| ひねもすサウンドトラック | （１） |
| ２０２５年９月掲載 |
Soundtracks, A Go Go!
（このページの掲載作品： 逃亡者（1993ハリソン・フォード版） ／ 追跡者（1998） ／ 裸の銃（ガン）を持つ逃亡者 ／ レスリー・ニールセンの裸の宇宙銃（スペースガン）を持つ男 ／ レスリー・ニールセンのドラキュラ ／ スターウルフ ミュージック・コレクション ／ スターマン 愛・宇宙はるかに ／ Ｕボート：ザ・ウルフパック ／ クラッシャージョウ 音楽編＋５ ／ 交響組曲 クラッシャージョウ ／ レモ/第１の挑戦 ／ 第四の核 ／ 第七の予言 ／ 衝撃の告発！ＱＢセブン ／ 懐かしの特撮ヒーロー大全(1) 1958-1967 ／ 懐かしの特撮ヒーロー大全(2) 1967-1968 ／ 懐かしの特撮ヒーロー大全(4) 1972-1973 ／ 円谷作品特撮グラフィティ ）
（ディスクデータは、メディア種別／発売年／レコード会社／レコードナンバー／原盤会社／定価／中古購入価格の順に記載）
逃亡者（1993 ハリソン・フォード版） THE FUGITIVE (1993)
音楽：ジェームズ・ニュートン・ハワード／フィーチャリング：ウェイン・ショーター
監督：アンドリュー・デイビス／キャラクター原案・製作総指揮：ロイ・ハギンズ
出演：ハリソン・フォード、トミー・リー・ジョーンズ、ジュリアン・ムーア、ジェローン・クラッベ、ジョー・パントリアーノ、アンドレアス・カツーラス、セーラ・ウォード、トム・ウッド、ダニエル・ローバック、Ｌ・スコット・コードウェル
CD／1993／ELEKTRA／61592-2／ELEKTRA／\----／\1,200［輸入盤中古］
日米ともにお化け視聴率だった、４シーズン全１２０話のシリアルドラマ、1963年の「逃亡者」の３０年後のリメイク映画化。
シカゴの名医、リチャード・キンブル（フォード）が妻殺しの冤罪で死刑宣告される。 しかし護送バスの事故で脱走したキンブルは、連邦保安官ジェラード（ジョーンズ）の執拗な追跡を交わしつつ、事件現場から立ち去った義手の男を探すのだった。
リチャード・キンブル、職業・医師。
正しかるべき正義も時として盲いる（めしいる）ことがある。
彼は身に覚えのない妻殺しの罪で死刑を宣告され
護送の途中、列車事故にあって辛くも脱走した。
孤独と絶望の逃亡生活が始まり
髪の色を変え、重労働に耐えながら
犯行現場から走り去った片腕の男を探し求める。
彼は逃げる。執拗なジェラード警部の追跡をかわしながら
現在を、今夜を、そして明日（あす）を生きるために。
（テレビ版オープニング・ナレーション／声：矢島正明）
オリジナルのテレビシリーズは、私も年齢が年齢だけに再放送ですから大して見てません。 ただ、最終話は何かで調達して見たかな。
基本的にシリアルドラマですから、各エピソードで逃亡中に出会う人々との交流がメイン。 いわゆる「逃亡ロードムービー」のテレビ版。 そのスパイスとしてジェラード警部の追及が挟まる形です。
今回は映画ですから、設定はいただいた上で、２時間強で逮捕→逃亡→身の潔白を描きます。 劇場公開で見て以来３０年ぶりの再見ですが、いやこんなに面白かったっけ？ 逃亡が始まってからはほとんど休憩なしで、キンブル（フォード）の逃走と真犯人探し、ジェラード保安官（ジョーンズ）の追跡が突っ走ります。 まさに９０年代のノンストップムービー。
今やＣＭの宇宙人で有名なトミー・リー・ジョーンズの保安官がシブい。 原典ドラマでは護送中にキンブルに逃げられた刑事（ 「スペース１９９９」 のバリー・モース）でしたが、本作では連邦保安官。 連邦保安局は要人警護、犯人護送や逃亡犯逮捕を専門とするアメリカの司法機関で、「チェイス／逃亡犯を追え」なんてドラマにもなってます。 低視聴率で打ち切られたそうですが、俺は割と面白かったけどな。
自分のやることがわかっているテキパキとした指示と、それを忠実にこなす保安官部隊のチームワーク、そして偏執狂的な逃亡犯追跡の執念は原典の警部と同じで、かつハードボイルド。 そらアカデミー助演男優賞もとるわな。 勢いあまって 下に載せたスピンオフ映画も作られてます。
ハリソン・フォードはこちらの役を熱望してたそうですが、わかります。 でも、「とまどった顔俳優選手権米国代表」としては、やはり追われる役が似合う。 一見ジョーンズに食われてるようにも見えますが、どうしてどうしていけてます。
今の若い人が、現代のアクション映画の水準で見ても十分いけると思いますわ。 いやあ再見して良かった。 こんな面白いと思わなかった。 きっかけになった 「裸の銃（ガン）を持つ逃亡者」 に感謝だな。
シカゴの名医、リチャード・キンブル（フォード）が妻殺しの冤罪で死刑宣告される。 しかし護送バスの事故で脱走したキンブルは、連邦保安官ジェラード（ジョーンズ）の執拗な追跡を交わしつつ、事件現場から立ち去った義手の男を探すのだった。
リチャード・キンブル、職業・医師。正しかるべき正義も時として盲いる（めしいる）ことがある。
彼は身に覚えのない妻殺しの罪で死刑を宣告され
護送の途中、列車事故にあって辛くも脱走した。
孤独と絶望の逃亡生活が始まり
髪の色を変え、重労働に耐えながら
犯行現場から走り去った片腕の男を探し求める。
彼は逃げる。執拗なジェラード警部の追跡をかわしながら
現在を、今夜を、そして明日（あす）を生きるために。
（テレビ版オープニング・ナレーション／声：矢島正明）
オリジナルのテレビシリーズは、私も年齢が年齢だけに再放送ですから大して見てません。 ただ、最終話は何かで調達して見たかな。
基本的にシリアルドラマですから、各エピソードで逃亡中に出会う人々との交流がメイン。 いわゆる「逃亡ロードムービー」のテレビ版。 そのスパイスとしてジェラード警部の追及が挟まる形です。
今回は映画ですから、設定はいただいた上で、２時間強で逮捕→逃亡→身の潔白を描きます。 劇場公開で見て以来３０年ぶりの再見ですが、いやこんなに面白かったっけ？ 逃亡が始まってからはほとんど休憩なしで、キンブル（フォード）の逃走と真犯人探し、ジェラード保安官（ジョーンズ）の追跡が突っ走ります。 まさに９０年代のノンストップムービー。
今やＣＭの宇宙人で有名なトミー・リー・ジョーンズの保安官がシブい。 原典ドラマでは護送中にキンブルに逃げられた刑事（ 「スペース１９９９」 のバリー・モース）でしたが、本作では連邦保安官。 連邦保安局は要人警護、犯人護送や逃亡犯逮捕を専門とするアメリカの司法機関で、「チェイス／逃亡犯を追え」なんてドラマにもなってます。 低視聴率で打ち切られたそうですが、俺は割と面白かったけどな。
自分のやることがわかっているテキパキとした指示と、それを忠実にこなす保安官部隊のチームワーク、そして偏執狂的な逃亡犯追跡の執念は原典の警部と同じで、かつハードボイルド。 そらアカデミー助演男優賞もとるわな。 勢いあまって 下に載せたスピンオフ映画も作られてます。
ハリソン・フォードはこちらの役を熱望してたそうですが、わかります。 でも、「とまどった顔俳優選手権米国代表」としては、やはり追われる役が似合う。 一見ジョーンズに食われてるようにも見えますが、どうしてどうしていけてます。
今の若い人が、現代のアクション映画の水準で見ても十分いけると思いますわ。 いやあ再見して良かった。 こんな面白いと思わなかった。 きっかけになった 「裸の銃（ガン）を持つ逃亡者」 に感謝だな。
［音楽とサントラ］
音楽はジェームズ・ニュートン・ハワード。 私には、キャッチーなメロディはあまり聴かれず、ストリングスがフィーンフィーンたまにホーンが、というイメージが強い人。 今回もキャッチーなメロディはないにしろ、ホーン・アンサンブルが大活躍で、ソリッドな雰囲気はジェリー・ゴールドスミスみたい。 切り裂くようにツッコみつつ広がりのある打楽器、割れた音色の鍵盤楽器もさらにその印象に拍車をかけます。
原典ドラマのピート・ルゴロのメインテーマがまったくないのが残念ですが、あれはイントロがファンファーレだからなあ、流石に本作には似合わない。
元々仲良しなのか、あるいは 「摩天楼を夢みて」 で知り合ったのか、本作にも巨匠ウェイン・ショーターが参加。 数少ない「抜き」のシーンで、印象的なサックスを聴かせてくれます。 アルバムでは "The Fugitive Theme" で、リズム隊なしでピアノと共演。 おおそれなりにキャッチーなメロディだ。 アンダースコアこれもっと生かして良かったのに（使われてはいますけどね）。 とは言いつつ、ン十年ぶりに聞いてこれまた良かった１１曲４２分でした。 ここに掲示したのは公開当時のアルバム。 後に LA-LA-LAND が拡張盤を出しています。 (2025/09/27：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 55%（11曲中6曲）
原典ドラマのピート・ルゴロのメインテーマがまったくないのが残念ですが、あれはイントロがファンファーレだからなあ、流石に本作には似合わない。
元々仲良しなのか、あるいは 「摩天楼を夢みて」 で知り合ったのか、本作にも巨匠ウェイン・ショーターが参加。 数少ない「抜き」のシーンで、印象的なサックスを聴かせてくれます。 アルバムでは "The Fugitive Theme" で、リズム隊なしでピアノと共演。 おおそれなりにキャッチーなメロディだ。 アンダースコアこれもっと生かして良かったのに（使われてはいますけどね）。 とは言いつつ、ン十年ぶりに聞いてこれまた良かった１１曲４２分でした。 ここに掲示したのは公開当時のアルバム。 後に LA-LA-LAND が拡張盤を出しています。 (2025/09/27：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 55%（11曲中6曲）
［当サイトの関連音盤］
逃亡者（1993 ハリソン・フォード版）［通常盤］（本盤）
追跡者（1998）［通常盤］
裸の銃（ガン）を持つ逃亡者
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追跡者 U.S.MARSHALS (1998)
音楽：ジェリー・ゴールドスミス
監督：スチュアート・ベアード／キャラクター原案・製作総指揮：ロイ・ハギンズ
出演：トミー・リー・ジョーンズ、ウェズリー・スナイプス、ロバート・ダウニー・Jr.、ジョー・パントリアーノ、ダニエル・ローバック、トム・ウッド、イレーヌ・ジャコブ、ケイト・ネリガン、ラターニャ・リチャードソン
CD／1998／カルチュア・パブリッシャーズ（ボルケーノ）／CPC8-1021／VARESE SARABANDE／\2,520
［VARESE SARABANDE 拡張盤］
"End Title" １曲のみ購入
DL(MP3)／2021／VARESE SARABANDE／----／VARESE SARABANDE／\250［拡張盤より1曲ダウンロード］
しがないレッカー業者マーク（スナイプス）が、身に覚えのない殺人事件の容疑者としてＮＹに護送される。 しかし護送飛行機の事故で脱走したマークは、連邦保安官ジェラード（ジョーンズ）の執拗な追跡を交わしつつ、事件の真相を追うのだった。
これも劇場で見て以来、久しぶりの再見。 上の「逃亡者」 でアカデミー賞を獲ったジェラード保安官の再登場です。 基本的な物語構造はスピンオフ元と同じですが、今回追われるマークは、元政府の極秘エージェント。 しかもエージェント時代の因縁が冤罪の原因だけに、右往左往してたドクター・キンブルと違ってたくましく電子機器を操り、しかもスナイプスですからハードアクションを連発。 目先は変わったし、遊びのほとんどない疾走するプロットで、こちらも十分面白かったです。
いやもちろん、ツッコミどころも多いんですけどね。 真相がすぐわかっちゃう国連ビル地下の防犯カメラ映像とか最初から見ろや。 マークを陰謀にハメる連中が「極秘にしてたのにィ！」とか言うなら簡単に入手できるなや。 病室で重病人に接続されてる機器を外したらナースとんで来いや。 野暮ですまん。
ロバート・ダウニー・Jr. はモブのフリしてキーマン。 つうか駄目だよこのクラスの役者ここに置いちゃ。 テキパキと指令を放つトミー・リー・ジョーンズは本作でも絶好調。 のっけからチキンの恰好して「この惑星の連邦保安官は着ぐるみでナゲットも売る」と呟いてます（ごめん嘘。チキンの恰好は本当）。
これも劇場で見て以来、久しぶりの再見。 上の「逃亡者」 でアカデミー賞を獲ったジェラード保安官の再登場です。 基本的な物語構造はスピンオフ元と同じですが、今回追われるマークは、元政府の極秘エージェント。 しかもエージェント時代の因縁が冤罪の原因だけに、右往左往してたドクター・キンブルと違ってたくましく電子機器を操り、しかもスナイプスですからハードアクションを連発。 目先は変わったし、遊びのほとんどない疾走するプロットで、こちらも十分面白かったです。
いやもちろん、ツッコミどころも多いんですけどね。 真相がすぐわかっちゃう国連ビル地下の防犯カメラ映像とか最初から見ろや。 マークを陰謀にハメる連中が「極秘にしてたのにィ！」とか言うなら簡単に入手できるなや。 病室で重病人に接続されてる機器を外したらナースとんで来いや。 野暮ですまん。
ロバート・ダウニー・Jr. はモブのフリしてキーマン。 つうか駄目だよこのクラスの役者ここに置いちゃ。 テキパキと指令を放つトミー・リー・ジョーンズは本作でも絶好調。 のっけからチキンの恰好して「この惑星の連邦保安官は着ぐるみでナゲットも売る」と呟いてます（ごめん嘘。チキンの恰好は本当）。
［音楽とサントラ］
中低域中心のホーン・アンサンブルが正面に居座り、豪快なタイコ部隊が脇を固め、高域の金管が切り込んでくる、９０年代ゴールドスミスの典型的なアクションスコア。
「エアフォース・ワン」
や
「訣別の街」
の路線ですね。
ピート・ルゴロのテレビ版テーマのイントロをうっすらと感じさせるタイトなメロディが全編のテーマで、吠えるホーン・セクションが、このモチーフをあらゆるシーンに繰り返し投入してきます。 まあ基本的に「抜いた」シーンの少ない疾走映画ですので、これで十分。 ン十年ぶりに聴きましたが、やっぱりゴールドスミスはええ、と納得。
惜しむらくは、この公開時のサントラ盤にはエンドタイトルが入ってないことです。 ７分もの長尺だからオトナの事情でもあったのか。 後に VARESE SARABANDE が出した拡張盤には収録。 ダウンロード販売もしてるので、その１曲だけ購入しました。 上掲アルバムは９曲３１分収録。 (2025/09/27：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 67%（9曲中6曲）
ピート・ルゴロのテレビ版テーマのイントロをうっすらと感じさせるタイトなメロディが全編のテーマで、吠えるホーン・セクションが、このモチーフをあらゆるシーンに繰り返し投入してきます。 まあ基本的に「抜いた」シーンの少ない疾走映画ですので、これで十分。 ン十年ぶりに聴きましたが、やっぱりゴールドスミスはええ、と納得。
惜しむらくは、この公開時のサントラ盤にはエンドタイトルが入ってないことです。 ７分もの長尺だからオトナの事情でもあったのか。 後に VARESE SARABANDE が出した拡張盤には収録。 ダウンロード販売もしてるので、その１曲だけ購入しました。 上掲アルバムは９曲３１分収録。 (2025/09/27：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 67%（9曲中6曲）
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逃亡者（1993 ハリソン・フォード版）［通常盤］
追跡者（1998）［通常盤］（本盤）
裸の銃（ガン）を持つ逃亡者
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裸の銃（ガン）を持つ逃亡者 WRONGFULLY ACCUSED (1998)
音楽：ビル・コンティ
監督・脚本・共同製作：パット・プロフト
出演：レスリー・ニールセン、リチャード・クレンナ、ケリー・ルブロック、メリンダ・マックグロウ、マイケル・ヨーク
CD／2011／INTRADA／Special Collection Volume 162／INTRADA／\----／\2,550［輸入盤中古］
「王様」（Lord）のニックネームを持つ名ヴァイオリニスト、ハリソン（ニールセン）が、不倫した女の旦那殺しの冤罪で死刑宣告される。 しかし護送バスの事故で脱走したハリソンは、捜査官ファーガス（クレンナ）の執拗な追跡を交わしつつ、事件現場から立ち去った男を探すのだった。
レスリー・ニールセンのパロディ映画なら仕方ない雑な邦題からわかる通り、 上の「逃亡者」 のパロディ映画。 「フライングハイ」 などＺＡＺ（ザッカー兄弟、エイブラムス）と協業してたパット・プロフトの初監督作（今のところ唯一か？）。 「逃亡者」のスピンオフ・ムービー 「追跡者（1998）」 と同年の公開です（右写真は買ってしまったＤＶＤ）。
毎度おなじみ映画パロディの豪華詰め合わせ弁当。 大枠は「逃亡者」のパロディで、犯人も片腕（義手）に加え、片足（義足）、片目（義眼）とパワーアップ(笑)。 主人公の役名にキンブルは使ってないけど、モブの名前にしょっちゅう「キンブル」が出て来て笑わせます。 あと主人公の名前がライアン・ハリソンだし。
原典映画ではトミー・リー・ジョーンズが演じた連邦保安官のパロディ、ファーガス捜査官が面白い。 キビキビテキパキ指示を出すのは原典映画通りですが、やたら数字にこだわる上にその指示に全く意味がないときてる。 「この病院はベッドが150床あって○○人収容可能だが（略）捜査に行けー！」ってなんじゃそりゃ。 演じてるのは、ＺＡＺ−プロフト映画 「ホット・ショット２」 以来、またも呼ばれたリチャード・クレンナです。
