♪ とチルドレン・コーラスが炸裂。 いや絶対本編で使われてねーだろこの曲。 実際にはオープニングもエンディングも名曲『リリー・マルレーン』が使われたそうで、こんな曲はどこよ? ならず者の暴力シーンや基地襲撃シーンに使われてたらとんでもねえシュールさですが、たぶん使われてないだろうなあ。 それを確認するためにも、DVD探そっと。
 B面は、この曲をアレンジしたジャズ・テーマ。 三拍子というところがまた変化球炸裂。 いや、本編の方が変化球ですけどね。 軽妙な音楽は気に入ってますが。 単独サントラ盤はなく、当然単独CDはありません。 ルグランの4枚組CDボックスには収録されています。 (2026/07/04:管理人から一言)

【個人的収録曲ヒット率】 (シングルなので対象外)


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