他にも、宙づり泥棒の 「ミッション・インポッシブル」 、飛行機に追われる 「北北西に進路を取れ」 みたいな大ネタだけじゃなく、 「スターウォーズ」 のビームサーベルで席案内するとか、犯人急襲の際の決めポーズが 「チャーリーズ・エンジェル」 だとか、追われるライアンの様子を追い回してた電気機関車が物陰から伺う「激突！」等等々、小ネタもいっぱい。
この小ネタは映画と関係ないギャグもいっぱい散らしてます。 トイザらスの看板までギャグにしてるし、（室内にある文字を見て虚偽の証言をする→） 「ユージュアル・サスペクツ」 のパロディなんて元の映画見てなきゃ何のことかさっぱりわからないけど、その後にもしつこくギャグを並べてとにかく笑わせに来てる。
強迫観念的ギャグの羅列は、コメディアン出身監督らしいっちゃらしい。 そんなわけで、今となっては当時のヒット作を知らないとわからなそうでも、それなりに笑えるのではないかと。 もちろん当時の映画を知ってる俺は、相変わらず大笑いさせてもらいました。
レスリー・ニールセンのパロディ映画なら仕方ない雑な邦題からわかる通り、 上の「逃亡者」 のパロディ映画。 「フライングハイ」 などＺＡＺ（ザッカー兄弟、エイブラムス）と協業してたパット・プロフトの初監督作（今のところ唯一か？）。 「逃亡者」のスピンオフ・ムービー 「追跡者（1998）」 と同年の公開です（右写真は買ってしまったＤＶＤ）。
毎度おなじみ映画パロディの豪華詰め合わせ弁当。 大枠は「逃亡者」のパロディで、犯人も片腕（義手）に加え、片足（義足）、片目（義眼）とパワーアップ(笑)。 主人公の役名にキンブルは使ってないけど、モブの名前にしょっちゅう「キンブル」が出て来て笑わせます。 あと主人公の名前がライアン・ハリソンだし。
原典映画ではトミー・リー・ジョーンズが演じた連邦保安官のパロディ、ファーガス捜査官が面白い。 キビキビテキパキ指示を出すのは原典映画通りですが、やたら数字にこだわる上にその指示に全く意味がないときてる。 「この病院はベッドが150床あって○○人収容可能だが（略）捜査に行けー！」ってなんじゃそりゃ。 演じてるのは、ＺＡＺ−プロフト映画 「ホット・ショット２」 以来、またも呼ばれたリチャード・クレンナです。
他にも、宙づり泥棒の 「ミッション・インポッシブル」 、飛行機に追われる 「北北西に進路を取れ」 みたいな大ネタだけじゃなく、 「スターウォーズ」 のビームサーベルで席案内するとか、犯人急襲の際の決めポーズが 「チャーリーズ・エンジェル」 だとか、追われるライアンの様子を追い回してた電気機関車が物陰から伺う「激突！」等等々、小ネタもいっぱい。
この小ネタは映画と関係ないギャグもいっぱい散らしてます。 トイザらスの看板までギャグにしてるし、（室内にある文字を見て虚偽の証言をする→） 「ユージュアル・サスペクツ」 のパロディなんて元の映画見てなきゃ何のことかさっぱりわからないけど、その後にもしつこくギャグを並べてとにかく笑わせに来てる。
強迫観念的ギャグの羅列は、コメディアン出身監督らしいっちゃらしい。 そんなわけで、今となっては当時のヒット作を知らないとわからなそうでも、それなりに笑えるのではないかと。 もちろん当時の映画を知ってる俺は、相変わらず大笑いさせてもらいました。
［音楽とサントラ］
音楽はビル・コンティ。 ２年前にも「スパイ・ハード」でニールセンと組んでまして、気に入られたか。 オバカ映画にはシリアスな音楽、という鉄則を守った生真面目な音楽。 「スパイ・ハード」では００７パロディ楽曲もあった記憶がありますが、それはあの手の映画では皆さんやる（やらなきゃいけない）お約束なので別かな。 本作は普通のアクション映画スコアです。
例外は、最初は真面目に弾いてたのに最後はバイオリン叩き壊して大暴れするコンサートシーンで、これは本編映像の暴走に合わせてるだけですね。 エレキギターが『第九』のフレーズを喚き散らして終わってます。 ただ、００７映画と違って、パロディ元の映画に特に決まった音楽スタイルがあるわけではないから、闇雲に音楽もパロれ、と言われても難しいでしょう。 テレビ版「逃亡者」のテーマ（作曲ピート・ルゴロ）とかやっても良かったのにね。
映画と同じタイトルの曲 "WRONGFULLY ACCUSED"（不当な告発）が本作のテーマとなるモチーフ。 特に追跡・格闘シーンでアレンジされて何度も登場。 明るくキャッチーなメロディではないですが、本編見てても、お、また出てきた、と気づける程度には目立っています。 これはこれで良い２２曲６３分。 おそらく本編音楽はコンプリートしていると思われます。 作中で「音楽で笑いを取りに来た」既成のボーカル曲はいずれも未収録。 (2025/09/27：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 50%（22曲中11曲）
例外は、最初は真面目に弾いてたのに最後はバイオリン叩き壊して大暴れするコンサートシーンで、これは本編映像の暴走に合わせてるだけですね。 エレキギターが『第九』のフレーズを喚き散らして終わってます。 ただ、００７映画と違って、パロディ元の映画に特に決まった音楽スタイルがあるわけではないから、闇雲に音楽もパロれ、と言われても難しいでしょう。 テレビ版「逃亡者」のテーマ（作曲ピート・ルゴロ）とかやっても良かったのにね。
映画と同じタイトルの曲 "WRONGFULLY ACCUSED"（不当な告発）が本作のテーマとなるモチーフ。 特に追跡・格闘シーンでアレンジされて何度も登場。 明るくキャッチーなメロディではないですが、本編見てても、お、また出てきた、と気づける程度には目立っています。 これはこれで良い２２曲６３分。 おそらく本編音楽はコンプリートしていると思われます。 作中で「音楽で笑いを取りに来た」既成のボーカル曲はいずれも未収録。 (2025/09/27：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 50%（22曲中11曲）
［当サイトの関連音盤］
逃亡者（1993 ハリソン・フォード版）［通常盤］（パロディ元の映画）
追跡者（1998）［通常盤］
裸の銃（ガン）を持つ逃亡者（本盤）
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レスリー・ニールセンの裸の宇宙銃（スペースガン）を持つ男 THE CREATURE WASN'T NICE (1983) aka: NAKED SPACE
音楽・歌曲編曲：デヴィッド・スピア／歌曲作詞・作曲：ブルース・キンメル／歌：ブルース・キンメル、シンディ・ウィリアムズ
監督・脚本：ブルース・キンメル
出演：シンディ・ウィリアムズ、ブルース・キンメル、レスリー・ニールセン、ゲリット・グレアム、パトリック・マクニー、 ロン・クロウスキー（クリーチャーの中の人）、ブロデリック・クロフォード（コンピュータ"マックス"の声）
CD／2007／BSX RECORDS（buysoundtrax）／BSXCD 8825／BSX RECORDS／\----／\2,000［輸入盤中古］
レスリー・ニールセン出演の
「エイリアン」
のパロディ映画。 公開年がよくわからず、各データサイトで調べると1981年、1983年の二つの記述があります。 どうも、８１年に製作されたが公開は８３年になった模様。 本編での著作年表記は８３年です。
「禁断の惑星」 の船長（ニールセン）が 「フライングハイ」 でコミカルな役を演じてたので宇宙船船長役にキャスティング。 出来が良くないのでオクラ入りとなったものの、 「フライング・コップ」が話題になったドサクサで公開された、ってところでしょうか。 もちろん 「フライング・コップ」の映画化「裸の銃を持つ男」（1988） どころか「フライング・コップ」より早い制作時期なので、監督ブルース・キンメル、ニールセンのコメディ志向を汲み取ったか、なかなかの慧眼です。 もっとも、ニールセンはトップ・キャストではなく３番目。 終盤では一足はやくクリーチャーに食われてます。
「主演」は「アメリカン・グラフィティ」や 「カンバセーション…盗聴…」 に出演後、テレビドラマ「ラバーン&シャーリー」で人気を得たシンディ・ウィリアムス。 拙サイトでは 「ビンゴ！」 なんて映画も紹介しています。 キャスト２番手は出演もしている監督キンメル。
さらに邦題が邦題なので、公開時には日本に入ってこず、「裸の銃」のヒットにあやかってビデオスルーで輸入されたのが丸わかり。 海外でのビデオやＤＶＤ題名も、「フライングハイ」"AIRPLANE!" にあやかった "SPACESHIP"、「裸の銃を持つ男」"THE NAKED GUN" にあやかった "NAKED SPACE" など便乗商法花盛り。 もともとの原題は「化け物はイケてなかった」の意。
日本版ＤＶＤは出ていませんが、酔狂な人がフル動画をネットに上げていたので、原語ですが見てみました。 なぜこんな映画に出演したんだか、 「おしゃれ(秘)探偵」 等のイギリスの名優パトリック・マクニー演じるマッドみのある科学者が、探検した惑星から持ち帰った有機物サンプルが成長、クリーチャー（化け物）となり乗組員を襲って食う「エイリアン」のパロディ。 宇宙船の特撮は 「ダーク・スター」 レベルにチープ。 つうか宇宙船の外形が似てるのでそもそも直接的なパロディかもしれん。 船名は「めまい」号（VERTIGO）で、これはもちろんヒッチのパロディ。
船内セットは、特にラウンジ等が「エイリアン」というよりは テレビの方の「宇宙大作戦」 か。 ニールセン船長、"Captain's Log"（艦長日誌）とか読んでるし。 なぜか乗組員のレクリエーションのステージで、「ドラマチックに」読みますが（サントラ曲のトラックタイトル）。
とは言いつつ、ギャグの大半は会話なのか、映像としてのギャグの数が足りないかな。 何とか聞き取れた会話ギャグも大して面白くないし。 オープニング／エンディング・クレジット映像も何の遊びもなく、もう少しギャグをひねり出そうぜ、という気分になります。 コンピュータ音声（クロフォード）が終始、ラジオＤＪ調でしゃべり倒すのはちょっと面白かったですが。 この人も「オール・ザ・キングスメン」でアカデミー獲ってる名優だけど何してんねん。
まあ、 「スペースボール」 とかと比べると、やっぱりメル・ブルックスは偉大だなあ。
日本の特撮ファンにとっては、宇宙人侵略のニュース映像として 「スペクトルマン」（宇宙猿人ゴリ） とかが出てくるのが懐かしい。 ピープロに金払ったのか。 ネズバードンやゴキノザウルス、久しぶりに見た。 1953年ジョージ・パル版「宇宙戦争」の映像とまぜこぜにして使ってます。 「ゴジラ」 は東宝の権利料が高かったのか、それらしいシルエットのみ。
ともあれ、オクラ入りという私の推測があたってたら、それも無理はない出来でした。 「フライング・コップ」以降に製作されてたら間違いなくニールセンがトップ・キャストだと思うので、おそらく推測は間違ってないと思うのですが。
「禁断の惑星」 の船長（ニールセン）が 「フライングハイ」 でコミカルな役を演じてたので宇宙船船長役にキャスティング。 出来が良くないのでオクラ入りとなったものの、 「フライング・コップ」が話題になったドサクサで公開された、ってところでしょうか。 もちろん 「フライング・コップ」の映画化「裸の銃を持つ男」（1988） どころか「フライング・コップ」より早い制作時期なので、監督ブルース・キンメル、ニールセンのコメディ志向を汲み取ったか、なかなかの慧眼です。 もっとも、ニールセンはトップ・キャストではなく３番目。 終盤では一足はやくクリーチャーに食われてます。
「主演」は「アメリカン・グラフィティ」や 「カンバセーション…盗聴…」 に出演後、テレビドラマ「ラバーン&シャーリー」で人気を得たシンディ・ウィリアムス。 拙サイトでは 「ビンゴ！」 なんて映画も紹介しています。 キャスト２番手は出演もしている監督キンメル。
さらに邦題が邦題なので、公開時には日本に入ってこず、「裸の銃」のヒットにあやかってビデオスルーで輸入されたのが丸わかり。 海外でのビデオやＤＶＤ題名も、「フライングハイ」"AIRPLANE!" にあやかった "SPACESHIP"、「裸の銃を持つ男」"THE NAKED GUN" にあやかった "NAKED SPACE" など便乗商法花盛り。 もともとの原題は「化け物はイケてなかった」の意。
日本版ＤＶＤは出ていませんが、酔狂な人がフル動画をネットに上げていたので、原語ですが見てみました。 なぜこんな映画に出演したんだか、 「おしゃれ(秘)探偵」 等のイギリスの名優パトリック・マクニー演じるマッドみのある科学者が、探検した惑星から持ち帰った有機物サンプルが成長、クリーチャー（化け物）となり乗組員を襲って食う「エイリアン」のパロディ。 宇宙船の特撮は 「ダーク・スター」 レベルにチープ。 つうか宇宙船の外形が似てるのでそもそも直接的なパロディかもしれん。 船名は「めまい」号（VERTIGO）で、これはもちろんヒッチのパロディ。
船内セットは、特にラウンジ等が「エイリアン」というよりは テレビの方の「宇宙大作戦」 か。 ニールセン船長、"Captain's Log"（艦長日誌）とか読んでるし。 なぜか乗組員のレクリエーションのステージで、「ドラマチックに」読みますが（サントラ曲のトラックタイトル）。
とは言いつつ、ギャグの大半は会話なのか、映像としてのギャグの数が足りないかな。 何とか聞き取れた会話ギャグも大して面白くないし。 オープニング／エンディング・クレジット映像も何の遊びもなく、もう少しギャグをひねり出そうぜ、という気分になります。 コンピュータ音声（クロフォード）が終始、ラジオＤＪ調でしゃべり倒すのはちょっと面白かったですが。 この人も「オール・ザ・キングスメン」でアカデミー獲ってる名優だけど何してんねん。
まあ、 「スペースボール」 とかと比べると、やっぱりメル・ブルックスは偉大だなあ。
日本の特撮ファンにとっては、宇宙人侵略のニュース映像として 「スペクトルマン」（宇宙猿人ゴリ） とかが出てくるのが懐かしい。 ピープロに金払ったのか。 ネズバードンやゴキノザウルス、久しぶりに見た。 1953年ジョージ・パル版「宇宙戦争」の映像とまぜこぜにして使ってます。 「ゴジラ」 は東宝の権利料が高かったのか、それらしいシルエットのみ。
ともあれ、オクラ入りという私の推測があたってたら、それも無理はない出来でした。 「フライング・コップ」以降に製作されてたら間違いなくニールセンがトップ・キャストだと思うので、おそらく推測は間違ってないと思うのですが。
［音楽とサントラ］
ところが音楽はなかなか良い。 担当のデビッド・スピアは日本にはＢ級作品ばかり紹介されていますが、アカデミー賞ノミネート歴もあり、バークリー大学で教授も勤めてたそうです。 監督キンメルとはお仲間らしく、他の作品で音楽を協業もしています。
で、シンフォニック・スコアの本作音楽は実にまともで、例えばメインテーマはボレロのリズムで重々しく奏でるいかにもスリラーＳＦ映画らしい曲。 このメロディを編曲して本編内に散らし、たまにロック調にアレンジしたりして、ちゃんとした映画音楽を演出します。 サスペンス描写もしっかりとメロディを奏でてくれ、けっこう退屈しません。 もっとも音楽パロディとしては、曲のイントロでパーカッション→中域の金管という「宇宙大作戦」の密やかなパロディや、エンド近くでは「スーパーマン」のフレーズも聴こえます。
問題は、いや問題というほどじゃないのですが、音楽で笑いを取りに来たボーカル曲。 レクリエーションでシンディが歌う "Hold Me, Touch Me, Thrill Me"（抱いて触って脅して）、囚われのクリーチャーが歌い踊る "I Want To Eat Your Face"（オレはオマエの顔を食べたい）等は、前者はアメリカン・ポップス調、後者はミュージカル歌曲調で普通に良い曲なのですが、フルコーラス流すんだよなあ。 キンメルさん作詞作曲なのですが、 「日本以外全部沈没」 と同じコンポーザーの承認欲求ムキ出しで、いまいち映画のテンポを損なってます。 繰り返しますが音楽はいいのだけど。
歌って踊るのが大好きなクリーチャー(笑。右写真)をエアロックまで誘導するために、シンディとキンメルが歌い踊る熱演を披露する "Bachelor Bills"（独身男の請求書）とかは２分足らずの曲なので許容範囲ですけど。
エンドクレジットは、ミュージカル調スコアとメインテーマのリプライズでシメ。 いや、音楽はなかなか良かったです。 こんなもんが公開時にサントラが出るわけもなく、本盤はマニアックなサントラレーベル、BSX が2007年にリリースした1000枚限定盤。 本編音楽はトラック３３までで、ボーナストラックとして未使用スコア、ボーカル曲のデモ・バージョンやカラオケ等７曲を併せ、４０曲６８分収録しています。 (2025/09/27：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 49%（ボーナストラック7曲除く33曲中16曲）
で、シンフォニック・スコアの本作音楽は実にまともで、例えばメインテーマはボレロのリズムで重々しく奏でるいかにもスリラーＳＦ映画らしい曲。 このメロディを編曲して本編内に散らし、たまにロック調にアレンジしたりして、ちゃんとした映画音楽を演出します。 サスペンス描写もしっかりとメロディを奏でてくれ、けっこう退屈しません。 もっとも音楽パロディとしては、曲のイントロでパーカッション→中域の金管という「宇宙大作戦」の密やかなパロディや、エンド近くでは「スーパーマン」のフレーズも聴こえます。
問題は、いや問題というほどじゃないのですが、音楽で笑いを取りに来たボーカル曲。 レクリエーションでシンディが歌う "Hold Me, Touch Me, Thrill Me"（抱いて触って脅して）、囚われのクリーチャーが歌い踊る "I Want To Eat Your Face"（オレはオマエの顔を食べたい）等は、前者はアメリカン・ポップス調、後者はミュージカル歌曲調で普通に良い曲なのですが、フルコーラス流すんだよなあ。 キンメルさん作詞作曲なのですが、 「日本以外全部沈没」 と同じコンポーザーの承認欲求ムキ出しで、いまいち映画のテンポを損なってます。 繰り返しますが音楽はいいのだけど。
歌って踊るのが大好きなクリーチャー(笑。右写真)をエアロックまで誘導するために、シンディとキンメルが歌い踊る熱演を披露する "Bachelor Bills"（独身男の請求書）とかは２分足らずの曲なので許容範囲ですけど。
エンドクレジットは、ミュージカル調スコアとメインテーマのリプライズでシメ。 いや、音楽はなかなか良かったです。 こんなもんが公開時にサントラが出るわけもなく、本盤はマニアックなサントラレーベル、BSX が2007年にリリースした1000枚限定盤。 本編音楽はトラック３３までで、ボーナストラックとして未使用スコア、ボーカル曲のデモ・バージョンやカラオケ等７曲を併せ、４０曲６８分収録しています。 (2025/09/27：管理人から一言)
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レスリー・ニールセンのドラキュラ [プロモ盤] DRACULA: DEAD AND LOVING IT (1995)
音楽：ハミー・マン
監督・製作・共同脚本：メル・ブルックス／原作：ブラム・ストーカー
出演：レスリー・ニールセン、メル・ブルックス、ピーター・マクニコル、スティーヴン・ウェバー、エイミー・ヤスベック、 リセット・アンソニー、ハーヴェイ・コーマン
CD／1996／KAZEN MUSIC／HMCD 001／KAZEN MUSIC／\3,990［プロモ盤］
メル・ブルックスとレスリー・ニールセン、パロディ映画の二大巨頭、初にして唯一の共演作品。 稀代のパロディスト二人のコラボということで、とんでもないシナジー効果があるかと思ったら意外とフツーの作品だった記憶あり。
ハマー・フィルム以前に、ユニバーサル映画がホラー路線を確立した「魔人ドラキュラ」がベースの模様。 日本語版未ＤＶＤ化なのでまたも原語で見返してみたのですが、原典を比較的忠実になぞり、ギャグはストーリーに沿って投入する形。 ブルックス×ニールセンと掛け算にはならず、足し算したうえで共通している部分が薄まって少しマイナスという感じ。
ブルックスもニールセンも映画パロディという点では共通で、くわえてブルックスは若干のエロ系ネタをぶち込むにしろ、基本は原典をリスペクトした上で「茶化す」のが重要で、大きく原典映画からは離れない。 本作でも、ホラー映画らしい「怖い」瞬間もちゃんとあったりする。
一方で、ＺＡＺ流のニールセンは、笑いが取れればヨシ！と原典映画関係なしにとにかく小ネタを並べ立てる傾向があり、今回は後者の手数（てかず）が足りなかったかなあ。
ただ映像的ギャグ（つまり会話がわからなくてもわかるギャグ）はちょこちょこあり、 上の「裸の宇宙銃」 よりは退屈しませんでした。 ブルックス組常連ハーヴェイ・コーマンは今回も出演、エイミー・ヤスベックはブルックス前作「キング・オブ・タイツ」につづいての登場。 ブルックス夫人、アン・バンクロフトが占い師でゲスト出演。 喉をぶるぶる震わせています。
ハマー・フィルム以前に、ユニバーサル映画がホラー路線を確立した「魔人ドラキュラ」がベースの模様。 日本語版未ＤＶＤ化なのでまたも原語で見返してみたのですが、原典を比較的忠実になぞり、ギャグはストーリーに沿って投入する形。 ブルックス×ニールセンと掛け算にはならず、足し算したうえで共通している部分が薄まって少しマイナスという感じ。
ブルックスもニールセンも映画パロディという点では共通で、くわえてブルックスは若干のエロ系ネタをぶち込むにしろ、基本は原典をリスペクトした上で「茶化す」のが重要で、大きく原典映画からは離れない。 本作でも、ホラー映画らしい「怖い」瞬間もちゃんとあったりする。
一方で、ＺＡＺ流のニールセンは、笑いが取れればヨシ！と原典映画関係なしにとにかく小ネタを並べ立てる傾向があり、今回は後者の手数（てかず）が足りなかったかなあ。
ただ映像的ギャグ（つまり会話がわからなくてもわかるギャグ）はちょこちょこあり、 上の「裸の宇宙銃」 よりは退屈しませんでした。 ブルックス組常連ハーヴェイ・コーマンは今回も出演、エイミー・ヤスベックはブルックス前作「キング・オブ・タイツ」につづいての登場。 ブルックス夫人、アン・バンクロフトが占い師でゲスト出演。 喉をぶるぶる震わせています。
［音楽とサントラ］
音楽はハミー・マン。 ブルックス監督作では
「ロビン・フッド キング・オブ・タイツ」
につづく作品で、ブルックス一座の座付音楽家ジョン・モリスがテレビ大作で忙しく、代打での登板。 昔のホラー映画、あるいはハマー・フィルム風を忠実に再現したスコアで、音楽で遊んでいるのは一切なし。 タンゴの名曲『エル・チョクロ』やクラシックの『ハンガリー狂詩曲』等のドラキュラ譚には似合わないダンサブルな曲は聴かれますが、これは本編の悪乗りダンスシーンや、舞踏会シーンの曲。
全体にはホラー音楽を良く再現してるなーと思いますが、それ以上でもそれ以下でもないかな。 ここに掲示したのは公開時に出た正規プロモーション盤で、商品化は難しいと思える１６曲３７分でした。 (2025/09/27：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 23%（既成曲3曲除く13曲中3曲）
全体にはホラー音楽を良く再現してるなーと思いますが、それ以上でもそれ以下でもないかな。 ここに掲示したのは公開時に出た正規プロモーション盤で、商品化は難しいと思える１６曲３７分でした。 (2025/09/27：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 23%（既成曲3曲除く13曲中3曲）
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スターウルフ ミュージック・コレクション STARWOLF - MUSIC COLLECTION (1978)
音楽：前田憲男
制作：円谷プロダクション／放映：よみうりテレビ系
監督・深沢清澄、金谷稔
出演：東竜也、宍戸錠、高橋長英、谷川みゆき、平田昭彦、村松克巳、湯川勉、立山博雄、山本昌平、島崎奈々
CD／2014／日本コロムビア／COCX38496→7／日本コロムビア／\----／\1,600［中古］
当サイトでは既にアップ済の、
初ＣＤ化である円谷１５枚組
と
放映時の ANIMEX ＬＰのＣＤ版
の収録曲を全てカバーし、かつ追加曲も加えた決定盤的２枚組。
銀河系の彼方の星、ヴァルナ。
そのヴァルナ星、ウルフアタッカーは
略奪集団として全宇宙から恐れられている。
地球人でありながら悪の星ヴァルナで育ったケンは
アタッカー随一の強さを誇り、スターウルフと呼ばれていた。
しかし、地球を襲った時、仲間を殺したため
ウルフアタッカーから追われる身となる。
ふるさとを失い、ひとり宇宙を彷徨うケン。
そのケンを救ったのは地球のバッカスIII世号だった。
これは、スターウルフ・ケンの物語である。
（第９話エピソード冒頭ナレーション／声：納谷悟朗）
1978年の 「スターウォーズ」 の公開延期に伴い、ここぞとばかりに迎え撃った和製宇宙ＳＦ群すなわち、愛すべきウンコ映画 「惑星大戦争」 や、海外ではカルト人気のサニー千葉コスプレ映画 「宇宙からのメッセージ」 と並ぶ、テレビからの刺客が本作です（前二作、茶化してますけど管理人はどっちも大好きです）。
私は中学生ぐらいだったのでそれほどちゃんと見てないのですが、後年、知人から録画ビデオ借りて第１クールは通しで見てます。 今回も、１枚だけ持ってたＤＶＤ（上写真。♪デアゴスティーニ）であらためて２話だけ鑑賞。 けっこう、良くやってます。 役者さんは「大人の芝居」だし、若干間延びしているきらいはありますがシナリオも十分面白い。 特撮も、作りの細かいバッカスIII世号も含めて、これまた当時としては良く出来てます。 思わず、同時期のドラマ 「宇宙空母ギャラクティカ」 と見比べてみましたが、あちらほど予算の無い中で物凄くガンバってる。
惜しむらくは、お話が子供にはちょっと難しく、とは言え大人には和製ＳＦドラマの視聴習慣がまだ定着してなかったことですかね。 早すぎた作品だと思います。 でも、"FUGITIVE ALIEN"、"FUGITIVE ALIEN II" としてテレビムービーとして再編集され、輸出できたから良かったんじゃないすかね。 もっとも、IMDB でのレーティングは2.5と低調ですが。
しかしこの当時、１話１エピソード完結型ではなく、１クール１３話で一つのストーリーを描くってけっこう凄いと思いません？ 1990年代以降は一般ドラマでもその手のものが増えましたが、当時はほとんどなかったんじゃないかと。 パッと出てくるのは、「タイム・トラベラー」（ＮＨＫ少年ドラマ・シリーズ）とか「悪魔のようなあいつ」（三億円事件が題材）ぐらいしか思い出せん（いやまあ、ＮＨＫの朝ドラや大河は、１クールどころじゃないぐらいそうっちゃそうなんですけどね）。
銀河系の彼方の星、ヴァルナ。そのヴァルナ星、ウルフアタッカーは
略奪集団として全宇宙から恐れられている。
地球人でありながら悪の星ヴァルナで育ったケンは
アタッカー随一の強さを誇り、スターウルフと呼ばれていた。
しかし、地球を襲った時、仲間を殺したため
ウルフアタッカーから追われる身となる。
ふるさとを失い、ひとり宇宙を彷徨うケン。
そのケンを救ったのは地球のバッカスIII世号だった。
これは、スターウルフ・ケンの物語である。
（第９話エピソード冒頭ナレーション／声：納谷悟朗）
1978年の 「スターウォーズ」 の公開延期に伴い、ここぞとばかりに迎え撃った和製宇宙ＳＦ群すなわち、愛すべきウンコ映画 「惑星大戦争」 や、海外ではカルト人気のサニー千葉コスプレ映画 「宇宙からのメッセージ」 と並ぶ、テレビからの刺客が本作です（前二作、茶化してますけど管理人はどっちも大好きです）。
私は中学生ぐらいだったのでそれほどちゃんと見てないのですが、後年、知人から録画ビデオ借りて第１クールは通しで見てます。 今回も、１枚だけ持ってたＤＶＤ（上写真。♪デアゴスティーニ）であらためて２話だけ鑑賞。 けっこう、良くやってます。 役者さんは「大人の芝居」だし、若干間延びしているきらいはありますがシナリオも十分面白い。 特撮も、作りの細かいバッカスIII世号も含めて、これまた当時としては良く出来てます。 思わず、同時期のドラマ 「宇宙空母ギャラクティカ」 と見比べてみましたが、あちらほど予算の無い中で物凄くガンバってる。
惜しむらくは、お話が子供にはちょっと難しく、とは言え大人には和製ＳＦドラマの視聴習慣がまだ定着してなかったことですかね。 早すぎた作品だと思います。 でも、"FUGITIVE ALIEN"、"FUGITIVE ALIEN II" としてテレビムービーとして再編集され、輸出できたから良かったんじゃないすかね。 もっとも、IMDB でのレーティングは2.5と低調ですが。
しかしこの当時、１話１エピソード完結型ではなく、１クール１３話で一つのストーリーを描くってけっこう凄いと思いません？ 1990年代以降は一般ドラマでもその手のものが増えましたが、当時はほとんどなかったんじゃないかと。 パッと出てくるのは、「タイム・トラベラー」（ＮＨＫ少年ドラマ・シリーズ）とか「悪魔のようなあいつ」（三億円事件が題材）ぐらいしか思い出せん（いやまあ、ＮＨＫの朝ドラや大河は、１クールどころじゃないぐらいそうっちゃそうなんですけどね）。
［音楽とサントラ］
音楽は日本ジャズ界のレジェンドの一人、前田憲男。 弦楽器レスで作曲されたのは有名ですが、ブックレットの前田氏の弁によれば「なんとなくそうなった」とのこと(笑)。 ただタイコなどリズム隊はいますので、
「暗闇からの脱出」
みたいにブラバンブラバンしてるわけではないです。
アンダースコアは、森田公一作曲による主題歌・副主題歌の全体テーマ、前田版のスターウルフ・テーマ、バッカスIII世号のテーマ、ケンのテーマ、キャプテン・ジョウ（宍戸）のテーマ等モチーフを設定し、そのバリエーション展開をするカッチリした楽曲。 前田氏は「ベン・ハーを意識した」そうで、実際、格調高いですよね。 勝利のテーマなんてボレロだし。 音楽的にはかなり楽しめます。 ホーンばかりですから、押し出しが強いのも良いですね。
ディスク１は、ANIMEX 盤で複数のキューを１トラックにして組曲化した構成を再現。 ただし本盤では、各曲は独立したトラックで、ANIMEX でショート・バージョンだった曲もフル収録、さらに曲アタマに入っていた効果音を削って音楽だけを聴かせます（効果音は最後にボーナス収録）。 ディスク２も、一部は円谷１５枚組の構成を踏襲しています。 旧盤との照合がしやすくてラクです。
他に初収録曲、大量の未使用曲も追加。 「スターウォーズ」の『カンティーナ・バンド』以来ひところＳＦ映画で流行った酒場の現実音楽も。 ほぼフリーなセッションで普通にジャズです。 主題歌・副主題歌のメロオケ、カラオケも揃えて、レコード会社のコンセプトどおりで当たり前ですが、完全収録。 円谷１５枚組なんてもう流通在庫もないし、スターウルフの音楽を完全に揃えてくれて素直にありがたいのでした。 １２０曲２時間３２分収録です。 …いや、すげえボリュームだな。 つうかこれだけキューが録音されてたことにビックリだわ。 (2025/09/20：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 （曲数多すぎてこりゃ無理だ）
アンダースコアは、森田公一作曲による主題歌・副主題歌の全体テーマ、前田版のスターウルフ・テーマ、バッカスIII世号のテーマ、ケンのテーマ、キャプテン・ジョウ（宍戸）のテーマ等モチーフを設定し、そのバリエーション展開をするカッチリした楽曲。 前田氏は「ベン・ハーを意識した」そうで、実際、格調高いですよね。 勝利のテーマなんてボレロだし。 音楽的にはかなり楽しめます。 ホーンばかりですから、押し出しが強いのも良いですね。
ディスク１は、ANIMEX 盤で複数のキューを１トラックにして組曲化した構成を再現。 ただし本盤では、各曲は独立したトラックで、ANIMEX でショート・バージョンだった曲もフル収録、さらに曲アタマに入っていた効果音を削って音楽だけを聴かせます（効果音は最後にボーナス収録）。 ディスク２も、一部は円谷１５枚組の構成を踏襲しています。 旧盤との照合がしやすくてラクです。
他に初収録曲、大量の未使用曲も追加。 「スターウォーズ」の『カンティーナ・バンド』以来ひところＳＦ映画で流行った酒場の現実音楽も。 ほぼフリーなセッションで普通にジャズです。 主題歌・副主題歌のメロオケ、カラオケも揃えて、レコード会社のコンセプトどおりで当たり前ですが、完全収録。 円谷１５枚組なんてもう流通在庫もないし、スターウルフの音楽を完全に揃えてくれて素直にありがたいのでした。 １２０曲２時間３２分収録です。 …いや、すげえボリュームだな。 つうかこれだけキューが録音されてたことにビックリだわ。 (2025/09/20：管理人から一言)
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［当サイトの関連音盤］
スターウルフ［円谷プロ ヒストリー・オブ・ミュージック］
スターウルフ［ANIMEX盤］
スターウルフ ミュージック・コレクション［２枚組］（本盤）
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スターマン 愛・宇宙はるかに STARMAN (1984)
音楽：ジャック・ニッチェ
監督：ジョン・カーペンター／製作総指揮：マイケル・ダグラス
出演：ジェフ・ブリッジス、カレン・アレン、チャールズ・マーティン・スミス、リチャード・ジャッケル、ロバート・フェイレン、トニー・エドワーズ
CD／1991／VARESE SARABANDE／VCD 47220／VARESE SARABANDE／\----／\500［輸入盤中古］
領空侵犯として撃墜された未確認飛行物体から助かった異星人は、亡くなった夫スコット（ブリッジス）の姿となってジェニー（アレン）の前に現れた。 解剖すべく捕えようとする国家安全保障局長（ジャッケル）の追手をかわし、二人は迎えの宇宙船が来るアリゾナへ向かう。
惑星探査船"ボイジャー"に積まれていた「ゴールデンディスク」に録音された、未知の宇宙人を地球に招待する国連事務総長のメッセージの通りに来ただけなのに、なぜ捕えて解剖ですか！って科学者（スミス）のセリフはごもっとも。 皮肉が効いてます。 さて「俺たちに明日はない」、「ゲッタウェイ」など、欧米映画では一大ジャンルである「逃亡ロードムービー」物のＳＦ版です。 当サイトでも 「続・激突！ カージャック」 、 「出逢い」 、 「明日に向って撃て！」 、 「ミッドナイト・ラン」 等なんぼでもご紹介してます。
実際には、２年前に大ヒットした 「Ｅ．Ｔ．」 に触発されて制作されたのは間違いないでしょう。 しかし、こちらは男女の情愛が軸。 今回見返してみて、配偶者が早逝した身としてはちょっとつらい瞬間もあったのですが、女性側の心の揺らぎ、異星人との交流の深化を丁寧に描いていて、なかなか感動させる良作です。 なんと監督は、丁寧な心理描写とは無縁のゲロゲログログロ映画メーカー、ジョン・カーペンターですが、ちゃんとやればできる人です。 本人がやりたくないだけなんでしょうな。
特に、オスカーやゴールデングローブにノミネートされたジェフ・ブリッジスが素晴らしい。 姿形は人類なのに、見知らぬ地球にとまどう「作り物の地球人」の違和感を演じきったのは出色。 ホーム８ミリの中のスコットと同じ笑い方をしているのに、そこはかとなく不気味な演技なんてどうやってやるんだろう。 これをカーペンターと二人三脚で作り上げたんでしょうから立派なもんです。
ＳＦＸも控え目で、直接的な描写はほとんどなし。 最後、巨大宇宙船で帰るスコットをジェニーの表情だけで描写したのも素晴らしい。 久しぶりに見て、こんなに良作だったかと驚いた。 高評価だったらしく、続編も作られています。 ちなみに本作と同年公開の 「フィラデルフィア・エクスペリメント」 も逃亡ロードムービーＳＦですが、こちらもカーペンターが製作総指揮をやってます。
惑星探査船"ボイジャー"に積まれていた「ゴールデンディスク」に録音された、未知の宇宙人を地球に招待する国連事務総長のメッセージの通りに来ただけなのに、なぜ捕えて解剖ですか！って科学者（スミス）のセリフはごもっとも。 皮肉が効いてます。 さて「俺たちに明日はない」、「ゲッタウェイ」など、欧米映画では一大ジャンルである「逃亡ロードムービー」物のＳＦ版です。 当サイトでも 「続・激突！ カージャック」 、 「出逢い」 、 「明日に向って撃て！」 、 「ミッドナイト・ラン」 等なんぼでもご紹介してます。
実際には、２年前に大ヒットした 「Ｅ．Ｔ．」 に触発されて制作されたのは間違いないでしょう。 しかし、こちらは男女の情愛が軸。 今回見返してみて、配偶者が早逝した身としてはちょっとつらい瞬間もあったのですが、女性側の心の揺らぎ、異星人との交流の深化を丁寧に描いていて、なかなか感動させる良作です。 なんと監督は、丁寧な心理描写とは無縁のゲロゲログログロ映画メーカー、ジョン・カーペンターですが、ちゃんとやればできる人です。 本人がやりたくないだけなんでしょうな。
特に、オスカーやゴールデングローブにノミネートされたジェフ・ブリッジスが素晴らしい。 姿形は人類なのに、見知らぬ地球にとまどう「作り物の地球人」の違和感を演じきったのは出色。 ホーム８ミリの中のスコットと同じ笑い方をしているのに、そこはかとなく不気味な演技なんてどうやってやるんだろう。 これをカーペンターと二人三脚で作り上げたんでしょうから立派なもんです。
ＳＦＸも控え目で、直接的な描写はほとんどなし。 最後、巨大宇宙船で帰るスコットをジェニーの表情だけで描写したのも素晴らしい。 久しぶりに見て、こんなに良作だったかと驚いた。 高評価だったらしく、続編も作られています。 ちなみに本作と同年公開の 「フィラデルフィア・エクスペリメント」 も逃亡ロードムービーＳＦですが、こちらもカーペンターが製作総指揮をやってます。
［音楽とサントラ］
「遊星からの物体Ｘ」→
「クリスティーン」
ときて、「ゴーストハンターズ」との間に挟まれているのに、カーペンター自分でやらずに音楽はジャック・ニッチェ。 いや正解だよね。 これでシンセでベンベンやってたら単なる不気味映画やぜ。 ニッチェも同じくシンセサイザーのみの楽曲制作ですが、音を重ねた重厚なハーモニーだけど優しい曲を全編で展開。 ちょっとヴァンゲリス風にも聴こえますが、穏やかな楽曲群です。
前回ご紹介した「第七の予言」 では不気味とか言っちゃって申し訳ない。 たぶんアルバムの曲順の問題で、映画の使用順を無視してサスペンス描写の怖いスコアを先に置くからいけないんだよ（←責任転嫁）。
映画冒頭、生前の夫を映したホーム８ミリ映像で主役カップルが歌っている、エヴァリー・ブラザースの名歌 "All I Have to Do Is Dream"『夢を見るだけ』をアルバムの真ん中、つまりＬＰのＢ面１曲目に収録（本編版ではなくレコード・バージョン）。 作詞作曲チーム、フェリシア＆ブーデロウ・ブライアント夫妻の自伝的歌曲で、フェリシア夫人は子供の時夢で見たブーデロウを街で見かけて、思わず水をかけてアプローチしたとか。 本作でも、二人が結ばれる前にずぶ濡れになってます。 と、いうのは無理やりな後知恵の気もする１４曲３４分でした。 (2025/09/20：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 46%（ボーカル1曲除く13曲中6曲）
前回ご紹介した「第七の予言」 では不気味とか言っちゃって申し訳ない。 たぶんアルバムの曲順の問題で、映画の使用順を無視してサスペンス描写の怖いスコアを先に置くからいけないんだよ（←責任転嫁）。
映画冒頭、生前の夫を映したホーム８ミリ映像で主役カップルが歌っている、エヴァリー・ブラザースの名歌 "All I Have to Do Is Dream"『夢を見るだけ』をアルバムの真ん中、つまりＬＰのＢ面１曲目に収録（本編版ではなくレコード・バージョン）。 作詞作曲チーム、フェリシア＆ブーデロウ・ブライアント夫妻の自伝的歌曲で、フェリシア夫人は子供の時夢で見たブーデロウを街で見かけて、思わず水をかけてアプローチしたとか。 本作でも、二人が結ばれる前にずぶ濡れになってます。 と、いうのは無理やりな後知恵の気もする１４曲３４分でした。 (2025/09/20：管理人から一言)
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Ｕボート：ザ・ウルフパック （未公開ビデオ） U-BOATS: THE WOLFPACK (1987)
音楽：クリストファー・ヤング
（ドキュメンタリー作品）監督・製作・共同脚本：リチャード・ジョーンズ
ナレーション：エドワード・マルヘア
CD／1993／CERBEROS RECORDS／C-Eur 0214／CERBEROS RECORDS／\----／\540［輸入盤中古］
日本未公開の、ビデオによる３０分のドキュメンタリー作品。 タイトル通り、第二次大戦下のドイツＵボートによる「群狼作戦」（Wolfpack）を扱った作品のようです。 群狼作戦とは、輸送船団をターゲットに大西洋上で展開された、３隻以上の複数Ｕボート連携による通商破壊作戦で、連合軍のロジスティック（補給）を絶つのに大きな効果がありました。
ナレーションは 「脱走特急」 の神父や、「ナイトライダー」で家令を演じたエドワード・マルヘア。 もちろん私は未見なのですが、ナレーションと思うと「ナイトライダー」でマルヘアを吹き替えてた中村正の声が浮かんでしまう。 紳士的なあの声で「潜水艦の名はＵボート。商船の名前はシンクレア号。二隻はごく普通の出会いをし」とか言ってる妄想をして「奥様は魔女」かっ！普通じゃないし戦時だし！と自分でツッコんでます。
ナレーションは 「脱走特急」 の神父や、「ナイトライダー」で家令を演じたエドワード・マルヘア。 もちろん私は未見なのですが、ナレーションと思うと「ナイトライダー」でマルヘアを吹き替えてた中村正の声が浮かんでしまう。 紳士的なあの声で「潜水艦の名はＵボート。商船の名前はシンクレア号。二隻はごく普通の出会いをし」とか言ってる妄想をして「奥様は魔女」かっ！普通じゃないし戦時だし！と自分でツッコんでます。
［音楽とサントラ］
音楽はクリストファー・ヤング。 ８０年代デビューの氏の初期作品。 もともとバーナード・ハーマンに触発されて映像音楽に入ってきた人だけに、冷静かつソリッドな雰囲気のシンフォニック・スコア。 アメリカ制作のドイツ軍ドキュメンタリーですからもう少し陰気かと思ったら、戦争映画的なヒロイックな曲も聴こえるので聴きやすい。 イデオロギー的なドイツ批難というより、純粋に軍事的な状況を描いたのでしょうね。 あとジェリー・ゴールドスミスの影響も感じられ、"The Push To Berlin"（ベルリンへの突進）なんて曲は、
「カプリコン・ワン」
のメインタイトルを思い出させます。
ちなみに IMDB のトリビアには、「ヤングはクレジットされているがオリジナル音楽は作曲せず自分の他作品からの流用」と書いてあるのですが、フィルモグラフィ眺めても、この時期に流用できるほどこの人ストックあったのかなあ。 権利関係もクリアできると思えないし。 どうなんだろ。
公開当時のサントラＬＰを後年にＣＤ化したアルバムで、ケルベロス・レコードってすんごい名前のレコード会社が発売。 後に BSX がリイシューしています。 １７曲４１分収録。 ３０分のビデオにこんなに曲数はいらないのですが、アルバムのサブタイトルに "and other World War II documentaries including SECRET WEAPONS OF WW2 - LUFTWAFFE THE AIR WEAPON - B 17 THE FLYING FORTRESS" とありまして、「ウルフパック」も含む一連のドキュメンタリー・シリーズの曲も含まれているようです。 "Panzers"（パンツァー戦車）、"Fortress Europe"（ヨーロッパの要塞）、"Blitzkreig"（電撃戦）、"Operation: Overload"（ノルマンディ上陸作戦）等の潜水艦が関係ない陸戦を描いたタイトルの楽曲が見られます。 (2025/09/20：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 53%（17曲中9曲）
ちなみに IMDB のトリビアには、「ヤングはクレジットされているがオリジナル音楽は作曲せず自分の他作品からの流用」と書いてあるのですが、フィルモグラフィ眺めても、この時期に流用できるほどこの人ストックあったのかなあ。 権利関係もクリアできると思えないし。 どうなんだろ。
公開当時のサントラＬＰを後年にＣＤ化したアルバムで、ケルベロス・レコードってすんごい名前のレコード会社が発売。 後に BSX がリイシューしています。 １７曲４１分収録。 ３０分のビデオにこんなに曲数はいらないのですが、アルバムのサブタイトルに "and other World War II documentaries including SECRET WEAPONS OF WW2 - LUFTWAFFE THE AIR WEAPON - B 17 THE FLYING FORTRESS" とありまして、「ウルフパック」も含む一連のドキュメンタリー・シリーズの曲も含まれているようです。 "Panzers"（パンツァー戦車）、"Fortress Europe"（ヨーロッパの要塞）、"Blitzkreig"（電撃戦）、"Operation: Overload"（ノルマンディ上陸作戦）等の潜水艦が関係ない陸戦を描いたタイトルの楽曲が見られます。 (2025/09/20：管理人から一言)
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クラッシャージョウ 音楽編＋５（アニメ） Original Soudtrack CRUSHER JOE (1983)
音楽：前田憲男／イメージソング２曲：西松一博＆ARAGON
演奏：東京フィルハーモニー交響楽団
監督・脚本：安彦良和／原作・脚本：高千穂遙
声の出演：竹村拓、佐々木るん、小林清志、小原乃梨子、納谷悟朗、小林修、久米明、武藤礼子、大塚周夫、曽我部和行、田中信夫、柴田秀勝、二又一成
CD／2020／タワーレコード（ビクター）／NCS-10244／ビクターエンタテインメント／\2,700／\1,980［中古］
高千穂遙の和製スペースオペラ小説「クラッシャージョウ」シリーズを劇場用アニメ映画化（ただし本作はアニメオリジナル・ストーリー）。 1983年は「宇宙戦艦ヤマト 完結編」や、角川映画のアニメ初進出「幻魔大戦」と、劇場用アニメ大作の当たり年。
そのころ大学ＳＦ研究会というオタの巣窟にいた私ですが、当時、アニメをほとんど見なかった私は、原作は何冊か読んだものの映画は興味なし。 見てない、見る気もない映画についてネットで調べたトリビア書いても仕方ないので、この項は以上です。 …いま確認したら配信にはあるのね。 そのうち見るかも知れない。 「幻魔大戦」は後年にビデオで見ましたし。
そのころ大学ＳＦ研究会というオタの巣窟にいた私ですが、当時、アニメをほとんど見なかった私は、原作は何冊か読んだものの映画は興味なし。 見てない、見る気もない映画についてネットで調べたトリビア書いても仕方ないので、この項は以上です。 …いま確認したら配信にはあるのね。 そのうち見るかも知れない。 「幻魔大戦」は後年にビデオで見ましたし。
［音楽とサントラ］
そんな思い入れのない映画なのに何故サントラ買ったかといえば、音楽の前田憲男がどんなスコアを書いたか知りたかったから。 監督の安彦氏によれば、大家の前田氏に依頼するというのに「こだわりの原作者が "アチラ（海外）の誰それ風にしてくれ" と、クリエイターにとっては決して愉快ではない」注文をしたので、戦々恐々としてたそうです。
これは「スターウォーズ」のジョン・ウィリアムスが念頭にあったらしく、オーダーに応じてガッツリとしたシンフォニック・スコアになっています。 アニメ自体はＢ級路線を狙ったそうですが（予算や内容ではなくお話として。アクション重視の通俗的な展開という意味でしょう）、いや、今となってはフュージョン路線でも良かったのかも、と思えます。 この頃のＳＦ作品はシンフォニック・スコアばかりでしたもんね。
とはいえ、音楽は一級品。 ダイナミックなオーケストラで、安っぽさは微塵もなし。 メインタイトルや、ジョウの出発シーンの楽曲はウエスタン調。 そうね、そもそもスペース・オペラというジャンル名の元となったのは西部劇＝ホース・オペラだもんね。 ただ、ゴリゴリなウエスタンではなくあくまでさり気な雰囲気。 これらに使われたモチーフは、後半のシーンではウエスタンと関係ないアレンジを施されているのも興味深い。 ウエスタン一辺倒という単純な解釈ではないという事です。
この頃の映画だけにディスコも登場、そこではフュージョンを聴かせ、サロンミュージックとしてリリカルなピアノも聴かせてくれる。 後半はハリウッドの史劇ライクな楽曲や、「連合宇宙軍」のマーチもかまして、テンション落とすことなく最後まで聴かせてくれました。 演奏は、名古屋が出自ですがなぜか今は東京、現存する日本最古の老舗オーケストラ東京フィルハーモニー交響楽団。 楽しめます。、
この「音楽編」は、実際に本編に使われたキューを収めた、いわゆるサウンドトラック。 西松一博＆ARAGONによるイメージソングも収録。 シンセサイザーをメインにしたリズミカルな曲で、良くも悪くもこの当時らしい曲。 初めて聴いたのに妙に懐かしい。
サントラはスコアのみ収録のものが映画公開時に発売、イメージソング追加収録など何度かＣＤでリイシューされたそうですが、上掲のアルバムは2020年にタワレコ限定でリリースされたもので、未使用５曲がボーナス収録されています。 その１曲にメインタイトル以上にかなりウエスタン色が濃い曲があり、それゆえに本編では未使用となったのかも知れません。 ２９曲６１分収録です。 (2025/09/20：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 59%（歌曲を除く27曲中16曲）
これは「スターウォーズ」のジョン・ウィリアムスが念頭にあったらしく、オーダーに応じてガッツリとしたシンフォニック・スコアになっています。 アニメ自体はＢ級路線を狙ったそうですが（予算や内容ではなくお話として。アクション重視の通俗的な展開という意味でしょう）、いや、今となってはフュージョン路線でも良かったのかも、と思えます。 この頃のＳＦ作品はシンフォニック・スコアばかりでしたもんね。
とはいえ、音楽は一級品。 ダイナミックなオーケストラで、安っぽさは微塵もなし。 メインタイトルや、ジョウの出発シーンの楽曲はウエスタン調。 そうね、そもそもスペース・オペラというジャンル名の元となったのは西部劇＝ホース・オペラだもんね。 ただ、ゴリゴリなウエスタンではなくあくまでさり気な雰囲気。 これらに使われたモチーフは、後半のシーンではウエスタンと関係ないアレンジを施されているのも興味深い。 ウエスタン一辺倒という単純な解釈ではないという事です。
この頃の映画だけにディスコも登場、そこではフュージョンを聴かせ、サロンミュージックとしてリリカルなピアノも聴かせてくれる。 後半はハリウッドの史劇ライクな楽曲や、「連合宇宙軍」のマーチもかまして、テンション落とすことなく最後まで聴かせてくれました。 演奏は、名古屋が出自ですがなぜか今は東京、現存する日本最古の老舗オーケストラ東京フィルハーモニー交響楽団。 楽しめます。、
この「音楽編」は、実際に本編に使われたキューを収めた、いわゆるサウンドトラック。 西松一博＆ARAGONによるイメージソングも収録。 シンセサイザーをメインにしたリズミカルな曲で、良くも悪くもこの当時らしい曲。 初めて聴いたのに妙に懐かしい。
サントラはスコアのみ収録のものが映画公開時に発売、イメージソング追加収録など何度かＣＤでリイシューされたそうですが、上掲のアルバムは2020年にタワレコ限定でリリースされたもので、未使用５曲がボーナス収録されています。 その１曲にメインタイトル以上にかなりウエスタン色が濃い曲があり、それゆえに本編では未使用となったのかも知れません。 ２９曲６１分収録です。 (2025/09/20：管理人から一言)
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［当サイトの関連音盤］
クラッシャージョウ 音楽編［2020年盤］（本盤）
交響組曲 クラッシャージョウ
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交響組曲 クラッシャージョウ Symphonic Suite CRUSHER JOE (1983)
音楽・指揮：前田憲男
演奏：東京交響楽団
CD／1994／ビクターエンタテインメント／VICL-23057／ビクターエンタテインメント／\2,300／\1,900［中古］
［音楽とサントラ］
上に載せた「音楽編」のブックレットを読んでて気になったのが、トラックタイトルに妙な注釈があること。 『オープニング(「MAIN TITLE」より)』とか、『ジョウの怒り(「BATTLE IN DARK SPACE」より)』とか。 この（ ）内については何の説明もなく "？" となったのですが、どうやら秘密は、同時に発売された前田氏が自ら指揮した「交響組曲」にあるのではないかとみて、買ってみました。
いや、サントラ盤持っているのにセルフとは言えカバー買ってどうすんのよ、とちょっと逡巡したのですが、良く考えりゃ前田憲男の音楽が聴きたくて特に興味ない映画のサントラ買ってんだから、より音楽として完成した「組曲」を買うのは当然、と原野商法レベルの安い屁理屈で自分をだまし、サクサクと買ってみました。
入手してみれば見事にビンゴ。 「こだわりの原作者」の意向により、まず交響組曲の譜面が書かれ、そこからさまざまな部分を抽出して編曲していく形で本編スコアが出来たとか。 「音楽編」トラックタイトルの（ ）内は、こちらの組曲の曲名なのでした。
組曲の方が先に録音されていれば、 「火の鳥」 のように音源を切った貼ったして本編に落とし込まれたのでしょうが、諸事情により本編スコアの方が先に録られたそうです。 オケも、こちらは東宝交響楽団を前身に持つ東京交響楽団で、本編スコアとは違うバンドです。 どっちの演奏がどうとか言う鑑賞力は俺は持ち合わせてませんが、東フィルも東響もうまいよね。 特に『PANIC IN DISCO』のようなリズミカルなアクションスコアは凄い。 シティ・オブ・プラ〇は見習っていただきたい。
あらためて組曲の音楽として聴いてみれば、本編で断片的に使われたフレーズをまとまった形で聴かせてくれて、そら組曲なので当たり前なのですが、独立した音楽としてかなり楽しめます。 特にマーチ好きの私としては、劇中の連合宇宙軍テーマが、『U.S.G.F.』という完結した楽曲となっているのが嬉しいところ。 エンドタイトルも、本編ではメインタイトル曲のリプライズでしたが、組曲では独自のスコアが作曲されています。
さらに、星間冒険者という職業名「クラッシャー」のテーマは、 「十戒」 のようなコスチューム・プレイ（史劇映画）ライクなイントロで始まり、本編以上にハッキリしたウエスタン・リズム。 前田氏の解釈は、クラッシャー＝宇宙のカウボーイだったのでしょう。
そう言えばブックレットで原作者・高千穂氏が「ベン・ハー」の音楽に言及していますが、それを前田氏に言ってたら面白かったでしょうね。 なにせ５年前に 「スターウルフ」 で「ベン・ハー」を意識して作曲したお方です、ウエルカムだったんじゃないですかねえ。 以上、こちらも満足な１０曲４４分でした。 (2025/09/20：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 80%（10曲中8曲）
いや、サントラ盤持っているのにセルフとは言えカバー買ってどうすんのよ、とちょっと逡巡したのですが、良く考えりゃ前田憲男の音楽が聴きたくて特に興味ない映画のサントラ買ってんだから、より音楽として完成した「組曲」を買うのは当然、と原野商法レベルの安い屁理屈で自分をだまし、サクサクと買ってみました。
入手してみれば見事にビンゴ。 「こだわりの原作者」の意向により、まず交響組曲の譜面が書かれ、そこからさまざまな部分を抽出して編曲していく形で本編スコアが出来たとか。 「音楽編」トラックタイトルの（ ）内は、こちらの組曲の曲名なのでした。
組曲の方が先に録音されていれば、 「火の鳥」 のように音源を切った貼ったして本編に落とし込まれたのでしょうが、諸事情により本編スコアの方が先に録られたそうです。 オケも、こちらは東宝交響楽団を前身に持つ東京交響楽団で、本編スコアとは違うバンドです。 どっちの演奏がどうとか言う鑑賞力は俺は持ち合わせてませんが、東フィルも東響もうまいよね。 特に『PANIC IN DISCO』のようなリズミカルなアクションスコアは凄い。 シティ・オブ・プラ〇は見習っていただきたい。
あらためて組曲の音楽として聴いてみれば、本編で断片的に使われたフレーズをまとまった形で聴かせてくれて、そら組曲なので当たり前なのですが、独立した音楽としてかなり楽しめます。 特にマーチ好きの私としては、劇中の連合宇宙軍テーマが、『U.S.G.F.』という完結した楽曲となっているのが嬉しいところ。 エンドタイトルも、本編ではメインタイトル曲のリプライズでしたが、組曲では独自のスコアが作曲されています。
さらに、星間冒険者という職業名「クラッシャー」のテーマは、 「十戒」 のようなコスチューム・プレイ（史劇映画）ライクなイントロで始まり、本編以上にハッキリしたウエスタン・リズム。 前田氏の解釈は、クラッシャー＝宇宙のカウボーイだったのでしょう。
そう言えばブックレットで原作者・高千穂氏が「ベン・ハー」の音楽に言及していますが、それを前田氏に言ってたら面白かったでしょうね。 なにせ５年前に 「スターウルフ」 で「ベン・ハー」を意識して作曲したお方です、ウエルカムだったんじゃないですかねえ。 以上、こちらも満足な１０曲４４分でした。 (2025/09/20：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 80%（10曲中8曲）
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クラッシャージョウ 音楽編［2020年盤］
交響組曲 クラッシャージョウ（本盤）
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レモ/第１の挑戦 REMO WILLIAMS‐THE ADVENTURE BEGINS (1985)
音楽：クレイグ・サファン
監督：ガイ・ハミルトン／原作：ウォーレン・マーフィー＆リチャード・サピア「デストロイヤーの誕生」
出演： フレッド・ウォード、ジョエル・グレイ、ウィルフォード・ブリムリー、ケイト・マルグルー、Ｊ・Ａ・プレストン、チャールズ・シオッフィ、ジョージ・コー、パトリック・キルパトリック
CD／2006／PERSEVERANCE／PRD 010／PERSEVERANCE／\----／\2,800［輸入盤中古］
政府の特殊機関の手により死亡したとされた警官は、顔と名前を変えられて極秘エージェント、レモ・ウィリアムス（ウォード）に生まれ変わった。 韓国武術の達人チュン（グレイ）の元で修行した彼は、軍と癒着して汚職する軍需産業の総帥グローブ（シオッフィ）を「処理」すべく動き出す。
マーフィー＆サピアによるアクション小説シリーズ１作目の映画化です。 懐かしいなあ、この「殺人機械」シリーズ。 ７０年代の海外エンタテインメント翻訳文庫の二大巨頭といえばハヤカワ文庫ＮＶ（当時は早川ＮＶ文庫だった気が）と創元推理文庫ですが、その創元の看板シリーズのひとつでした。 他の看板といえばドン・ペンドルトンの「マフィアへの挑戦」と、ハドリー・チェイスの悪女物かな。 古き良き時代です。
パルプ・フィクション的Ｂ級娯楽小説には違いないのですが、元々の原作者が離れても別の著者によって書き継がれ、１５０冊以上にも及ぶシリーズとなっています（日本では初期の１０作程度の紹介）。 戸籍上死亡して別人の工作員になるのは、 「ザ・ハングマン」 や、 「裏刑事」 、 「特命刑事ザ・コップ」（ともに原作はコミック）等で日本のドラマではお馴染み(？)ですが、この設定って何がルーツなんだろう。 フィクションにおいてはこの殺人機械あたりが大元なんだろうか。
閑話休題。 主演は名バイプレーヤーのフレッド・ウォード。 ピンの主役級の人ではないのですが、 「アルカトラズからの脱出」 、 「ライトスタッフ」 や 「地獄の７人」 などを経て本作で初主演。 正直、地味目の人で以後の主演作は「トレマーズ」シリーズぐらいですが、この地味さが意外に似合う。 元警官だけにそれなりに強いとは言え等身大の男が架空の武術「シナンジュ」を体得して、至近距離でぶっ放される銃弾までよけちゃう成長物語(笑)。
で、このシナンジュの師匠チュンが出色の面白さ。 前述のとおり数メートル先から発射した銃弾をよけたりして、コメディ映画でもやらん描写なのに一応シリアス。 弟子の背後から唐突に銃を撃ったり、細い板を渡る訓練中に照明を消したりやりたい放題。 指先１本で人を行動不能にする達人のくせに、アメリカのハンバーガーや文化を罵倒しつつも「これだけはアメリカ唯一の芸術だ」と言って大ファンなのがソープ・オペラ（メロドラマ）。 しかも、映像上で見る限りでは、日本の昼メロに匹敵しそうなコテコテのドラマ。 これをゆったりと眺める師匠が何度も出て来て腹あ抱えます。
レモの訓練を依頼した政府エージェント（プレストン）との会話とかも笑わせてくれます。 「レモはもう使えるか」、「あと少しだ」、「どれぐらいだ？」、「１５年だな」、「……（絶句）」、「鍛えれば１４年半になるかも知れん」。 …本作、コメディではないです。 なかったはず。
これを演じてるのが、名作「キャバレー」で数々の賞をかっぱいだジョエル・グレイ。 そんな名優が何やってんだか。 この修行シーンの前半を退屈させずに本筋の軍需産業侵入等につないでくれたので、見終えた後は、なぜウォード＋グレイで続編作らなかったとちょっとだけ残念な気持ちになったのでした。 ちょっとだけだけどね。
ちなみに、日本には入ってませんが、キャスト、スタッフを一新して３年後にレモ・ウィリアムス物の１時間スペシャルドラマが作られてます。 その時にトップ・キャストだったのはチュン役のロディ・マクドウォール。 あー、やっぱり主役はチュンなのね A^o^;
マーフィー＆サピアによるアクション小説シリーズ１作目の映画化です。 懐かしいなあ、この「殺人機械」シリーズ。 ７０年代の海外エンタテインメント翻訳文庫の二大巨頭といえばハヤカワ文庫ＮＶ（当時は早川ＮＶ文庫だった気が）と創元推理文庫ですが、その創元の看板シリーズのひとつでした。 他の看板といえばドン・ペンドルトンの「マフィアへの挑戦」と、ハドリー・チェイスの悪女物かな。 古き良き時代です。
パルプ・フィクション的Ｂ級娯楽小説には違いないのですが、元々の原作者が離れても別の著者によって書き継がれ、１５０冊以上にも及ぶシリーズとなっています（日本では初期の１０作程度の紹介）。 戸籍上死亡して別人の工作員になるのは、 「ザ・ハングマン」 や、 「裏刑事」 、 「特命刑事ザ・コップ」（ともに原作はコミック）等で日本のドラマではお馴染み(？)ですが、この設定って何がルーツなんだろう。 フィクションにおいてはこの殺人機械あたりが大元なんだろうか。
閑話休題。 主演は名バイプレーヤーのフレッド・ウォード。 ピンの主役級の人ではないのですが、 「アルカトラズからの脱出」 、 「ライトスタッフ」 や 「地獄の７人」 などを経て本作で初主演。 正直、地味目の人で以後の主演作は「トレマーズ」シリーズぐらいですが、この地味さが意外に似合う。 元警官だけにそれなりに強いとは言え等身大の男が架空の武術「シナンジュ」を体得して、至近距離でぶっ放される銃弾までよけちゃう成長物語(笑)。
で、このシナンジュの師匠チュンが出色の面白さ。 前述のとおり数メートル先から発射した銃弾をよけたりして、コメディ映画でもやらん描写なのに一応シリアス。 弟子の背後から唐突に銃を撃ったり、細い板を渡る訓練中に照明を消したりやりたい放題。 指先１本で人を行動不能にする達人のくせに、アメリカのハンバーガーや文化を罵倒しつつも「これだけはアメリカ唯一の芸術だ」と言って大ファンなのがソープ・オペラ（メロドラマ）。 しかも、映像上で見る限りでは、日本の昼メロに匹敵しそうなコテコテのドラマ。 これをゆったりと眺める師匠が何度も出て来て腹あ抱えます。
レモの訓練を依頼した政府エージェント（プレストン）との会話とかも笑わせてくれます。 「レモはもう使えるか」、「あと少しだ」、「どれぐらいだ？」、「１５年だな」、「……（絶句）」、「鍛えれば１４年半になるかも知れん」。 …本作、コメディではないです。 なかったはず。
これを演じてるのが、名作「キャバレー」で数々の賞をかっぱいだジョエル・グレイ。 そんな名優が何やってんだか。 この修行シーンの前半を退屈させずに本筋の軍需産業侵入等につないでくれたので、見終えた後は、なぜウォード＋グレイで続編作らなかったとちょっとだけ残念な気持ちになったのでした。 ちょっとだけだけどね。
ちなみに、日本には入ってませんが、キャスト、スタッフを一新して３年後にレモ・ウィリアムス物の１時間スペシャルドラマが作られてます。 その時にトップ・キャストだったのはチュン役のロディ・マクドウォール。 あー、やっぱり主役はチュンなのね A^o^;
［音楽とサントラ］
音楽はＢ級映画の雄、「がんばれ！ベアーズ特訓中」や「バイオ・インフェルノ」のクレイグ・サファン。 前年担当作の
「スターファイター」
同様、下世話ながら元気に鳴らすマーチ調のメインテーマをまずぶちかまします。 「スターファイター」では幕末のマーチ（たぶん『宮さん宮さん』の曲名でも知られる『維新マーチ』）を織り込んでましたが、本作では本編にゆかりのある韓国民謡風のメロディも展開します。
楽器編成はオーケストラとはいえ、シンセサイザーも全面採用。 本編スコアではシンセが勝っている曲も多く聴かれます。 ８０年代中頃といえば、 ＭＩＤＩ規格が確立し、 全ての音楽ジャンルにシンセサイザーが浸食していった時期。 映画音楽も御多分に洩れず、本作もそういう意味では当時の最新流行の楽曲ではあるのです。
ただ、メインタイトル音楽に顕著ですが、リズムワークのシンセは当時流行したディスコ寄りのフュージョンの息吹が感じられ、今となっては若干古さを感じてしまう。 でも、楽曲後半の、リズム隊のアタックにサンプリングした花火の音を挿入するなど、いろいろと遊んでいるのが感じられるスコアではありました。
とはいえ、いずれにしても景気の良いＢ級アクション音楽で、こういうのは個人的には大好きです。 そんな３０曲７０分でした。 ここに紹介したＣＤは PERSEVERANCE が2006年にリリースした、正規商品としては最初のＣＤ化。 後に INTRADA 等からトラック構成を変えてリイシューされています。 何気に人気あるのね。 サファンなら「シーフォース／戦艦インディアナポリス出撃」とか手に入らんかなあ（ＣＤは出ています）。 (2025/09/13：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 53%（30曲中16曲）
楽器編成はオーケストラとはいえ、シンセサイザーも全面採用。 本編スコアではシンセが勝っている曲も多く聴かれます。 ８０年代中頃といえば、 ＭＩＤＩ規格が確立し、 全ての音楽ジャンルにシンセサイザーが浸食していった時期。 映画音楽も御多分に洩れず、本作もそういう意味では当時の最新流行の楽曲ではあるのです。
ただ、メインタイトル音楽に顕著ですが、リズムワークのシンセは当時流行したディスコ寄りのフュージョンの息吹が感じられ、今となっては若干古さを感じてしまう。 でも、楽曲後半の、リズム隊のアタックにサンプリングした花火の音を挿入するなど、いろいろと遊んでいるのが感じられるスコアではありました。
とはいえ、いずれにしても景気の良いＢ級アクション音楽で、こういうのは個人的には大好きです。 そんな３０曲７０分でした。 ここに紹介したＣＤは PERSEVERANCE が2006年にリリースした、正規商品としては最初のＣＤ化。 後に INTRADA 等からトラック構成を変えてリイシューされています。 何気に人気あるのね。 サファンなら「シーフォース／戦艦インディアナポリス出撃」とか手に入らんかなあ（ＣＤは出ています）。 (2025/09/13：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 53%（30曲中16曲）
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第四の核 THE FOURTH PROTOCOL (1987)
音楽：ラロ・シフリン
監督：ジョン・マッケンジー／原作・脚本：フレデリック・フォーサイス「第四の核」／製作総指揮：フレデリック・フォーサイス、マイケル・ケインほか
出演： マイケル・ケイン、 ピアース・ブロスナン、 ジョアンナ・キャシディ、 ネッド・ビーティ、 ジュリアン・グローヴァー、 マイケル・ガフ、 レイ・マカナリー、 イアン・リチャードソン
CD／2014／BSX RECORDS／BSXCD8882／BSX RECORDS(Buysoundtracks)／\2,241／\1,741［輸入盤新譜割引］
内乱を起こして米国と西欧の分断を図るため、イギリスに核爆弾を持ち込むＫＧＢ工作員（ブロスナン）と、イギリス情報部ＭＩ５の窓際工作員ハリー・パーマーじゃなくてプレストン（ケイン）の戦いを描く、Ｆ・フォーサイスによるポリティカル・サスペンスの映画化。
残念ながら管理人は未見。 明らかに 「国際諜報局」のハリー・パーマー を意識してるキャスティング（つうかケインは製作総指揮にも名を連ねてます）、そして対峙するのが後の００７、さらにフォーサイス自身が脚本を執筆と、けっこう面白い映画だそうなのに無念。 フォーサイス原作映画ってそれほどハズレはないしね。 いや、そらさあ、「ハイディング・プレイス」みたいに、日本での映像化（フジテレビ）前提で書き下ろしたらあまりに酷い出来なので製作話が立ち消えになった、なんて話もありますけどね。 「ハイディング・プレイス」、俺けっこう期待して読んだんだけどヒドかったもん。
ともあれ、見たいんですよこの映画。 でも、いま過去の映画はほとんどオンデマンドと言われてるにも関わらず、本作は配信各社どこにもない。 けっ。 だから配信はよう。 ツタヤ・ディスカスにも在庫なし。 車つかって気軽に行けた駐車場があるツタヤ路面店は、管理人の周辺地域は全滅。 中古ＤＶＤでも長年探してますが見つからんし、ネットショップやネットオクだと中古でも3000円オーバー。 うーん、流石に出せない。
まあシフリン追悼も兼ねて、ＣＤだけレビューしておきましょうか、って感じです。 そのうち本編見たらコメント書く。 最速に書くよ第四の核だけに（←苦しい）。
残念ながら管理人は未見。 明らかに 「国際諜報局」のハリー・パーマー を意識してるキャスティング（つうかケインは製作総指揮にも名を連ねてます）、そして対峙するのが後の００７、さらにフォーサイス自身が脚本を執筆と、けっこう面白い映画だそうなのに無念。 フォーサイス原作映画ってそれほどハズレはないしね。 いや、そらさあ、「ハイディング・プレイス」みたいに、日本での映像化（フジテレビ）前提で書き下ろしたらあまりに酷い出来なので製作話が立ち消えになった、なんて話もありますけどね。 「ハイディング・プレイス」、俺けっこう期待して読んだんだけどヒドかったもん。
ともあれ、見たいんですよこの映画。 でも、いま過去の映画はほとんどオンデマンドと言われてるにも関わらず、本作は配信各社どこにもない。 けっ。 だから配信はよう。 ツタヤ・ディスカスにも在庫なし。 車つかって気軽に行けた駐車場があるツタヤ路面店は、管理人の周辺地域は全滅。 中古ＤＶＤでも長年探してますが見つからんし、ネットショップやネットオクだと中古でも3000円オーバー。 うーん、流石に出せない。
まあシフリン追悼も兼ねて、ＣＤだけレビューしておきましょうか、って感じです。 そのうち本編見たらコメント書く。 最速に書くよ第四の核だけに（←苦しい）。
［音楽とサントラ］
さてシフリン担当のその音楽。 タイトル音楽こそロシア民謡風の異国情緒で始まりますが、
「テレフォン」
と同じく、メロディ不足でスリリングな状況演出の曲が大半。 もっとも背後にシームレスに流れるストリングス、ホーンのアタックなどシフリンらしい編曲も聴かれますので、聴き慣れている私は意外に満足。 ただ、音楽のアルバムとして単独で聴くのは難しいかな。 あくまで「サウンドトラック」です。
しかし最後の最後のエンドクレジットで、刻むようなストリングスに、視界が開けるようなメロディワークなど、 『自由の女神マーチ』 、 「エアポート’８０」 、 「戦場にかける橋２」 、 「スターフライト・ワン」 など８０年代シンフォニック・シフリンの特徴が聴こえ、もうこの曲だけで元とったと思わせてくれました。 途中にロシアン・メロディも入ってくるから本作なりの特徴もあるし。 あー、「スターフライト・ワン」とかＣＤ出てくれねーかなー、と思わせる１６曲４２分収録です。 本盤は公開時ＬＰ／ＣＤの、BSX による2014年リイシューＣＤです。 (2025/09/13：管理人から一言)
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しかし最後の最後のエンドクレジットで、刻むようなストリングスに、視界が開けるようなメロディワークなど、 『自由の女神マーチ』 、 「エアポート’８０」 、 「戦場にかける橋２」 、 「スターフライト・ワン」 など８０年代シンフォニック・シフリンの特徴が聴こえ、もうこの曲だけで元とったと思わせてくれました。 途中にロシアン・メロディも入ってくるから本作なりの特徴もあるし。 あー、「スターフライト・ワン」とかＣＤ出てくれねーかなー、と思わせる１６曲４２分収録です。 本盤は公開時ＬＰ／ＣＤの、BSX による2014年リイシューＣＤです。 (2025/09/13：管理人から一言)
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第七の予言 THE SEVENTH SIGN (1988)
音楽： ジャック・ニッチェ
監督：カール・シュルツ
出演：デミ・ムーア、マイケル・ビーン、ユルゲン・プロホノフ、ピーター・フリードマン、マニー・ジェイコブス、ジョン・テイラー、リー・ガーリントン、アコスア・バシア、ハリー・Ｗ・ベイジル
CD／1988／ポリドール／P32P20179／INTERSOUND／\3,200／\997［中古］
「新約聖書」のヨハネの黙示録に記された"七つの予言"。 それと同じ現象が世界各地で次々と起こる。 一方で、アメリカに住む妊婦アビー（ムーア）は新たに下宿人デビッド（プロホノフ）を迎えるが、その男に不審を抱く。 「第七の予言」が実現して世界が破滅しようとするのを、一人の妊婦が阻止しようと奮闘するオカルト・サスペンス。
中盤から一気に話が転がり出してからはまずまず面白いんですが、それまでがどうもなあ。 まず予言のとおり発生する事象がショボい。 魚が全滅するのはハイチだけ、河が血のようになるのはどっかの秘境のジャングルだけ。 映像に出さなくても良いから、世界各地で同様の現象が、ぐらい風呂敷広げても良かったのに。
あとアビーがデビッドに不審を抱く過程がぜんぜん描写されないため、いきなり新下宿人の部屋の家探しを始めたりする。 おいおい単なるトンデモ大家だぞ。 さらに、まだ滅亡阻止には動いていない前半に、大きなお腹抱えて豪雨の中買い物に行って傘を指して走ったりもする。 案の定、流産しかけるのですが家でおとなしくしてろと。
確かにデビッドは観客には不気味さを強調して描いているんだけど、弁護士の旦那（ビーン）と３人、ニコヤカに食事した後に嫁が家探ししちゃダメだろ。 その辺の説明を端折ってるので、アビーがただのトンデモ女にしか見えない。 この辺は、「彼は不気味だからいいよねお客さん？」と手ぇ抜いた感がありあり。 主人公の行動原理の描写が不足しているので、前半はいまいちノレない。
後半は、弁護士の旦那が担当する死刑囚とかちゃんと絡んできてまずまずなのですが、そもそもアビーの動機は世界の破滅阻止よりも自分のベビー大事なわけで、そこを軸にちゃんと描いてればもう少し良くなったのにと惜しまれます。
でもね、新約聖書の通りに世界が破滅するとかね、そんならアジアとか日本とかあんまり関係なさそうだし、この手のアングロサクソン宗教ネタ映画って厨二病感ハンパないんだけどね。 「ゴースト」で世界のトップスターに駆け上がる直前のデミ・ムーア、既に十分美しいです。 でも言動は厨二病(笑)。
中盤から一気に話が転がり出してからはまずまず面白いんですが、それまでがどうもなあ。 まず予言のとおり発生する事象がショボい。 魚が全滅するのはハイチだけ、河が血のようになるのはどっかの秘境のジャングルだけ。 映像に出さなくても良いから、世界各地で同様の現象が、ぐらい風呂敷広げても良かったのに。
あとアビーがデビッドに不審を抱く過程がぜんぜん描写されないため、いきなり新下宿人の部屋の家探しを始めたりする。 おいおい単なるトンデモ大家だぞ。 さらに、まだ滅亡阻止には動いていない前半に、大きなお腹抱えて豪雨の中買い物に行って傘を指して走ったりもする。 案の定、流産しかけるのですが家でおとなしくしてろと。
確かにデビッドは観客には不気味さを強調して描いているんだけど、弁護士の旦那（ビーン）と３人、ニコヤカに食事した後に嫁が家探ししちゃダメだろ。 その辺の説明を端折ってるので、アビーがただのトンデモ女にしか見えない。 この辺は、「彼は不気味だからいいよねお客さん？」と手ぇ抜いた感がありあり。 主人公の行動原理の描写が不足しているので、前半はいまいちノレない。
後半は、弁護士の旦那が担当する死刑囚とかちゃんと絡んできてまずまずなのですが、そもそもアビーの動機は世界の破滅阻止よりも自分のベビー大事なわけで、そこを軸にちゃんと描いてればもう少し良くなったのにと惜しまれます。
でもね、新約聖書の通りに世界が破滅するとかね、そんならアジアとか日本とかあんまり関係なさそうだし、この手のアングロサクソン宗教ネタ映画って厨二病感ハンパないんだけどね。 「ゴースト」で世界のトップスターに駆け上がる直前のデミ・ムーア、既に十分美しいです。 でも言動は厨二病(笑)。
［音楽とサントラ］
音楽は
「スターマン 愛、宇宙はるかに」
のジャック・ニッチェ。 「カッコーの巣の上で」のミュージカル・ソーや、「スターマン」等の電子音でけっこう不気味な音楽の多い人というイメージを持ってまして、本作も若干オカルト風味だけに、個々の楽器の音色は明るいながらも全体としては重苦しい楽想の曲が続きます。 不気味なタイコに不気味なコーラス、ピチカート奏法による不協和音も乗ってきて、いかにも宗教がらみ。
とはいえ、元々ポップス畑だけに、「ナイルの宝石」のラブ・テーマなど美しい曲も書ける人。 「愛と青春の旅立ち」の主題歌はつとに有名ですね（バフィ・セント・メリーと共作）。 クライマックスの『アビーの死』のシーン（トラックタイトルで分かるので書いちゃった）には救済の意味なのか厳かで綺麗な曲をつけ、エンド・クレジットでは希望の旋律を奏でます。 くっら〜いアルバムを通しで聴いてると、この最後の２曲でほんと救われる、１４曲４７分でした。 (2025/09/13：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 21%（14曲中3曲）
とはいえ、元々ポップス畑だけに、「ナイルの宝石」のラブ・テーマなど美しい曲も書ける人。 「愛と青春の旅立ち」の主題歌はつとに有名ですね（バフィ・セント・メリーと共作）。 クライマックスの『アビーの死』のシーン（トラックタイトルで分かるので書いちゃった）には救済の意味なのか厳かで綺麗な曲をつけ、エンド・クレジットでは希望の旋律を奏でます。 くっら〜いアルバムを通しで聴いてると、この最後の２曲でほんと救われる、１４曲４７分でした。 (2025/09/13：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 21%（14曲中3曲）
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衝撃の告発！ＱＢセブン 別題：ＱＢセブン ロンドン裁判所第７号法廷（テレビ） QB VII (1974)
音楽：ジェリー・ゴールドスミス
監督：トム・グリース（トム・グライス）／原作：レオン・ユリス「キュービー・セブン」
出演：ベン・ギャザラ、アンソニー・ホプキンス、レスリー・キャロン、アンソニー・クエイル、リー・レミック、ジュリエット・ミルズ、ダン・オハーリヒー、ジョン・ギールグッド、サム・ジャッフェ、ジョセフ・ワイズマン
CD／1995／INTRADA／MAF7061D／INTRADA／\----／\2,000［輸入盤中古］
原題の "QB VII" は、Queen's Bench Court Room No.7 の略で、直訳すると「第七号法廷」。 Queen's Bench はイギリス王立裁判所で民事訴訟を担当する部署。 作家（ギャザラ）の著作により人体実験的手術を行ったと告発されたナチスのポーランド人医師（ホプキンス）が、名誉棄損で作家を告訴。 しかし、法廷で逆に医師は追いつめられていくという３６０分の法廷ドラマ。
テレビ・ミニシリーズ草創期の草分けとなった一作で、その後「リッチマン・プアマン／青春の炎」(1976)、 「マネーチェンジャース」(1976) 等がつづき、1977年の「ルーツ」の大ヒットによりこの放送型式が定着しました。
原作は、 「エクソダス 栄光への脱出」 や、ヒッチコックが映画化した「トパーズ」を著したユダヤ系アメリカ人作家レオン・ユリス。 「エクソダス」のナチス医師の描写をめぐって、ユリスが実際に名誉棄損で告訴された事件を元にしているそうです。 骨太の法廷ドラマの傑作だそうですが、残念ながら管理人は未見。 日本での放送当時は１０歳かそこらなので無理か。 ３年後の「マネーチェンジャース」は見ているのに惜しい。
テレビ・ミニシリーズ草創期の草分けとなった一作で、その後「リッチマン・プアマン／青春の炎」(1976)、 「マネーチェンジャース」(1976) 等がつづき、1977年の「ルーツ」の大ヒットによりこの放送型式が定着しました。
原作は、 「エクソダス 栄光への脱出」 や、ヒッチコックが映画化した「トパーズ」を著したユダヤ系アメリカ人作家レオン・ユリス。 「エクソダス」のナチス医師の描写をめぐって、ユリスが実際に名誉棄損で告訴された事件を元にしているそうです。 骨太の法廷ドラマの傑作だそうですが、残念ながら管理人は未見。 日本での放送当時は１０歳かそこらなので無理か。 ３年後の「マネーチェンジャース」は見ているのに惜しい。
［音楽とサントラ］
ところがサントラは持ってる。 私がサントラＣＤ収集を始めた最初期の頃に買ったＣＤで、入った会社の隣のビル、新宿ＮＳビルにあった、今はなき中古ＣＤ店「メモリー」で購入しています。
昼食ついでに訪店したらどえらいサントラのラインナップ。 そこにあったのは 「インチョン」 、 「ネレトバの戦い」、 「マッカーサー」 、 「空軍大戦略」 、 「荒鷲の要塞／６３３爆撃隊」 、 「大いなる西部／西部開拓史」 、 「特攻大作戦／脱走山脈」 と大量で、この時はじめて、サントラがけっこうＣＤ化されていることを知ったのです。 実は、この店でのＣＤ群との出会いが、私をサントラＣＤの泥沼に引きずり込んだのでした。
安月給だというのに上に並べたＣＤを全部購入した中の１枚が "QB VII"。 他は流石に本編について知っていたのですが、本作はどういう作品か全く知らないながら、とりあえずゴールドスミスなのでエイヤと。 まだインターネットすら普及していない時期で、"QB" の意味も分からず、2014年創業の「ＱＢハウス」はまだ影も形もないので床屋とも勘違いせず、それどころか映画ではなくテレビ・ミニシリーズだとも知りませんでした。 どんな映画かわからないながら、なんとなくスペクタル史劇と思ってました。
だってね、そう勘違いさせるほど、ダイナミックに聴かせるんですもの。 緊迫感ありながらゴージャスなメインタイトル、すぐ次に異国情緒あふれる砂漠の風景や逃亡の表現、ストリングスとギターがじっくりと聴かせる、なんの壁だかわからないけど「壁」の描写、そして合間に聴こえる愛情あふれる楽曲。 いや、ほんと、「アラビアのロレンス」みたいな、僻地で活躍した歴史上の偉人の伝記映画かと思ったですよ。
後になって調べてみれば、異国情緒はユダヤ音楽の旋律ですし、"The Holocaust" という曲名まであるんですから、せめて戦争映画と勘違いしろよバカか俺とも思うのですが。 最終トラックは "A Kaddish For The Six Million"＝"600万の死者へのユダヤの祈り"によるタイトル曲の変奏。 いやこれで法廷ドラマとは思えない。 それほどの力作です。
でも、この時期のミニシリーズは、各局が力を入れて予算もあったのでしょう、音楽は奢ってますね。 「リッチマン・プアマン」はアレックス・ノース、「マネーチェンジャース」はマンシーニ、「ルーツ」はクインシー・ジョーンズ。 本作のゴールドスミスも名作の誉れ高く、アンダースコアも含めて再演奏したアルバムまである（右写真）１２曲３６分でした。 日本版ＤＶＤがないのが残念。 (2025/09/13：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 83%（12曲中10曲）
昼食ついでに訪店したらどえらいサントラのラインナップ。 そこにあったのは 「インチョン」 、 「ネレトバの戦い」、 「マッカーサー」 、 「空軍大戦略」 、 「荒鷲の要塞／６３３爆撃隊」 、 「大いなる西部／西部開拓史」 、 「特攻大作戦／脱走山脈」 と大量で、この時はじめて、サントラがけっこうＣＤ化されていることを知ったのです。 実は、この店でのＣＤ群との出会いが、私をサントラＣＤの泥沼に引きずり込んだのでした。
安月給だというのに上に並べたＣＤを全部購入した中の１枚が "QB VII"。 他は流石に本編について知っていたのですが、本作はどういう作品か全く知らないながら、とりあえずゴールドスミスなのでエイヤと。 まだインターネットすら普及していない時期で、"QB" の意味も分からず、2014年創業の「ＱＢハウス」はまだ影も形もないので床屋とも勘違いせず、それどころか映画ではなくテレビ・ミニシリーズだとも知りませんでした。 どんな映画かわからないながら、なんとなくスペクタル史劇と思ってました。
だってね、そう勘違いさせるほど、ダイナミックに聴かせるんですもの。 緊迫感ありながらゴージャスなメインタイトル、すぐ次に異国情緒あふれる砂漠の風景や逃亡の表現、ストリングスとギターがじっくりと聴かせる、なんの壁だかわからないけど「壁」の描写、そして合間に聴こえる愛情あふれる楽曲。 いや、ほんと、「アラビアのロレンス」みたいな、僻地で活躍した歴史上の偉人の伝記映画かと思ったですよ。
後になって調べてみれば、異国情緒はユダヤ音楽の旋律ですし、"The Holocaust" という曲名まであるんですから、せめて戦争映画と勘違いしろよバカか俺とも思うのですが。 最終トラックは "A Kaddish For The Six Million"＝"600万の死者へのユダヤの祈り"によるタイトル曲の変奏。 いやこれで法廷ドラマとは思えない。 それほどの力作です。
でも、この時期のミニシリーズは、各局が力を入れて予算もあったのでしょう、音楽は奢ってますね。 「リッチマン・プアマン」はアレックス・ノース、「マネーチェンジャース」はマンシーニ、「ルーツ」はクインシー・ジョーンズ。 本作のゴールドスミスも名作の誉れ高く、アンダースコアも含めて再演奏したアルバムまである（右写真）１２曲３６分でした。 日本版ＤＶＤがないのが残念。 (2025/09/13：管理人から一言)
【個人的収録曲ヒット率】 83%（12曲中10曲）
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オリジナル版 懐かしの特撮ヒーロー大全(1) 1958-1967
［オムニバス盤］
CD／1995／東芝EMI／TOCT-8791／各社／\2,000／\2,000［中古］
［アルバム解説］
日本における特撮音楽やアニメ音楽出版は、日本コロムビア、キングレコード二社の寡占状態と思いきや、どっこいそこには "第三の男"、いや第三の会社がいました。 その名は、東芝EMI。
同社は ゴジラのサントラシリーズ を出してたアニメ・特撮専門レーベル「ユーメックス」を抱えていましたし、この手の企画モノ主題歌集とか意外に多かったのです。 海外ドラマの日本版主題歌集 などというマニアックなＣＤも出しています。
ここに紹介する「懐かしの特撮ヒーロー大全」シリーズＣＤも、年代別にテレビ特撮ヒーローの主題歌を総ざらえして並べようという、「大全」の名にふさわしい全集企画。 しかもアルバムタイトルに「オリジナル版」とある通り、いずれもサントラ音源（制作者の公式音源）を使用するこだわりぶり。 ジャケット・デザインがウカれた漫画タッチのためその良さがいまひとつスポイルされている気がしますが、なかなかの労作だと思います。
残念ながら、東芝EMIは2013年にユニバーサルミュージックに吸収合併・解散しているので、このシリーズも廃盤になっています。 ネットの販売サイトやオークションでは、ものによってはかなりのプレミア価格。 ただ、私は収録された音源はけっこう他の盤で持っているので、このシリーズでしか手に入りにくい音源を求めてつまみ食い的に購入しており、今回ご紹介する３枚以外は持っていません（今後も中古屋で安く見かけたら買うけど）。
シリーズの２枚目以降は、作品数が多いため２年分で１枚となっているものが多いのですが、１枚目は1958年から1967年まで１０年分で１枚。 当時の特撮ヒーロー作品数を考えればそんなもんでしょう。 この (1) の収録作品の半分以上は私が赤ん坊以前の放映で見ていない作品なのですが、目当てだったのが「スパイキャッチャーJ3」。
ニューヨーク。世界の平和を象徴するこの建物の中に、
そんなオフィスがあることを知る者は少ない。
その名を "The Undercover Line of International Police"、
略してTULIP（チューリップ）という。
この組織は世界各地に拡がっていて、
そこに働く人々は俗に "スパイキャッチャー" と呼ばれている。
これは、国際謀略反乱グループ "TIGER"（タイガー）と対決する
日本支部の腕利き、J3壇俊介の物語である。
（オープニングナレーション／声：田川恒夫）
都筑道夫の和製００７小説、「暗殺教程」を原作としたドラマなのは昔から知っていて非常に見たかったのですが、ポジフィルム、放送マスターがほとんど現存せず、再放送等は不可能。 それでも残存している数話が商品化され（上のＤＶＤ写真をクリックするとAmazonに飛びます）、ケーブルテレビで放映されたりしたので見ることが出来ました。
空飛ぶクルマに特殊武器、電話から飛び出す短剣など珍妙なしかけ、まだ実用化前の自動車電話等が現れ、防諜組織TULIPという設定など、００７のフォロワーというより 「００１１ナポレオン・ソロ」 の追従作品ですね。 これが、昔の話とはいえそこそこ面白い。 もちろんそんな期待値がくないせいもあるのですが。 主題歌はテケテケエレキのゴーゴー調演歌っぽい曲で、別にささりゃしないんだけど、商品があるならばと、つい買ってしまった次第。 作曲は伊部晴美。
なお本編音楽は菊池俊輔。 主演は川津祐介ですが、TULIP日本支部のボスJ1が丹波哲郎。 プロデューサーは東映の近藤照男で、つまり丹波、近藤、菊池は 「キイハンター」 のトリオ。 この後 「Ｇメン '７５」 に至るまでの、近藤Ｐの黄金時代の皮切りとなった作品なのでした。
他の収録曲では、この「スパイキャッチャーJ3」の流れを組むスパイアクション・コメディで、自動車屋台レストラン "アタック軒" を営む拳次郎が実は特別エージェントという「アタック拳」に、「遊星王子」や「ナショナルキッド」等がざらざらと。 この辺まったく見ちゃおりませんが（俺はハイハイしてた時期だ）。 日本における特撮ヒーローものの元祖ともいうべき「月光仮面」がないのが不思議。 「豹の眼」(1959)、「快傑ハリマオ」(1960) 等もないので、この辺は特撮ヒーローではなく現代活劇というくくりでしょうか。 「月光」と同じ川内康範原作の「アラーの使者」は入っているのに。 まあ「少年ジェット」(1959)、「七色仮面」(1959)、「忍者部隊月光」(1964)、「黄金バット」(1966) と、落ちているものもけっこうあるのですが（シリーズ続巻の「補遺編」にいくつか収録されています）。
この頃の主題歌を古いものから順に聞いていると、いろいろ語りたいこともあるのですが、このＣＤの稿が長くなり過ぎたので、その辺は 次に掲示した (2) で書きました。 この (1) の収録曲は３０曲６６分。 (2025/09/06：管理人から一言)
［収録作品］（『 』内は曲名、［ ］は作曲者、【ひ】は当サイト単独盤・関連盤へのリンク）
【個人的収録曲ヒット率】 （オムニバス盤なので対象外）
同社は ゴジラのサントラシリーズ を出してたアニメ・特撮専門レーベル「ユーメックス」を抱えていましたし、この手の企画モノ主題歌集とか意外に多かったのです。 海外ドラマの日本版主題歌集 などというマニアックなＣＤも出しています。
ここに紹介する「懐かしの特撮ヒーロー大全」シリーズＣＤも、年代別にテレビ特撮ヒーローの主題歌を総ざらえして並べようという、「大全」の名にふさわしい全集企画。 しかもアルバムタイトルに「オリジナル版」とある通り、いずれもサントラ音源（制作者の公式音源）を使用するこだわりぶり。 ジャケット・デザインがウカれた漫画タッチのためその良さがいまひとつスポイルされている気がしますが、なかなかの労作だと思います。
残念ながら、東芝EMIは2013年にユニバーサルミュージックに吸収合併・解散しているので、このシリーズも廃盤になっています。 ネットの販売サイトやオークションでは、ものによってはかなりのプレミア価格。 ただ、私は収録された音源はけっこう他の盤で持っているので、このシリーズでしか手に入りにくい音源を求めてつまみ食い的に購入しており、今回ご紹介する３枚以外は持っていません（今後も中古屋で安く見かけたら買うけど）。
シリーズの２枚目以降は、作品数が多いため２年分で１枚となっているものが多いのですが、１枚目は1958年から1967年まで１０年分で１枚。 当時の特撮ヒーロー作品数を考えればそんなもんでしょう。 この (1) の収録作品の半分以上は私が赤ん坊以前の放映で見ていない作品なのですが、目当てだったのが「スパイキャッチャーJ3」。
ニューヨーク。世界の平和を象徴するこの建物の中に、そんなオフィスがあることを知る者は少ない。
その名を "The Undercover Line of International Police"、
略してTULIP（チューリップ）という。
この組織は世界各地に拡がっていて、
そこに働く人々は俗に "スパイキャッチャー" と呼ばれている。
これは、国際謀略反乱グループ "TIGER"（タイガー）と対決する
日本支部の腕利き、J3壇俊介の物語である。
（オープニングナレーション／声：田川恒夫）
都筑道夫の和製００７小説、「暗殺教程」を原作としたドラマなのは昔から知っていて非常に見たかったのですが、ポジフィルム、放送マスターがほとんど現存せず、再放送等は不可能。 それでも残存している数話が商品化され（上のＤＶＤ写真をクリックするとAmazonに飛びます）、ケーブルテレビで放映されたりしたので見ることが出来ました。
空飛ぶクルマに特殊武器、電話から飛び出す短剣など珍妙なしかけ、まだ実用化前の自動車電話等が現れ、防諜組織TULIPという設定など、００７のフォロワーというより 「００１１ナポレオン・ソロ」 の追従作品ですね。 これが、昔の話とはいえそこそこ面白い。 もちろんそんな期待値がくないせいもあるのですが。 主題歌はテケテケエレキのゴーゴー調演歌っぽい曲で、別にささりゃしないんだけど、商品があるならばと、つい買ってしまった次第。 作曲は伊部晴美。
なお本編音楽は菊池俊輔。 主演は川津祐介ですが、TULIP日本支部のボスJ1が丹波哲郎。 プロデューサーは東映の近藤照男で、つまり丹波、近藤、菊池は 「キイハンター」 のトリオ。 この後 「Ｇメン '７５」 に至るまでの、近藤Ｐの黄金時代の皮切りとなった作品なのでした。
他の収録曲では、この「スパイキャッチャーJ3」の流れを組むスパイアクション・コメディで、自動車屋台レストラン "アタック軒" を営む拳次郎が実は特別エージェントという「アタック拳」に、「遊星王子」や「ナショナルキッド」等がざらざらと。 この辺まったく見ちゃおりませんが（俺はハイハイしてた時期だ）。 日本における特撮ヒーローものの元祖ともいうべき「月光仮面」がないのが不思議。 「豹の眼」(1959)、「快傑ハリマオ」(1960) 等もないので、この辺は特撮ヒーローではなく現代活劇というくくりでしょうか。 「月光」と同じ川内康範原作の「アラーの使者」は入っているのに。 まあ「少年ジェット」(1959)、「七色仮面」(1959)、「忍者部隊月光」(1964)、「黄金バット」(1966) と、落ちているものもけっこうあるのですが（シリーズ続巻の「補遺編」にいくつか収録されています）。
この頃の主題歌を古いものから順に聞いていると、いろいろ語りたいこともあるのですが、このＣＤの稿が長くなり過ぎたので、その辺は 次に掲示した (2) で書きました。 この (1) の収録曲は３０曲６６分。 (2025/09/06：管理人から一言)
［収録作品］（『 』内は曲名、［ ］は作曲者、【ひ】は当サイト単独盤・関連盤へのリンク）
- 遊星王子 (1958) 〜『遊星王子のうた』《児童合唱団》 ［服部克久］
- 海底人8823(ハヤブサ) (1960) 〜『海底人8823、高原の湖』《ビクター児童合唱団、田端典子》 ［宮城秀雄］
- アラーの使者 (1960) 〜『アラーの使者、手のひらに何はなくとも』《上高田少年合唱団、峰悠二》 ［ジョージ・Ｍ・リード］
- ナショナルキッド (1960) 〜『ナショナルキッドのうた』《児童合唱団》 ［佐野雅美］
- 恐怖のミイラ (1961) 〜『恐怖のミイラのテーマ』《（インスト）》 ［小川寛興］
- スパイキャッチャーJ3 (1965) 〜『スパイキャッチャー』《叶修二》 ［伊部晴美］
- ガメラ対宇宙怪獣バイラス (1965) 〜『ガメラ・マーチ（ショート版）』《大映児童合唱団》 ［広瀬健次郎］ 【ひ】
- ウルトラQ (1966) 〜『テーマ、大怪獣の歌、ウルトラマーチ』《（インスト）、みすず児童合唱団》 ［宮内國郎］ 【ひ】
- 忍者ハットリくん (1966) 〜『忍者ハットリくん』《前川陽子》 ［小川寛興］
- マグマ大使 (1966) 〜『マグマ大使、ガムの歌』《コール東京、前川陽子/ヤングフレッシュ》 ［山本直純］
- ウルトラマン (1966) 〜『ウルトラマンの歌、進め！ウルトラマン、特捜隊の歌』《コーロ・ステルラ/みすず児童合唱団》 ［宮内國郎］ 【ひ】
- アタック拳 (1966) 〜『アタック拳の歌、カレーライスの歌』《野口正見/テイチク児童合唱団》 ［原賢一］
- 悪魔くん (1966) 〜『呪文（オババの唄）、主題歌』《水島早苗、ボーカルショップ》 ［山下毅雄］
- 快獣ブースカ (1966) 〜『快獣ブースカ、ブースカ・ソング、ブースカ音頭、陽気なブースカ』《高橋和枝/みすず児童合唱団》 ［宮内國郎］ 【ひ】
- 怪竜大決戦 (1966) 〜『怪竜大決戦（主題歌）、進め！自雷也』《ヤング・フレッシュ、前川陽子/ヤングフレッシュ》 ［津島利章］
- 仮面の忍者赤影 (1967) 〜『赤影の歌、忍者マーチ』《ヤングフレッシュ/ボーカルショップ》 ［小川寛興］ 【ひ】
【個人的収録曲ヒット率】 （オムニバス盤なので対象外）
［当サイトの関連音盤］
懐かしの特撮ヒーロー大全(1) 1958-1967（本盤）
懐かしの特撮ヒーロー大全(2) 1967-1968
懐かしの特撮ヒーロー大全(4) 1972-1973
このＣＤシリーズを購入
オリジナル版 懐かしの特撮ヒーロー大全(2) 1967-1968
［オムニバス盤］
CD／1995／東芝EMI／TOCT-8792／各社／\2,000
［アルバム解説］
本盤の購入動機は、何はなくとも「マイティジャック」の『MJの歌』。 本編では未使用の歌ですが、流れるようなコーラスが素晴らしい、冨田勲の大人向けの歌曲でした。
ＬＰ（右写真）
には収録されていたもののＣＤ化はされておらず、当時のオムニバス盤
「円谷作品特撮グラフィティ」からも漏れ、まあ探した探した。 その後は特に探してませんが、今でもそんなにＣＤ化されていないんではないかと思います（円谷作品のＣＤボックス系にはあるでしょうけど）。
このマイティジャックにくわえ、「ウルトラセブン」、「キャプテンウルトラ」など、副主題歌や挿入歌もコンプリートしてて、良心的な編集です。 あってもなくてもどうでも良さそうな『ウルトラ少年の歌』まで入っているのはご立派。
もっとも私は他の盤で音源は持っていたのですが。 ただ、「ウルトラセブン」の『ULTRA SEVEN』は、間奏部に、円谷の満田かずほ監督が声を当てた "FOURTH GATE,OPEN" という劇中のセリフが入っているバージョンで、これはこの盤でしか持ってません。 「ジャイアントロボ」も、本盤は３コーラス・バージョン。 「ＳＦ特撮ＴＶ主題歌大全集」 は２コーラスだったので、これも嬉しかった。 「バンパイヤ」は歌自体は知っていたので、おまけとしては良かったかな。 「コメットさん」や「忍者ハットリくん」はどうでもいい。 見てたけど。
さて上の(1)のところで書き残した話。 還暦越えの私ですら本放送時は見たことありませんが、日本のテレビ特撮ヒーロー物って1966年の「マグマ大使」、「ウルトラマン」を境に前後で傾向は変わっている気がします。 この両番組が初の巨大ヒーロー、（ヒーロー物では）初の全話カラー放送（数話の場合は「快傑ハリマオ」が初）ということももちろんあるのですが、音楽（主題歌）もこれらの作品を境に変化がみられます。
1958年の日本初のヒーロー物「月光仮面」以降の主題歌は大半が、軍歌（それをルーツとする和製マーチ含む）、童謡、あるいは祭囃子的音楽で、基本は「戦前からの日本の音楽」でした。 「遊星王子」、「豹(ジャガー)の眼」、「少年ジェット」、「七色仮面」、「海底人8823(ハヤブサ)」、「アラーの使者」、「ナショナルキッド」と、みんなそう。
ところが「マグマ大使」、「ウルトラマン」は完全に西洋音楽の文法ですよね。 「マグマ」は洋楽マーチだし、「ウルトラ」はジャズ・ロック的歌曲。 翌1967年以降、テレビ特撮物から旧来日本音楽調の主題歌は姿を消してるんですよ。 もっとも「仮面の忍者赤影」という例外はありますが、これは特撮ヒーローというより、「風小僧」をルーツとする児童向け時代劇の線上にありますから、ちょっと一緒くたには扱えない。
これと同じことは主題歌の歌手にも言え、「マグマ」、「ウルトラ」以前の主題歌は、児童合唱団（＋女性ボーカル）が大半で、つまりは童謡のイメージ。 例外は「豹の眼」、「快傑ハリマオ」ぐらい。 ただ「豹」も「ハリマオ」も、子供の時に「少年倶楽部」を読んでいた当時の大人もターゲットにしていると思うので、純粋な子供向けかどうか。
歌手が男性中心に代わるのは、1964年の「忍者部隊月光」から（作曲は渡辺宙明）。 これは児童合唱すら入らない男声コーラス（デューク・エイセス）のみの歌曲です。 翌65年に男性ソロボーカルの「スパイキャッチャーJ3」がありますが、これは大人向けですね。
そして1966年の「マグマ」、「ウルトラ」に戻ると、「マグマ大使」は男声コーラス先行でサビに児童合唱が参加、「ウルトラマン」はその逆で児童合唱が先行。 さらに翌年の1967年は、「キャプテンウルトラ」、「光速エスパー」、「ウルトラセブン」、「ジャイアントロボ」ですから、男声主体のコーラス、または男声＋児童合唱というフォーマットが定着しています。
近代型特撮ヒーローの原型を作った両作が、音楽面でも同じことをしたのだろうと思います。 「ウルトラマン」が、昔ながらの「月光仮面」みたいな主題歌だったら今ごろどうなってたろう、と考えると面白い。 ちなみに冨田勲は、 「宇宙船シリカ」(1960のNHK人形劇）、「宇宙人ピピ」(1965、NHK）と、チルドレン・コーラスではありますが、曲調はトミタらしい独自路線を貫いておりました。
以上、しょーもないことをだらだらと書いてしまいましたが、このＣＤ、シリーズ(2)は２６曲６７分収録でした。 (2025/09/06：管理人から一言)
［収録作品］（『 』内は曲名、［ ］は作曲者、【ひ】は当サイト単独盤・関連盤へのリンク）
【個人的収録曲ヒット率】 （オムニバス盤なので対象外）
ＬＰ（右写真）
には収録されていたもののＣＤ化はされておらず、当時のオムニバス盤
「円谷作品特撮グラフィティ」からも漏れ、まあ探した探した。 その後は特に探してませんが、今でもそんなにＣＤ化されていないんではないかと思います（円谷作品のＣＤボックス系にはあるでしょうけど）。
このマイティジャックにくわえ、「ウルトラセブン」、「キャプテンウルトラ」など、副主題歌や挿入歌もコンプリートしてて、良心的な編集です。 あってもなくてもどうでも良さそうな『ウルトラ少年の歌』まで入っているのはご立派。
もっとも私は他の盤で音源は持っていたのですが。 ただ、「ウルトラセブン」の『ULTRA SEVEN』は、間奏部に、円谷の満田かずほ監督が声を当てた "FOURTH GATE,OPEN" という劇中のセリフが入っているバージョンで、これはこの盤でしか持ってません。 「ジャイアントロボ」も、本盤は３コーラス・バージョン。 「ＳＦ特撮ＴＶ主題歌大全集」 は２コーラスだったので、これも嬉しかった。 「バンパイヤ」は歌自体は知っていたので、おまけとしては良かったかな。 「コメットさん」や「忍者ハットリくん」はどうでもいい。 見てたけど。
さて上の(1)のところで書き残した話。 還暦越えの私ですら本放送時は見たことありませんが、日本のテレビ特撮ヒーロー物って1966年の「マグマ大使」、「ウルトラマン」を境に前後で傾向は変わっている気がします。 この両番組が初の巨大ヒーロー、（ヒーロー物では）初の全話カラー放送（数話の場合は「快傑ハリマオ」が初）ということももちろんあるのですが、音楽（主題歌）もこれらの作品を境に変化がみられます。
1958年の日本初のヒーロー物「月光仮面」以降の主題歌は大半が、軍歌（それをルーツとする和製マーチ含む）、童謡、あるいは祭囃子的音楽で、基本は「戦前からの日本の音楽」でした。 「遊星王子」、「豹(ジャガー)の眼」、「少年ジェット」、「七色仮面」、「海底人8823(ハヤブサ)」、「アラーの使者」、「ナショナルキッド」と、みんなそう。
ところが「マグマ大使」、「ウルトラマン」は完全に西洋音楽の文法ですよね。 「マグマ」は洋楽マーチだし、「ウルトラ」はジャズ・ロック的歌曲。 翌1967年以降、テレビ特撮物から旧来日本音楽調の主題歌は姿を消してるんですよ。 もっとも「仮面の忍者赤影」という例外はありますが、これは特撮ヒーローというより、「風小僧」をルーツとする児童向け時代劇の線上にありますから、ちょっと一緒くたには扱えない。
これと同じことは主題歌の歌手にも言え、「マグマ」、「ウルトラ」以前の主題歌は、児童合唱団（＋女性ボーカル）が大半で、つまりは童謡のイメージ。 例外は「豹の眼」、「快傑ハリマオ」ぐらい。 ただ「豹」も「ハリマオ」も、子供の時に「少年倶楽部」を読んでいた当時の大人もターゲットにしていると思うので、純粋な子供向けかどうか。
歌手が男性中心に代わるのは、1964年の「忍者部隊月光」から（作曲は渡辺宙明）。 これは児童合唱すら入らない男声コーラス（デューク・エイセス）のみの歌曲です。 翌65年に男性ソロボーカルの「スパイキャッチャーJ3」がありますが、これは大人向けですね。
そして1966年の「マグマ」、「ウルトラ」に戻ると、「マグマ大使」は男声コーラス先行でサビに児童合唱が参加、「ウルトラマン」はその逆で児童合唱が先行。 さらに翌年の1967年は、「キャプテンウルトラ」、「光速エスパー」、「ウルトラセブン」、「ジャイアントロボ」ですから、男声主体のコーラス、または男声＋児童合唱というフォーマットが定着しています。
近代型特撮ヒーローの原型を作った両作が、音楽面でも同じことをしたのだろうと思います。 「ウルトラマン」が、昔ながらの「月光仮面」みたいな主題歌だったら今ごろどうなってたろう、と考えると面白い。 ちなみに冨田勲は、 「宇宙船シリカ」(1960のNHK人形劇）、「宇宙人ピピ」(1965、NHK）と、チルドレン・コーラスではありますが、曲調はトミタらしい独自路線を貫いておりました。
以上、しょーもないことをだらだらと書いてしまいましたが、このＣＤ、シリーズ(2)は２６曲６７分収録でした。 (2025/09/06：管理人から一言)
［収録作品］（『 』内は曲名、［ ］は作曲者、【ひ】は当サイト単独盤・関連盤へのリンク）
- キャプテンウルトラ (1967) 〜『キャプテンウルトラ、ハックとジョー、宇宙マーチ』《ボーカルショップ/東京マイスタージンガー/上高田少年合唱団、熊倉一雄/川久保潔、ボーカルショップ》 ［冨田勲］ 【ひ】
- 大巨獣ガッパ (1967) 〜『大巨獣ガッパ、がんばれ仔ガッパ』《美樹克彦、ダニー飯田とパラダイスキング》 ［米山正夫］
- コメットさん (1967) 〜『コメットさん、コメットさん、ポロロン・ワルツ』《九重佑三子》 ［湯浅譲二、中村八大、浅井修三］
- 光速エスパー (1967) 〜『光速エスパーの歌、幸せのブルー・スター』《望月浩》 ［服部克久］
- 忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウくん (1967) 〜『忍者ハットリくん、ごきげんジッポウくん』《前川陽子/熊倉一雄/ヤング・フレッシュ》 ［湯山昭］
- ウルトラセブン (1967) 〜『ウルトラセブンの歌、ULTRA SEVEN、ウルトラ警備隊の歌、ウルトラ少年の歌』《ジ・エコーズ/みすず児童合唱団、ジ・エコーズ、東京マイスタージンガー、みすず児童合唱団》 ［冬木透］ 【ひ】
- 怪獣王子 (1967) 〜『怪獣王子の唄、怪獣音頭』《天地総子、森明子》 ［半間厳一］
- ジャイアントロボ (1967) 〜『ジャイアントロボ、ジャイアントロボ・ソング』《マイスタージンガー》 ［山下毅雄］
- マイティジャック (1968) 〜『マイティジャック、進めマイティジャック、MJの歌』《フールサンズ合唱団、フールサンズ合唱団/上高田少年合唱団、フールサンズ合唱団》 ［冨田勲］ 【ひ】
- バンパイヤ (1968) 〜『バンパイヤのテーマ、ロックのバラード、チッペイ音頭』《松川義昭、佐藤博、堀絢子》 ［林光］
【個人的収録曲ヒット率】 （オムニバス盤なので対象外）
［当サイトの関連音盤］
懐かしの特撮ヒーロー大全(1) 1958-1967
懐かしの特撮ヒーロー大全(2) 1967-1968（本盤）
懐かしの特撮ヒーロー大全(4) 1972-1973
このＣＤシリーズを購入
オリジナル版 懐かしの特撮ヒーロー大全(4) 1972-1973
［オムニバス盤］
CD／1995／東芝EMI／TOCT-8794／各社／\2,000／\1,550［中古］
［アルバム解説］
さて最後のご紹介はシリーズ４枚目。 この盤の目当ては「サンダーマスク」のみ。 巨大ヒーロー特撮嫌いの渡辺岳夫の、おそらく唯一の担当曲。 編曲は「機動戦士ガンダム」等多数で組んでる弟子の松山裕士、本編音楽は中村二大。 歌手は若子内悦郎（若木ヒロシ名義）で、伝説のNHK音楽番組「ステージ１０１」出身者。
「謎の円盤ＵＦＯ」の日本版主題歌
なんてのも歌ってます。 アニメ「はじめ人間ギャートルズ」から生まれた名曲、♪なんにもない／なんにもない／まったくなんにもない♪で知られる『やつらの足音のバラード』を歌った、ちのはじめ はこの人の変名（作曲はムッシュかまやつ）。
この「サンダーマスク」はセルカセットでしか音源を持っていなかったので助かりました。 他にＣＤ化されているのは「ぼくらのテレビ探偵団」ぐらいしかない模様。
とは言え著作権の関係で、現在では事実上見ることが不可能なこの番組（右写真は拾い画像）、実は俺も大して見たことない。 でも、この頃の特撮ドラマ主題歌は何となくコンプリートしたくて。 私は「ウルトラマンレオ」や「猿の軍団」の1974〜75年あたりにこの手のドラマを卒業したのですが、見てないドラマでも、小学校でみんな主題歌を歌ってるじゃないですか。 やっぱり郷愁はあるんですよね。
「レインボーマン」なんてまったく見てないのですが、放送当時、東京都杉並区界隈の小学生の間では ♪インドの山奥でんでんでん六豆うまい豆♪ って替え歌が流行ってました。 調べると全国的に歌われてたみたいですね。 その「レインボーマン」は、本盤では主題歌等４曲を全て収録。 他に音源持っているとはいえ久しぶりに聴いてみたら、特撮ソング随一の凶悪な歌詞を持つ『死ね死ね団のテーマ』はもちろん有名だけど、他の曲でも、♪あいつを潰せ／あいつを殺せ♪ とか無邪気な歌声の子供たちに物騒な歌詞を歌わせるなよ趣味悪いな川内康範（原作・作詞）。 甥っ子の北原じゅんはおじをどう思いながら作曲したんだろうか。
他で音源持ってなかったのは「ゴッドマン」ですが、まあこれはそんなに思い入れはない。 他の歌曲では、「トリプルファイター」が『オレンジファイターのバラード』まで収録しているのは偉い。 「ジャンボーグＡ」も４曲全曲収録。 主題歌は、谷あきら名義の子門真人と荒川少年少女合唱隊なので東宝レコードの公式音源ですが、単独サントラ盤等に収録されたものとテイク違いのようです（単独盤はtake 3）。 聴感上は問題なし。 以上２３曲６３分収録。 (2025/09/06：管理人から一言)
［収録作品］（『 』内は曲名、［ ］は作曲者、【ひ】は当サイト単独盤・関連盤へのリンク）
【個人的収録曲ヒット率】 （オムニバス盤なので対象外）
この「サンダーマスク」はセルカセットでしか音源を持っていなかったので助かりました。 他にＣＤ化されているのは「ぼくらのテレビ探偵団」ぐらいしかない模様。
とは言え著作権の関係で、現在では事実上見ることが不可能なこの番組（右写真は拾い画像）、実は俺も大して見たことない。 でも、この頃の特撮ドラマ主題歌は何となくコンプリートしたくて。 私は「ウルトラマンレオ」や「猿の軍団」の1974〜75年あたりにこの手のドラマを卒業したのですが、見てないドラマでも、小学校でみんな主題歌を歌ってるじゃないですか。 やっぱり郷愁はあるんですよね。
「レインボーマン」なんてまったく見てないのですが、放送当時、東京都杉並区界隈の小学生の間では ♪インドの山奥でんでんでん六豆うまい豆♪ って替え歌が流行ってました。 調べると全国的に歌われてたみたいですね。 その「レインボーマン」は、本盤では主題歌等４曲を全て収録。 他に音源持っているとはいえ久しぶりに聴いてみたら、特撮ソング随一の凶悪な歌詞を持つ『死ね死ね団のテーマ』はもちろん有名だけど、他の曲でも、♪あいつを潰せ／あいつを殺せ♪ とか無邪気な歌声の子供たちに物騒な歌詞を歌わせるなよ趣味悪いな川内康範（原作・作詞）。 甥っ子の北原じゅんはおじをどう思いながら作曲したんだろうか。
他で音源持ってなかったのは「ゴッドマン」ですが、まあこれはそんなに思い入れはない。 他の歌曲では、「トリプルファイター」が『オレンジファイターのバラード』まで収録しているのは偉い。 「ジャンボーグＡ」も４曲全曲収録。 主題歌は、谷あきら名義の子門真人と荒川少年少女合唱隊なので東宝レコードの公式音源ですが、単独サントラ盤等に収録されたものとテイク違いのようです（単独盤はtake 3）。 聴感上は問題なし。 以上２３曲６３分収録。 (2025/09/06：管理人から一言)
［収録作品］（『 』内は曲名、［ ］は作曲者、【ひ】は当サイト単独盤・関連盤へのリンク）
- ウルトラマンA (1972) 〜『ウルトラマンA、TACの歌』《ハニー・ナイツ/少年少女合唱団みずうみ》 ［葵まさひこ］ 【ひ】
- トリプルファイター (1972) 〜『トリプルファイターの歌、トリプルファイターの誓い、オレンジファイターのバラード』《子門真人/杉並児童合唱団/コールフェニックス、山口佳子/杉並児童合唱団》 ［宮内國郎］ 【ひ】
- 緊急指令10-4・10-10 (1972) 〜『緊急指令10-4・10-10、電波特捜隊』《水木襄/ザ・ブレッスン・フォー》 ［渡辺岳夫］ 【ひ】
- サンダーマスク (1972) 〜『サンダーマスク、戦え!サンダー』《若子内悦郎（若木ヒロシ名義）/ザ・ブレッシング・フォー/みすず児童合唱団》 ［渡辺岳夫］
- 行け！ゴッドマン (1972) 〜『行け！ゴッドマン、ぼくらのゴッドマン』《山本一郎とグリーン・ピース》 ［山下毅雄］
- レインボーマン (1972) 〜『行けレインボーマン、ヤマトタケシの歌、あいつの名前はレインボーマン、死ね死ね団のテーマ』《安永憲自/ヤング・フレッシュ、安永憲自、キャッツアイズ/ヤングフレッシュ》 ［北原じゅん］
- アイアンキング (1972) 〜『アイアンキング、ひとり旅』《子門真人》 ［菊池俊輔］ 【ひ】
- ジャンボーグA (1972) 〜『ジャンボーグA、輝け!P.A.T.、戦え!ジャンボーグ9、エース・アンド・ナイン』《子門真人（谷あきら名義）/荒川少年少女合唱隊、子門真人（谷あきら名義）/サークルバレーズ、子門真人、サークルバレーズ》 ［菊池俊輔］ 【ひ】
- 白獅子仮面 (1973) 〜『『白獅子仮面の歌』『十手のマーチ』』《水木一郎/コロムビアゆりかご会、コロムビアゆりかご会》 ［広瀬健次郎］ 【ひ】
【個人的収録曲ヒット率】 （オムニバス盤なので対象外）
［当サイトの関連音盤］
懐かしの特撮ヒーロー大全(1) 1958-1967
懐かしの特撮ヒーロー大全(2) 1967-1968
懐かしの特撮ヒーロー大全(4) 1972-1973（本盤）
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円谷作品特撮グラフィティ ＜スーパーヒーロー編・ＳＦバラエティ編＞ TSUBURAYA SFX GRAFFITI
［オムニバス盤］
CD／1988／日本コロムビア／56CC-2168→29／日本コロムビア／\5,600
［アルバム解説］
「ウルトラ」以外の円谷プロ製作作品の主題歌を集めたＣＤ。 ＣＤ普及期、1988年にリリースされた盤で、後年に同趣旨のＣＤは腐るほど出てますので今買う意味はまったくないと思いますが、「歴史」として載せてみます。 この時期ですからＬＰとの併売で、ＣＤサブタイトルに ＜スーパーヒーロー編・ＳＦバラエティ編＞とありますが、それぞれが１枚で出たＬＰを２枚組ＣＤとした形です。
収録曲は日本コロムビアが原盤権を持つ歌曲で、主に東映系を集めた同趣旨のＣＤ 「特撮テレビヒーロー主題歌集 昭和46年〜52年」 の翌年にリリースされています。 キングレコードから同年発売の、 「ＳＦ特撮ＴＶ主題歌大全集」 と合わせると、「ウルトラ以外の円谷作品」はほぼカバーできたのでした。 ８０年代、怒涛の特撮ソングＣＤ化で、当時の私は狂乱しながら買い続けてましたが、７０年代放送当時の小学生が社会人になる時期で購買力を持ったわけですから、狙い撃ちされたんですね。 はい、めった撃ちされて全身穴だらけですわ。
構成は、１番組２曲という縛りがあるようで、「マイティジャック」の『MJの歌』が落ちるなど収録曲は中途半端。 でもなぜか「ファイヤーマン」は４曲あったりする。 そして唐突に「帰ってきたウルトラマン」のカラオケや、「スターウルフ」のメロオケの収録。 それ入れるぐらいなら他に○○を、と思わせる編集方針はいまひとつですが、冒頭に書いた通り、いまは同趣旨のＣＤがなんぼでもあるからまあいいかな。
ほとんどが製作側公式音源ですが、「ジャンボーグA」のみ日コロ版カバー。 歌手は公式と同じ子門真人ですが、主題歌のボーカルはより前に出ており、アウトロも２度繰り返しで少し長い。 『輝けPAT』のバックコーラスは、公式版の "地獄のおっさんこーらす" サークルバレーズではなく、若々しい青年コーラスが元気です。 いまとなってはこれも貴重な音源かな。 他のどっかで収録されているとは思いますが。 そんな「載せてみただけ」のＣＤは４０曲１時間５３分収録です。 (2025/09/06：管理人から一言)
［収録作品］（『 』内は曲名、［ ］は作曲者、【ひ】は当サイト単独盤・関連盤へのリンク）
【個人的収録曲ヒット率】 （オムニバス盤なので対象外）
収録曲は日本コロムビアが原盤権を持つ歌曲で、主に東映系を集めた同趣旨のＣＤ 「特撮テレビヒーロー主題歌集 昭和46年〜52年」 の翌年にリリースされています。 キングレコードから同年発売の、 「ＳＦ特撮ＴＶ主題歌大全集」 と合わせると、「ウルトラ以外の円谷作品」はほぼカバーできたのでした。 ８０年代、怒涛の特撮ソングＣＤ化で、当時の私は狂乱しながら買い続けてましたが、７０年代放送当時の小学生が社会人になる時期で購買力を持ったわけですから、狙い撃ちされたんですね。 はい、めった撃ちされて全身穴だらけですわ。
構成は、１番組２曲という縛りがあるようで、「マイティジャック」の『MJの歌』が落ちるなど収録曲は中途半端。 でもなぜか「ファイヤーマン」は４曲あったりする。 そして唐突に「帰ってきたウルトラマン」のカラオケや、「スターウルフ」のメロオケの収録。 それ入れるぐらいなら他に○○を、と思わせる編集方針はいまひとつですが、冒頭に書いた通り、いまは同趣旨のＣＤがなんぼでもあるからまあいいかな。
ほとんどが製作側公式音源ですが、「ジャンボーグA」のみ日コロ版カバー。 歌手は公式と同じ子門真人ですが、主題歌のボーカルはより前に出ており、アウトロも２度繰り返しで少し長い。 『輝けPAT』のバックコーラスは、公式版の "地獄のおっさんこーらす" サークルバレーズではなく、若々しい青年コーラスが元気です。 いまとなってはこれも貴重な音源かな。 他のどっかで収録されているとは思いますが。 そんな「載せてみただけ」のＣＤは４０曲１時間５３分収録です。 (2025/09/06：管理人から一言)
［収録作品］（『 』内は曲名、［ ］は作曲者、【ひ】は当サイト単独盤・関連盤へのリンク）
- ミラーマン (1971) 〜『ミラーマンの唄、SGMの唄』《植木浩史/ハニーナイツ、クール・ミラーズ》 ［冬木透］ 【ひ】
- レッドマン (1972) 〜『レッドマン、夕陽のレッドマン』《子門真人》 ［山下毅雄］
- トリプルファイター (1972) 〜『トリプルファイターの歌、トリプルファイターの誓い』《子門真人/杉並児童合唱団/コールフェニックス》 ［宮内國郎］ 【ひ】
- ファイヤーマン (1972) 〜『ファイヤーマン、出撃SAF、炎のようにもえろ、はるかな青い地底に』《子門真人、コロムビアゆりかご会/フォートーンズ、子門真人/フォートーンズ、子門真人》 ［小林亜星、三沢郷］ 【ひ】
- ジャンボーグA (1972) 〜『ジャンボーグA、輝け!P.A.T.』《子門真人（谷あきら名義）/コロムビアゆりかご会、子門真人（谷あきら名義）/ザ・スウィンガーズ》 ［菊池俊輔］ 【ひ】
- プロレスの星アステカイザー (1976) 〜『カモン!アステカイザー 、ファイト!アステカイザー』《子門真人/コロムビアゆりかご会》 ［津島利章］ 【ひ】
- 恐竜戦隊コセイドン (1978) 〜『恐竜戦隊コセイドン、コセイドン隊マーチ』《水木一郎/ひばり児童合唱団》 ［宮内國郎］ 【ひ】
- ウルトラ超伝説アンドロメロス (1992) 〜『アンドロメロス、帰ってこいよアンドロメロス』《水木一郎/コロムビアゆりかご会、水木一郎》 ［菊池俊輔］
- 帰ってきたウルトラマン (1971) 〜『帰ってきたウルトラマン』《（カラオケ）》 ［すぎやまこういち］ 【ひ】
- スターウルフ (1978) 〜『青春の旅立ち、さすらいのスターウルフ』《ヒデ夕樹》 ［森田公一］ 【ひ】
- マイティジャック (1968) 〜『マイティジャック、進めマイティジャック』《フールサンズ合唱団、フールサンズ合唱団/上高田少年合唱団》 ［冨田勲］ 【ひ】
- 怪奇大作戦 (1968) 〜『恐怖の町、怪奇ソング』《サニー・トーンズ》 ［山本直純］ 【ひ】
- 快獣ブースカ (1966) 〜『快獣ブースカ主題歌、ブースカソング』《あまんじゃく・高橋和枝》 ［宮内國郎］ 【ひ】
- 緊急指令10-4・10-10 (1972) 〜『緊急指令10-4・10-10、電波特捜隊』《水木襄/ザ・ブレッスン・フォー》 ［渡辺岳夫］ 【ひ】
- 恐怖劇場アンバランス (1988) 〜『恐怖劇場アンバランス』《（インスト）》 ［冨田勲］
- 怪獣大決戦ダイゴロウ対ゴリアス (1972) 〜『ダイゴロウ対ゴリアス、ララバイ オブ ダイゴロウ、ぼくのおじさん』《子門真人、桜井妙子、子門真人》 ［冬木透］
- 猿の軍団 (1988) 〜『猿の軍団、何処かで愛が』《子門真人、藤田淑子》 ［津島利章］ 【ひ】
- 恐竜探検隊ボーンフリー (1976) 〜『行け！ボーンフリー、恐竜よいつまでも』《子門真人/コロムビアゆりかご会》 ［冬木透］ 【ひ】
- アニメちゃん (1984) 〜『アニメちゃんの天使たち、レッツゴー・アニメ』《山田恭子》 ［菊池俊輔］
- スターウルフ (1978) 〜『青春の旅立ち（モノラル）』《（メロオケ）》 ［森田公一］ 【ひ】
【個人的収録曲ヒット率】 （オムニバス盤なので対象外）
このＣＤ（国内盤）を購入